オリンピック見ていたら、日本にもGOLFの聖地を作ろう!という気持ちになった

レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”/第6回

2021/08/05 ゴルフサプリ編集部



写真は松山英樹選手。

霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催中のでオリンピックゴルフ。時差で寝不足になりながらも米国フロリダからテレビ観戦しているというレックス倉本氏が、観戦中にビビッと感じたことを述べています。

寝不足覚悟でフロリダ州オーランドからオリンピック競技を見ています!たくさんの種目で日本人選手たちのメダル獲得は素直に嬉しい。先日の男子ゴルフ最終日では決して万全な状態ではなかった松山選手はあと一歩のところでメダルを逃しましたがそれでも彼の底力を見せてくれた大健闘のプレーはさすがです。金メダルのザンダー・シャウフェレも後半の乱れはあったものの見事な完全勝利。一緒にプレーしていた松山選手の9番以降の怒涛の攻撃を見せつけられその脅威をいちばんプレッシャーに感じたことがザンダーの調子を狂わせたことは間違いないでしょう。

今回は我々日本人にとって忘れられない日本で初めて開催されたオリンピックゴルフになったたのですが、このオリンピックゴルフを見ていたら「日本にもGOLFの聖地が絶対に必要だ!日本にもGOLFの聖地を作ろう!」という気持ちが私の中で強く湧きました。今日はそのことについて話します。

日本のジュニアゴルファーの聖地として知られる霞ヶ関カンツリー倶楽部でオリンピックができたことは最善の選択だったと思うし、次の若い世代の日本のゴルファーたちにも影響を与えてくれたとは思うのですが、選手たちのプレーはもちろん素晴らしかったのですが、ゴルフのコース攻略という点では見応えがなかったと思うんです。その理由は霞ヶ関のコースが正統派すぎたこと。霞ヶ関の特徴はいいゴルフをする人が勝てる、というコース。ただ、「ゴルフというのはゲーム」でどこかにゲーム性が欲しいんです。リスク&リワードホールとか、このホールは絶対にこうしてはいけない、このホールは絶対にこのボールで攻めなければならない、とか。霞ヶ関はゲームとしてゴルフをするトーナメントコースではないんですよ。

例えば、次回のフランス開催でのオリンピックゴルフはル・ゴルフナショナルで行われますがこれはフランスのゴルフ協会が持っているコース。2018年にライダーカップも開催されたコースでトーナメント用に作られたコースです。US PGA ツアーが所有しているThe Playersでお馴染みのTPC ソーグラスはドラマが起こる面白いホールがたくさんあります。PGA of Americaがテキサス州に作る自前のコースも全米プロゴルフ選手権を数年ごとに行うトーナメントのためのコースがあります。選手がゴルフというゲームをするためにドキドキワクワク戦っていく姿に我々見ている側にもその感覚が伝わってくる、そんなトーナメントコースが世界中にはたくさんあるんです。それがそれぞれの国やゴルフ団体の聖地になっているんです。

残念ながら日本には年中通してジュニアゴルファーもアマチュアゴルファーも楽しめて、且つトーナメントを意識して作られたコースがないんです。霞ヶ関はもちろんジュニアゴルファーの聖地にはなっているけど、悲しいかな「超名門ゴルフコース」であって、1年間通してジュニアゴルファーやナショナルチームの選手が自由に利用できるものではないんです。

だから今回オリンピックを見て世界のGOLFの聖地のことをが頭に浮かんできた時に、私は次の世代のゴルファーたちのために日本にもGOLFの聖地を作ってあげたい、と強く感じました。もちろん、私1人では雲を掴むような話かもしれませんが、日本のゴルフ界の団体がオールジャパンで力を合わせて次の世代のために何かをするとしたら、日本のどこかにゴルフゲームの楽しさを体現できる聖地を作ってあげることは不可能ではないと思うし、そこで大きな大会を開催することでそのトーナメントコースをアピールもでき、その大会にも出たい、そのコースでプレーしたい、っていう日本のゴルファーのひとつのデスティネーションになるような聖地を作ろうという大きなプランは必要だと思います。

今世界で活躍できるトップクラスの日本人アマチュアゴルファーたちが現れてくる兆しが見えていますが、そんなゴルファーの育成の土壌づくりにもこのビジョンは大きく繋がっていくと思います。今回のオリンピックを見てこんなことを強く思ったところです。

GOLFの聖地を作ろう!という意見に何かビビッときた方は、さらに下記「レックス倉本のBYTC GOLF」のYouTube音声動画で引き続きお楽しみ下さい。Podcast、Himalayaでも配信中。「レックス倉本」で検索してください。

写真/渡辺義孝