誰でも最初は初心者ゴルファー
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第10回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
撮影/篠原嗣典
新型コロナウィルスのパンディミックで、世界は変わりました。
ゴルフ業界にも大変革が起きました。ゴルフ先進国と言われているエリア全域で、ゴルフを始めた人たちが急増したのです。
この2年間で、日本でもゴルファーが80万人も増えたという分析があります。
凄い数だと、ゴルフ業界は大騒ぎしていますが、個人的には、ゴルフコースなどで、実感している感覚だと、もっと増えている感じがするのです。
増えたゴルファーは二種類に明確に分かれます。
おおよそですが、半分は、休眠していたゴルファーが再びゴルフを始めた、というケースです。
半分は、初めてゴルフを始めた20代、30代の若いゴルファーです。
面白いことに、これらの新しいゴルファーを保護していく考え方に小さな対立があります。
若いゴルファーは放置して、復活したゴルファーを優遇しようという一派と、逆に若いゴルファーを保護すべきだという一派がいるのです。
復活ゴルファーの中心は50代と言われています。若いゴルファーは文字通り若者です。大いに違う人たちなので、対策も違って当たり前です。
僕は、圧倒的に若いゴルファーを保護することに賛同しています。
理由は、一度ゴルフをやめている復活ゴルファーは、また、安直に誠意を裏切ってゴルフをやめてしまう可能性が高いと思っているからです。同世代だからこそ、彼らを信頼しきれないのです。
しかし、業界的には、復活ゴルファーを保護することに賛同するほうが多数派です。
理由は色々ありますが、最もわかりやすいのは、彼らは初心者ではなく、経験者だから受け入れやすい、というものです。
大きな誤解があります。実態を確認すれば、すぐにわかりますが、彼らも初心者なのです。それも、年をとっている分、ちょっと扱いにくい初心者です。