「スリリング」ってどんなメーカーなの?
「スリリング」は、大手シャフトメーカーにいた人たちが中心となって2017年に創立されたシャフトメーカーです。シャフトにはもちろんこだわりを持って良いものを作られているのですが、なによりスリリングのシャフトといえば、そのネーミングとコスメです。
最初に発売された「ART LINE」というブランドには、「Harukana(はるか彼方へ)」や「Kazetomo(風と共に)」みたいな変わった名前のシャフトがラインナップ。そしてデザインはジャクソン・ポロックのアートへのオマージュだったりして、今までのシャフトにはない感じがいいんです。
また「SPORT LINE」というブランドには、「ポルウィン(ポールトゥウィン)」や「ギアチェン(ギアチェンジ)」というシャフトがあります。なんだかスピードが出て飛びそうな感じがしますよね。
もちろん名前やコスメだけでなく、それぞれにコンセプトがはっきりしていて、とても特徴のあるシャフトに仕上がっています。
「SHUHARI」シャフトの特性とは
今回僕が試打したのは、新しいブランドの「SHUHARI(守破離)」です。なんでも「守破離(しゅはり)」という言葉は千利休の訓をまとめた「利休道歌」にあるといわれています。なんでシャフトに千利休やねーん!って言いたくなりますが、それがスリリングの世界観。どういう意味なのかは各自お調べください。
<「SHUHARI」シャフトの特性>
手元部の剛性を最大限にゆるめ、インパクトまでのタメを作る
なぜ手元をそんなにゆるめているのかというと、アマチュアゴルファーに多い、アーリーリリースで飛距離をロスしている人のためなんですね。
アーリーリリースになると、インパクトの前にヘッドスピードの最高点を迎えてしまうから飛ばないんです。そこで手元部を極限までゆるめて、リリースで解けたタメを少しでも補えるようにしているわけです。そのゆるい部分もかつてないほど低く長くすることで、今までにない振り感を実現しているということです。
先端部分の剛性はどんなプレーヤーが振っても、インパクトでのパワー伝達を効率よく発揮できるように設計され、力強い押し込むようなインパクトで最大飛距離を実現しているそうです。
デザインもいい感じ
さっそく試打してみました。僕が打ったのは「SHUHARI」の「S」と「S+」。ヘッドは自分のPING G430 LST ロフト9度です。
まずデザインですが、黒ベースにシルバー系とライムグリーンっぽい色のロゴと模様が描かれています。スリリングでいうと「ART LINE」に近い感じのデザインでしょうか。
個性的ですが、派手ではなくなかなかいい感じです。しかも、G430のカラーとバッチリ合ってるんですよね。まるで純正シャフトのようです。
「SHUHARI S」を試打してみた
まずは「SHUHARI S」。カタログスペックは、59グラムでトルク4.0の中調子。
<45.25インチで組んだ場合>
● クラブ重量:314グラム
● バランス:D3,5
● 振動数:253
打ってみると、たしかに手元側のしなりをかなり感じます。切り返しから、手元から中間にかけてがグーッとしなるので、個人的にはタイミングがよく取れて切り返しやすい。ここまで大きく手元側がしなるシャフトは、今まであまり打ったことがないですね。
ただ、しなるといっても頼りなさを感じるわけではなく、大きくしなるけどブレるような感じも少ない。これが少し不思議なとこ。
ダウンスイングからインパクトにかけては、けっこうなスピードで戻ってきて、ボールを少しだけ押しながら弾いてくれる感じです。ただ、僕は手で打ちに行ってしまうところがあるので、少しだけインパクトが不安定になる感覚がありました。大きく曲がるとかではないけど、少しだけ左右にバラける感じ。
弾道は中高弾道で、つかまりはまあまあでした。僕の打ち方からすると、この「S」は少し柔らかいかな〜という印象ですね。僕は切り返しのテンポが早く、シャフトに少し負荷をかけてしまうスイングなので、もう少しテンポがゆっくりの人にはこれでもいいかも。
「SHUHARI S+」を試打してみた
ってことで、次に「SHUHARI S+」という少し硬めのフレックスを打ってみます。カタログスペックは60グラムでトルク4.0の中調子。
<45.25インチで組んだ場合>
● クラブ重量:315グラム
● バランス:D3,0
● 振動数:259
切り返しのイメージは「S」とあまり変わらず、とても気持ちよく切り返せて、フィニッシュまで振り抜けます。「S」と比べると少ししっかり感を覚えます。ただ硬いわけではなく、安定感が少し増す感じかな。
打ってみると、やはりこの「S+」のほうが切り替えしてからインパクトまでがかなり安定しました。インパクトのタイミングも合うので、方向性も良くなりました。
弾道的には「S」と同じく中高弾道という感じで、スピンも少なめだと思います。つかまりはこっちもまあまあという感じで、僕が打つとほぼストレート。先端部がけっこうしっかりしているので、大きめヘッドでもブレは少ないし、ミスヒットにも強そうに感じました。
インパクトは押し込み感も少し感じますが、僕は弾き感も感じます。インパクトが少し軽めで、パーンと飛んでいくイメージ。タメを作ってくれているかどうかは自分ではわかりませんが、切り返しが気持ちよくてフィニッシュまで思い切って振り切れるので、飛距離もけっこう出ていました。
「S」を打ったときには、正直この「SHUHARI」というシャフトは自分に合わないのかもと思いましたが、「S+」でイメージが変わりましたね~。
最後に
「SHUHARI」の「S」と「S+」を打ちましたが、どちらも手元側の大きめなしなりを感じて、切り返しがとてもしやすいシャフトでした。先端部はしっかりとしているのでブレは少なく、弾道も強めの球が出ます。ボールの上がりやすさもまあまあで、スピンは少なめ、飛距離性能も高いと思いました。
個性のあるシャフトなので、合わない人もいるかもしれませんが、合う人には本当に気持ち良く振れるシャフトだと思います。合う人はけっこう多いでしょう。
メーカーさんは「アイアンがダブり気味、フェアウェイウッドが苦手と感じているプレーヤー」に試してほしい、と言っています。そういう人はアーリーリリースになっていることが多いので、この「SHUHARI」を使うと飛距離が伸びるかもよってことなんですね。もし心当たりのある方は、試してみる価値はあるんじゃないでしょうか。
野村タケオ
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。京都府出身。
様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。




