ヘッドスピードが上がっても、ボールにパワーが伝わらないと飛距離は伸びない

ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第46回

2022/04/29 ゴルフサプリ編集部 T島



今回は最近流行りの弾道計測器について。ヘッドスピード(クラブスピード)を気にする人が多いそうだが、ヘッドスピードが上がっても飛ばなかったという事例もあるという。弾道計測器の活用術について、今回もゴルフライターのT島氏が大蔵ゴルフスタジオの代表でフィッターの市川氏に切り込みます。

写真提供/大蔵ゴルフスタジオ

(T島)最近、弾道計測器が一般化していますよね?

(市川)そうですね。大蔵ゴルフスタジオでも神奈川県相模原市にあるフルヤゴルフガーデンがトラックマンレンジに変貌する際、お手伝いさせていただきました。

(T島)そうそう、練習場にもトラックマンやトップトレーサーが入り、ゴルフショップにも様々な弾道計測器がマストになりつつあります。マニアは自分で、ガーミンアプローチR10やら、フライトスコープミーボ、あと昔からありますユピテルなどのポータブルな弾道計測器を使ってる人が増えました。

(市川)はい、大蔵ゴルフスタジオ世田谷ではトラックマンがあります。

(T島)T島的には現場で確かめたい派なので、持っていません。

(市川)マニアなT島さんだから好きそうなのに意外ですね。

(T島)もちろん、色々テストはしていますけど、実際にいつものゴルフ場でチェックします。GPS距離計のガーミンアプローチS62には打ってから、次打つまで距離が出ますからそれで・・

(市川)グリップエンドにつけるアーコスも使ってましたよね。

(T島)はい。使っていました。アレ現実を突きつけれられつらいんですわ 。

(市川)ああ、なるほどね。

(T島)まあ、私ガチで飛ばないですから。

(市川)コースで実際にどれぐらいの距離を何番で打っているのかわかるので、便利ですけど、イメージとのギャップありますよね。

(T島)ギャップはないんだけどね。つらくなります。

(市川)んで、今回は計測器の話なんですか?

(T島)はい。大蔵ゴルフスタジオって、フィッティング時にはあえて計測器を使わない!という話は、この連載でも取り上げました。でもアフターフィッティングで使っていますよね?どういう数値を観ているのかな?と思って、計測器を使うアマチュアには参考になるのでは?と思いまして。

(市川)なるほど、大蔵ゴルフスタジオが使っているトラックマン4って、計測器でもトップブランドですから、打ち出したボール計測だけでなく、スイング軌道、打点位置まで、なんでも測れてしまうんです。我々はレッスンをしているわけじゃないので、ボールの計測が主なんですけど、軌道や打点位置などの傾向ももちろん参考にしています。

(T島)そうだね、以前書いた記事では、スイング軌道がわかるので、フィッティングで使うと、知識がある人だといつもスイングじゃなくて、“いい数値”を求めていつものスイングじゃなくなるって言ってたね。

(市川)はい。まあクラブの種類にもよりますけど、ドライバーだと飛距離の三要素と呼ばれる数値は、チェックします。

(T島)ボール初速、打ち出し角、バックスピン量。

(市川)はい。よくできました。

(T島)僕の友人などもそうなんだけど、ヘッドスピードを気にする人が多いですよね。

(市川)多いですね、トラックマンだとクラブスピードと呼ばれています。

(T島)“このドライバーに変えたら、ヘッドスピードが2m/sも上がった”とか!だから良いんだ!!飛ぶはずだ!という。

(市川)お客様との話でもよく伺います。でも結局飛ばなかったと・・

(T島)ヘッドスピードは、飛距離の三要素に入っておりません。

(市川)そうなんですよね、ボール初速が大切なんでけど、ヘッドスピードを気にされます。

(T島)ドップラー系の計測器ってヘッド形状でヘッドスピードの影響が出ますし、ボールのスピードが上がらないと、いくらヘッドスピードが上がっても意味がない。つまりボールにパワーが伝われないと意味がないのです。

(市川)トラックマンでいうとスマッシュファクターという数値。一般的に言うとミート率と呼ばれています。

(T島)ボール初速÷ヘッドスピード=スマッシュファクター(ミート率)です。

(市川)このボール初速も大切ですが、スマッシュファクター(ミート率)はとても大切なポイントです!

(T島)打点位置や、スイング軌道がスマッシュファクター(ミート率)に影響を及ぼすからね。

(市川)そうなんです。ヘッドスピードが速いのに、ボールに力が伝わらないというのは、クラブにも問題があるわけです。

(T島)ヘッドスピードというのは大切なポイントではあるけど、そのスピードを生かしているか?が飛距離に影響を及ぼしているボール初速になるわけです。

(市川)はい。スマッシュファクター(ミート率)の中身の分析が大切なんです。

(T島)飛距離の三要素、打ち出し角とバックスピン量、これはロフト角の影響を深く受けます。

(市川)厳密に言えば、クラブ自体のロフト角というより、インパクト時のロフト角が大切なんです。インパクトロフトという数字です。

(T島)クラブのロフト角と、スイング軌道両方が大切ということですね。

(市川)フィッティング時に、ロフト角というのは考慮に入っています。シャフトによってインパクトロフトも影響を受けます。それを踏まえて計測器で最終チェックして、出来上がったクラブをお渡しさせていただきます。

(T島)今日はやたらとカタカナが出てきますね。大丈夫かな?

(市川)大丈夫じゃないかもしれませんね(笑)

(T島)皆さんがご自身で簡易計測器を使われる場合、とりあえずヘッドスピードじゃなくてボール初速を気にしてほしい!あとスマッシュファクター(ミート率)も!!これだけが伝わればいい

(市川)スピン量って弾道みたら多いか少ないかわかりますもんね。

(T島)そうですねぇ。最近はスイング軌道や打点位置が取れる低価格の計測器例えば、ガーミンアプローチR10とかも発売されています。

(市川)トラックマンに比べると低価格ですよね。

(T島)正確なのか?って言われると、そりゃ価格に比例する部分はあります。でも目安としては充分使えると思います。

(市川)そうですね。傾向はわかると思うんです。以前は計測器がうん千万もしたので、なかなかフィッティングスタジオには設置できなかったですが、今はハイブリッドカーを買うぐらいの価格で手に入るようになりました。今まで感覚で行われていたフィッティングも、数値による検証ができるようになったんです。

(T島)フィーリングと数値両方使ってフィッティングする時代になったね。自分で計測器を持っている人も、一度フィッティングを受けてみると、より深く数値の意味がわかるんじゃないかな・・とか思います

(市川)もしかして、落とし所が見つからなくて、苦労してるんじゃないですか?

(T島)バッバレた?とりあえず、ボール初速とスマッシュファクター(ミート率)覚えてくれれば嬉しいです

(市川)(笑)数値については、ドラックマンジャパンのWebサイトをチェックしてください(笑)

(T島)フォローありがとう じゃこんな感じで(汗)