ティショットでも地面から打っても機能を発揮する5番ウッド

難しいと言われる3番ウッド(以下3W)と、3Wよりやさしいと言われる5番ウッド(以下5W)は、実際のところ何が違うのか? それぞれどんな人に合うのかを、ここでもう一度確認しておきましょう。

まずはロフトの比較から。いまはロフトが立ったストロングロフトや、逆に寝たハイロフトのモデルもあり、さらにメーカーやブランドによっても多少違いがありますが、3Wで13~16度、5Wで16~19度といったところ。3Wの方が3~4度ロフトが立っています。ロフトのある5Wは球が上がりやすく、3Wは上がりづらいですが後者は飛距離が出ます。

ヘッドの大きさは3Wが170~190cc、5Wで150~170ccといったところで20ccほど3Wの方が大きいですが、460ccがメインのドライバーと比べると、いずれも半分にさえはるかに及ばない大きさで、ともに急にヘッドが小さくなる印象があります。そのせいか20ccの差はそれほど感じません。また、ヘッドの大きさはフェースの芯の広さに反映されますが、この程度の違いだと数字的な差はあるものの、感覚的には差がなくほぼ同じと言っていいでしょう。

シャフトの長さは3Wが42.5~43インチ、5Wが42~42.5インチ。これもメーカーやブランドによって違いがありますが、セッティング的には0.5インチ差があるのが標準です。0.5インチは1.27センチと、ほんの少し違うだけですが結構影響があります(これについては後述します)。

次に実質的にショットに影響する部分ですが、球の上がりやすさについてはティアップした場合と地面から打つ場合で変わります。ティアップした場合、3Wも5Wもロフト通りの角度の出球になります。双方のロフトの違いがそのまま反映され、3Wは低く、5Wは高い出球になるということです。一方、地面から打った場合には、上がる上がらないの差が顕著になります。すなわち3Wはとても球が上がりづらく5Wは上がりやすい。ロフトが立ってシャフトが長い3Wでロフト通りに打ち出すにはヘッドスピードとパワーが必要になります。

ミート率についてもティアップと地面からでは差があります。ティアップした球を打つ場合3Wはミート率が低め、5Wの方が高くなります。これはシンプルにシャフトが長いからで、アイアンが一番手長いと当たりづらくなるのと同じイメージです。これが地面から打つとなると3Wのミート率はさらにガクンと落ち、それに比べると5Wはだいぶ高くなります。3Wは球の上がりやすさと同様の理由で当てるのが難しくなりミート率も急激に下がってしまう。球の上がりやすさとミート率については、ティアップすれば3Wも5Wも変わらず打てますが、地面からだと段違いに3Wが打ちづらくなるのです。

続いて飛距離ですが、当然のごとく芯を食えば3Wの方が飛びます。ただ、多少芯を外しても3Wの方が飛ぶかと思いきや、前述した理由により全く飛ばなくなります。つまりミート率の違いが飛距離にダイレクトに反映するわけで、当たった時の最大飛距離は3Wの方が上ですが、平均飛距離は5Wの方が上。アマチュアの方が使うとこの違いが如実に出て、3Wは飛ばず5Wはコンスタントに一定の距離を稼げます。

以上のことを踏まえてどんなシーンで使うのがベストなのかを考えると、3Wは距離のあるパー3や、落とし所がタイトだったり、ドライバーだと突き抜けそうなドッグレッグや距離の短いパー4やパー5のティショットがベスト。ボールが浮いていて傾斜もなく、ターゲット方向がワイドオープンなど好条件が揃っていない限り地面から打つのはおすすめしません。対する5Wはティショットに加え地面から打つ際にも条件がかなり緩和されます。ロフトがあってボールが上がりやすいことと、わずかな違いながらシャフトが短いことがこの差を生んでいます。

ということで、使用頻度において3Wは有効利用できるチャンスが少なく5Wの方が使う機会が圧倒的に多い。クラブセッティングに余裕がなく、どのウッドを入れようか迷っているならまずは5Wを入れる。セッティングに余裕があれば3Wと5Wを両方入れておき、ショットの成功確率が高い状況でだけ3Wを使うのがいいでしょう。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。