メルセデス・ベンツ G 350 d|最新ディーゼルは快適性もバツグン
最上級に乗る|極致のクオリティを求めたクルマの味わい vol.04
ゴルフ場に乗っていくなら、こんな車がいい。そう思わせてくれる最高のクオリティを備えた“最上級のクルマ”たちをご紹介します。
スキー場をゲレンデと呼ぶが、これは山道などを指すドイツ語。1979年、メルセデスが発売したゲレンデヴァーゲンは、まさに「山道を走るクルマ」だ。初代のW460型は軍用も想定した質実剛健な実用車だが、89年登場のW463型は高級感も加え、93年にGクラスと改称されたあとも「ゲレンデ」の愛称で親しまれた。2018年登場の現行モデルが基本設計を刷新しても型式をW463のままとしたのはきわめて異例だが、偉大な先代に対する敬意の表れといえるだろう。
本格オフローダーはサスペンション可動域が大きく、ソフトな乗り味になりがちだが、Gクラスの走りは緊密にして重厚。高い視点と相まって、自信と安心感を持って巨体を操縦できる。試乗車は価格を抑えたディーゼルモデルだが、力強さもレスポンスも不足なし。しかも、自然なハンドリングと乗り心地は、ガソリンV8モデルより魅力的に思えたほどだ。
室内は静かで、質感は高級セダンに遜色なし。しかもセダンにはない、ドイツ語でゴルフ場を指すプラッツ(開けた土地)のような開放感も堪能できる。快適な走りで道中にコース戦略を練れそうな余裕さえ与えてくれる、優秀なキャディのように頼れる一台だ。