あなたに必要なユーティリティはどれ? ロフト別に特性と適正を解説!
吉本巧のゴルフギア教室 第80回
「ユーティリティ(以下UT)は、その名の通り役に立つクラブだが、いくつかの点をクリアすればずっと使える相棒になり、選び方を間違えると難易度が上がって使い勝手が悪くなる」と言う吉本巧コーチ。そこで、自分に合うUTを見つける方法を解説してもらった。
大本命は25度。上がって飛んでミート率も高い三拍子揃い踏み
というわけで、今回はUTをロフト別に10度台、20度台、30度台の3つに分け、その特性と適正を見ていきましょう。具体的には16、19、22、25、28、31、34度の7種類。アベレージゴルファーに需要の多い20度台は3種類紹介しますので、みなさんが望む特性を有するロフトの目星をつけてみてください。
なお、ロフト設定はメーカーによって異なるので、ここで挙げるロフトがない場合には、その前後のロフトの目安としてください。難易度についてまとめると、ロフトが少ないほど難しく、多いほどやさしくなります。ここでは16度が一番難しく、34度が一番やさしい。25度が中程度の位置付けになります。また、全てのUTはカーボンシャフトの装着を前提とします。では順を追って説明しましょう。
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いまやすっかり市民権を得たユーティリティ(以下UT)。楽に球が上がって飛距離も出る、おまけにグリーンにも止まりやすいと...
ロフト16度
アイアンで言えば1~2番相当のロフト。UTの中で最も難易度が高い番手になります。シャフトが長くヘッドが小さいのでミートするのが難しい。球も上がりづらいため腕に覚えがある人以外にはおすすめできません。フェアウェイウッド(以下FW)がどうしても打てなければ使うのもありですが、できれば避けたい。使うとしてもティショットだけなど限定的になると思います。
ロフト19度
アイアンでは2~3番相当のロフト。20度台とはわずか1度の違いですが、この1度には高い壁があって簡単には打てません。FWと比べるとよくわかるので引き合いに出すと、19度は一般的な7Wのロフトより少し立っています。7Wを21度と仮定すると飛距離が同じくらいになりますが、7Wの方が圧倒的に球が上がります。200ヤード飛ぶとしたらキャリー190+ラン10ヤード。UTだとキャリー180ヤード+ラン20ヤードのイメージでキャリーとランの割合が変わります。パワーがあって球が上がりすぎて困る人なら19度でもいいですがアマチュアゴルファーでは少数派です。
ロフト22度
アイアンでは3~4番相当のロフト。ロフト10度台よりかなりやさしくなり、ちゃんと当たれば距離は出ますが、打球が上がりやすいとは言えません。ただ、同ロフトのFWよりはミート率が高いですからFWよりもやさしく打てます。ライがいい時やティショットで威力を発揮しやすいので、打ちこなせるようになりたいUTです。
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ロフト25度
アイアンでは4~5番相当のロフトです。UTの中では大本命で、アマチュアの方に最もおすすめしたいロフトです。理由は、ある程度距離を稼げる、球が上がりやすい、ミート率も高い、と三拍子揃っているから。ラフや傾斜からでも打てるので使用機会も多い。バッグに入れておけば必ず武器になります。
ロフト28度
アイアンでは5~6番相当のロフト。短いぶん25度よりも打ちやすくミート率も上がります。打球の高さも出るのでグリーンにも止まりやすい。アイアンではグリーンに止めるのが難しかった距離でも、止められる可能性が広がります。
同じロフトならアイアンよりもユーティリティのほうが飛ぶんです
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