体重移動は最小限? 体の中心軸のスピーディな回転で飛距離と方向性を確保する桑木志帆の優勝スイング
「去年の忘れ物を取りにこられてよかった」と、昨年はプレーオフで惜敗した資生堂レディースで見事にツアー初優勝を飾った桑木志帆。今回の勝利の要因にもなったドライバースイングを解説する。
写真/相田克己、渡辺義孝
先週末に行われた国内女子ツアー『資生堂レディスオープン』は、2位から出た桑木志帆選手が69でまわり、通算11アンダーでツアー初優勝を飾りました。桑木選手は昨年のこの大会、プレーオフで惜敗。今回の優勝でリベンジを果たしたといえます。
桑木選手のスイングでもっとも目を引く点は、頭や背骨といったカラダの中心を軸として、その軸を微動だにせず、スムーズかつスピーディにカラダを回転させて振っていくところだと思います。
みなさんも聞いたことがあると思いますが、バックスイングでは右足に体重を移動し、切り返し以降のダウンスイングでは左足に体重を移動してスイングしましょうと、これまではよく言われていました。
もちろんこの方法でスイングしている選手は今でも存在しますし、間違いではありません。しかし、桑木選手のように「右→左」といった移動を極力抑えて、カラダの中心軸を不動にし、スピーディにカラダを回してスイングする選手がとても増えています。
その理由として一番に挙げられる点が、左右の移動がなく「軸」で回転するだけなので、スウェーなど横にズレる動きがとても小さくなり、そのぶん、打点がすこぶる安定することにあります。
打点の安定とは、すなわちジャストミートする確率が高くなるということで、その結果、桑木選手はドライビングディスタンスが248.33ヤードで16位(2024.7.1現在)というスタッツになっています。
アマチュアゴルファーの多くはドライバーはもちろんのこと、スイング中にカラダが横にズレる=スウェーする人がほとんどで、これが飛距離のロスはもちろんのこと、方向性までも狂わしています。そのため、桑木選手の軸不動のスイングをぜひ参考にしてほしいと思います。