チキンウイングとはフォロースルーで左ヒジが抜ける形のこと
46歳でキャリア18年のTさん。アベレージは90台ですが、時には80台も出る腕前。目標は当然コンスタントに80台で回ってアベレージを80台にすることです。ご本人いわく「常時80台のネックになっているのは飛距離。ドライバーが飛ばないせいでパーオン率が低いんですよ」ということ。なるほどラウンドレッスンで拝見するとドライバーのキャリーは200ヤード前後。確かにもう少し飛べば楽になるかもと思いました。
「飛ばそうとすると曲がるので、どうしても合わせに行ってしまう。体の柔軟性がないからでしょうか?」とおっしゃるTさん。まさにその通りで、飛ばそうとした時のスイングに大きな問題が見つかりました。“チキンウイング”になっていたのです。
チキンウイングとはフォロースルーで左ヒジが抜ける形のこと。飛ばそうとしてヘッドを走らせると、左ヒジが上がってワキが空く症状です。アマチュアの方によくあるエラー動作で、こうなると腕が詰まって振り切れません。
なぜ、チキンウイングになるのかといえば、インパクト後に腰とクラブが同じ方向に動くから。ご多聞に漏れずTさんもこうなっていました。しかし、多くの場合、チキンウイングと体の柔軟性は無関係。体が軟らかい人でも、実際に硬い人でも起こり得ます。
クラブは腰と同じ方向ではなく、体に対して左前方向に動くのが正解
スイングでは腰と肩に捻れが生じます。インパクトでも捻れが保たれるのが正しい姿なので、例えば腰は約40度、胸は約20度左を向き、肩がスクエアな感じになるのが理想です。もちろん、このように捻れなくても、腰は小さな回転面でフラット気味に動きますから、多かれ少なかれ左腰は後ろに下がります。これに対して、クラブは大きな回転面で動いていますから、腰と同じ方向には動かず、体に対してやや左前方向に動く感じになります。
この動く方向の違い、すなわち左腰が後ろに下がる力とクラブが前に行く力が引っ張り合うことによって発生するのが遠心力で、これが得られて初めてヘッドが正しい方向に走ってヘッドスピードが上がるのです。これに対してTさんは、クラブが左腰と同じ方向に動けばヘッドが走る、というイメージでスイングしておられました。そのためチキンウイングになっていたのです。
ちょっと不謹慎かもしれませんが、コースの危険のないところでTさんにフォローでクラブを放り投げていただきました。案の定、クラブはかなり左に投げ出されました。正しい動きができている人が投げるとクラブは目標方向か、それより右に投げ出されます。Tさんにその感じで打っていただいたところキャリーが一気に20ヤードも伸びました。
クラブを投げなくても、左手でフリスビーや輪っかを投げることでもこの感じがつかめます。腰が動く方向に手を振ったのでは、絶対に狙った方向には飛びません。狙った方向に飛ぶように投げ、それにイメージを重ねてスイングするとヘッドスピードが上がって飛ぶようになります。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。


