ゴルフクラブのヘッドを軽量化すると、デメリットはあるのか?
“飛距離の階段”ナゼ作れない?―「バランス理論」の盲点|第7回
ドライバーのヘッド軽量化は長尺化とともに進行した。長尺化が飛距離アップに貢献しているのは事実。
だが、それを短く握りながら飛ばすプロも結構いる。となると、ヘッド軽量化にもメリットがあるのでは?
写真/R&A Official(The 150th Open)
“飛距離の階段”はキャリーで作るもの。だからプロは“刻んで、止められる”アイアンやUTを選ぶ。風に影響されにくい打ち出し高さと必要十分なスピン量を確保するために、ヘッドスピードを決めるレングスと、適正なロフト角にこだわる。
一方、一般アマチュアは非力や技術不足をカバーして“なるべく遠くまで届かせられる”ものを選びたがる。シャフトを軽く、レングスを伸ばし、ロフト角を減らす方向で開発されたクラブを選んだ結果、飛ぶショートアイアンと打球が上がらないミドルアイアンを手にし、その代行としてUTを入れる、という作業をしている。
一般アマチュアはいびつな選択をしているが、実はUTに1つの正解が見えている。非力でもキャリーで運ぶには、ロフト角を減らすのではなく、ヘッドを軽くして長尺化し、ヘッドスピードを上げやすくすること。ポイントは、シャフトではなくヘッドを軽くし、クラブ全体のモーメントを大きく下げることだ。