アイアンだけ左へ飛ぶ…上達してきた頃ほど起きやすい“矛盾したミス”
先日ゴルフ友達とラウンドしている時にこんな話になりました。ゴルフ友達から「最近アイアンだけ引っかかる。その他のクラブのミスは当たりが薄いスライスか右プッシュ。どうしてアイアンだけひっかかるのかな?」と聞かれました。私は「日替わりではなく、毎回アイアンだけ引っかかるの?」と聞き返しました。ゴルフ友達は「そうなのよ。ここ最近のラウンドはアイアンだけ引っかかる」と答えてくれました。私は「毎回そうだと原因を確認して修正する必要があるね」と答えました。
ドライバーやFWはスライスする、UTも右にプッシュする。それなのに、アイアンだけ左にひっかかる。こうなると、多くのアマチュアゴルファーは、クラブごとにまったく違うミスが出ているように感じると思います。しかし実際には、同じスイング傾向がクラブの長さによって違う形で表れているケースがあります。特に多いのは、体が早く開いてクラブが遅れ、インパクトでフェースが戻りにくいタイプです。長いクラブではフェースが戻りきらないため、右プッシュやスライス、薄い当たりになりやすくなります。
一方で、アイアンはクラブが短く、フェースを手元で返しやすいクラブです。そのため、右に出るのを嫌がって無意識に手でつかまえにいくと、今度はフェースが返りすぎて左に飛びます。つまり、長いクラブでは右、アイアンでは左という、一見矛盾したミスが起きるわけです。アイアンだけひっかける原因は、単純に左に振っているからとは限りません。もともと右に出やすいスイングを、アイアンでは手で補正しすぎている可能性があります。
この考え方がわかると、アイアンのひっかけを直すときに、フェースを開けばいい、手を返さなければいい、と単純に考えなくなります。もし根本に体の開きや振り遅れがあるなら、手を返す動きだけを止めると、今度はアイアンまで右に出る可能性があります。スコアを安定させていく過程で大事なのは、右へのミスと左へのミスを別々に見るのではなく、なぜ長いクラブでは右、アイアンでは左に出ているのかをセットで考えることです。
スコアを崩しやすい人ほど“体の開き”と“手の帳尻合わせ”が起きている
アイアンだけひっかける人は、インパクト直前で手首を返しすぎていることがあります。ただし、ここで注意したいのは、手を返す動きだけが原因ではないということです。多くの場合、その前に体が早く開いて、クラブが体の正面から外れていることがあります。ダウンスイングで腰や胸が先に開きすぎると、クラブが遅れて下りてきます。そのままではフェースが開きやすく、ボールは右に出やすくなります。
長いクラブでは、この動きが右プッシュやスライスとして出やすくなります。ところがアイアンは短いので、インパクト直前に手首を返して何とか間に合わせることができます。この帳尻合わせがうまくいきすぎると、フェースが左を向いてひっかけになります。本人の感覚としては普通に振っているつもりでも、実際には体が開く、フェースが開きそうになる、手で急いで返す、という流れになっているわけです。
ですから、アイアンのひっかけを直すときに、いきなり手を返さないように意識するだけでは不十分です。手を返している理由まで見ないと、ミスの方向が左から右に変わるだけになってしまいます。大切なのは、体と腕がバラバラにならず、クラブを体の正面に戻した状態でインパクトすることです。手でフェースを急いで返すのではなく、胸の回転と腕の動きがそろってクラブが下りてくると、フェースの向きが安定し、極端なひっかけも減りやすくなります。
“上から打ち込まなきゃ”が強くなるほど、左のミスは増えていく
アイアンだけひっかけるもうひとつの原因は、アイアンだけ上から打ち込もうとしすぎることです。アイアンはダウンブローで打つ、ボールをつぶす、ターフを取る、とよく言われます。もちろん、アイアンは適度に上から入るのが理想です。ただ、アマチュアゴルファーの場合、この意識が強くなりすぎると、上体が目標方向へ突っ込んだり、右肩が前に出たりしやすくなります。そうなると、クラブは外から入りやすくなり、スイング軌道は左方向になりやすくなります。
そこにフェースの返しすぎが加わると、ボールは低く左に出たり、左に飛び出してさらに曲がったりします。これが、アイアンで出やすいひっかけです。特に、グリーンを狙う場面で、しっかり打たなければ、ダフってはいけない、と思うほど、上から叩く動きが強くなりやすいです。本人としては正確に打とうとしているのに、結果的には体が突っ込み、クラブが外から入り、左へのミスを誘発してしまいます。
アイアンは地面にあるボールを打つクラブですが、必要以上に打ち込む必要はありません。むしろ、ボールの前後を低く長く振る意識の方が、入射角が安定し、フェースの急激な返りも抑えやすくなります。ターフを深く取ることを目的にするのではなく、まずは芯に当てて、出球の方向をそろえることが大切です。スコアを伸ばしていく過程では、“強く打つ”より“方向をそろえる”ほうが重要になる場面が増えます。アイアンのひっかけが出ているときほど、上から叩く意識を少し弱めて、低いところを長く振るイメージに変えると、左へのミスを抑えやすくなります。
