若くして単身アメリカに渡り、ジュニア、大学、ミニツアーで腕を磨いたのちにコーチとなった吉本巧。彼がこれまでアマチュアに多く相談されてきたことを披露し、その原因と解決策を教えるシリーズ。お悩みを共有できる人はもちろん、向上心をもってゴルフに取り組むあなたにも役に立つこと間違いなし。第10回のテーマはフォローで失速するスイング。ドライバーの飛距離不足につながるベランゴルファーにも多い悩みを解決する。
写真／相田克己

アマチュアゴルファーには少なからず、フォローで失速する人が見られます。フォローが出ないと言ってもいいでしょう。もちろんそれでもボールには当たるので前には飛びますが、本来ヘッドスピードがマックスになるところで止まってしまうので飛びません。概ねフェースが開いて当たることになるので右に打ち出すことにもなりがちです。

スイングの形で見ると、いわゆる“チキンウイング”になっている。左ヒジが引けて左ワキが大きく空くスタイルですね。こうなる主因は左サイドが動いていないからです。

ボールを当てに行く意識が強い人はインパクトに集中しますから、左腰が止まって回らなくなる。回っていれば左ヒジが伸びた状態で腕と体が一緒に回せますが、止まるがために腕が詰まってしまう。そのため左ヒジを引くしかなくなるのです。これはスコアが90を切り始めて、だんだんクラブを振れるようになってきたゴルファーに多い動き。特に40～50代の方に多く見られます。右サイドで振るクセがついているためインパクト以降の動きで齟齬が起きるのだと思われます。