上達している人ほど、まずアドレスとハーフショットを疑う
アイアンだけひっかけるときは、いきなりスイングを大きく変えるよりも、まずアドレスを確認した方がいいです。特に、ドライバーやFWで右プッシュやスライスが出ている人は、右へのミスを嫌がって、アイアンでは無意識に左へ飛ぶ準備をしていることがあります。たとえば、フェースを少しかぶせて構えている、肩のラインが目標より左を向いている、ボールを右に置きすぎている、といった形です。本人はまっすぐ構えているつもりでも、フェースや肩のラインが左を向いていれば、普通に打っても左に出やすくなります。
チェックするときは、まずクラブフェースを目標に対してスクエアに置き、そのあとでスタンスを作る順番にしてください。先に足を決めてからフェースを合わせようとすると、体の向きに引っ張られてフェースが左を向きやすくなります。ボール位置も、右に置きすぎていないか確認します。ショートアイアンなら体の中央付近、ミドルアイアンなら中央よりボール半個から1個分左くらいを目安にして、極端に右へ寄せないことが大切です。アドレスの向きがズレたまま練習しても、スイングの修正ポイントを間違えやすくなります。
アドレスを確認したら、次は9番アイアンやPWでハーフショットを打ちます。いきなりフルショットで直そうとすると、飛ばしたい気持ちや当てたい気持ちが出て、また手でフェースを返しやすくなります。練習では、腰から腰くらいの振り幅で、50〜70ヤード程度を目安に打ってください。このときの目的は、飛距離を出すことではなく、出球の方向とフェースの向きを確認することです。
アドレスを確認したら、次は9番アイアンやPWでハーフショットを打ちます。いきなりフルショットで直そうとすると、飛ばしたい気持ちや当てたい気持ちが出て、また手でフェースを返しやすくなります。練習では、腰から腰くらいの振り幅で、50〜70ヤード程度を目安に打ってください。このときの目的は、飛距離を出すことではなく、出球の方向とフェースの向きを確認することです。ボールが最初から左に飛び出すなら、アドレスでフェースや肩が左を向いているか、スイング軌道が左に向きすぎている可能性があります。反対に、右に出てから左へ曲がるなら、インパクトでフェースを返しすぎている可能性があります。ハーフショットで意識したいのは、インパクト後にフェースを急に左へ返さないことです。ひっかける人は、フォローでクラブヘッドが低く左へ巻き込むように出やすい傾向があります。そこで、フォローではクラブヘッドをすぐ左へ引っ張り込まず、目標方向へ少し長く出すイメージを持ちます。ただし、手先だけで真っすぐ出そうとすると体が止まり、今度はフェースが急に返るので注意が必要です。体の回転は止めず、胸の正面にグリップがある感覚を保ったまま、クラブを低く長く出します。手だけでフェースを返すのではなく、体の回転と一緒にクラブを運ぶイメージです。
ラウンド中にアイアンがひっかかり始めた場合は、その場で根本的にスイングを直そうとしない方が安全です。ラウンド中にできることは、ミスを消すことではなく、ミスを小さくすることです。まずは、毎回フェースを目標に合わせ直してから構えてください。右に行くのが怖くなると、知らないうちにフェースをかぶせて構えやすくなります。次に、1番手上げて軽く振ることです。7番アイアンを強く振るより、6番アイアンで少し抑えて打つ方が、手首を急いで返す動きや上から叩く動きが出にくくなります。さらに、狙いはピンではなくグリーン右半分にします。ひっかけが出ている状態でピンを狙うと、左のバンカーやOB、ラフに外して大きなミスになりやすいです。右半分を狙っておけば、少し左に出てもグリーン周辺に残る可能性が高くなります。アイアンだけひっかけるときは、完璧に直すよりも、まず左の大きなミスを防ぐ。そのうえで、練習場ではアドレス確認とハーフショットから原因を整理していくのが、いちばん現実的な対応です。
それでは、引き続きアマチュアゴルファー目線で役立つ記事を投稿できればと思っていますので、次回の投稿を楽しみにお待ちください。
もう少しでシングル(ペンネーム) 東京都内在住の40代のサラリーマンゴルファー。2011年にゴルフを始め、現在のJGAハンディキャップは4.5。2020年にはヘッドスピードアップにチャレンジし、42.4m/sからスタートし、61.0m/sまでアップ。2020年からシングルプレーヤーになる過程を記録するために、ブログ「シングルプレーヤーへの道は遠い?」を運営(https://low-handicapper.com/)。









