大本命は25度。上がって飛んでミート率も高い三拍子揃い踏み
というわけで、今回はUTをロフト別に10度台、20度台、30度台の3つに分け、その特性と適正を見ていきましょう。具体的には16、19、22、25、28、31、34度の7種類。アベレージゴルファーに需要の多い20度台は3種類紹介しますので、みなさんが望む特性を有するロフトの目星をつけてみてください。
なお、ロフト設定はメーカーによって異なるので、ここで挙げるロフトがない場合には、その前後のロフトの目安としてください。難易度についてまとめると、ロフトが少ないほど難しく、多いほどやさしくなります。ここでは16度が一番難しく、34度が一番やさしい。25度が中程度の位置付けになります。また、全てのUTはカーボンシャフトの装着を前提とします。では順を追って説明しましょう。
ロフト16度
アイアンで言えば1~2番相当のロフト。UTの中で最も難易度が高い番手になります。シャフトが長くヘッドが小さいのでミートするのが難しい。球も上がりづらいため腕に覚えがある人以外にはおすすめできません。フェアウェイウッド(以下FW)がどうしても打てなければ使うのもありですが、できれば避けたい。使うとしてもティショットだけなど限定的になると思います。
ロフト19度
アイアンでは2~3番相当のロフト。20度台とはわずか1度の違いですが、この1度には高い壁があって簡単には打てません。FWと比べるとよくわかるので引き合いに出すと、19度は一般的な7Wのロフトより少し立っています。7Wを21度と仮定すると飛距離が同じくらいになりますが、7Wの方が圧倒的に球が上がります。200ヤード飛ぶとしたらキャリー190+ラン10ヤード。UTだとキャリー180ヤード+ラン20ヤードのイメージでキャリーとランの割合が変わります。パワーがあって球が上がりすぎて困る人なら19度でもいいですがアマチュアゴルファーでは少数派です。
ロフト22度
アイアンでは3~4番相当のロフト。ロフト10度台よりかなりやさしくなり、ちゃんと当たれば距離は出ますが、打球が上がりやすいとは言えません。ただ、同ロフトのFWよりはミート率が高いですからFWよりもやさしく打てます。ライがいい時やティショットで威力を発揮しやすいので、打ちこなせるようになりたいUTです。
ロフト25度
アイアンでは4~5番相当のロフトです。UTの中では大本命で、アマチュアの方に最もおすすめしたいロフトです。理由は、ある程度距離を稼げる、球が上がりやすい、ミート率も高い、と三拍子揃っているから。ラフや傾斜からでも打てるので使用機会も多い。バッグに入れておけば必ず武器になります。
ロフト28度
アイアンでは5~6番相当のロフト。短いぶん25度よりも打ちやすくミート率も上がります。打球の高さも出るのでグリーンにも止まりやすい。アイアンではグリーンに止めるのが難しかった距離でも、止められる可能性が広がります。
同じロフトのUTとアイアンを共存させるセッティングも有効
20度台について付け加えると、UT(カーボンシャフト)とアイアン(スチールシャフト)が同じロフトの場合、UTの方が飛距離が出ます。例えば28度のUTはアイアンより10~15ヤード飛びます。UTの方がシャフトが長くてしなったり、ヘッドの特性が違うためです。ですから、同ロフトのUTとアイアンを入れるのはOK。私もそうで、一番上のアイアン(5番)と一番下のUTはロフトが同じで両者の間に10ヤードのギャップを作っています。
この延長でロフトだけを見ると、ロフトの多いクラブの方が飛ぶ、という逆転現象が起きます。ロフト29度のUTは28度のアイアンより5~10ヤード飛びます。ロフトが立った方が飛ぶわけではなくなるので注意が必要です。あくまで目安ですが、UTとアイアンのロフトに2~3度の差があると飛距離が近づきます。30~31度のUTと28度のアイアンなら同等の距離になるということ。この場合、トータル距離は同じで弾道が変わります。キャリーが出るUTに対してアイアンは低弾道でランが出ます。
ロフト31度
アイアンでは6~7番相当のロフトで最近増えています。当該番手のアイアンが打てない人には救世主的な存在で、球が楽に上がってミート率も高くなります。このロフトが普及すれば、近い将来アイアンセットはが8番から、あるいはバラ売りのみになるかもしれません。
ロフト34度
アイアンでは7~8番相当のロフト。UTの中ではもっともやさしいですが、市場ではまだあまり出回っていないかもしれません。30度台になるとアドレスした時にフェースが見えたり、リーディングエッジが出て見える、いわゆる“出っ歯”のため好まない人も結構います。ロフトを含めて打ちやすいヘッドなのでスチールシャフトを入れても面白い。しなりが少ないぶん曲がりが減り、カーボンよりも球が上がらないのでフケ球も少なくなってグリーンを狙うのに適したクラブになります。ただし、アイアンと同重量のスチールシャフトを入れるとクラブバランスが重すぎるので、10~20g軽いシャフトを入れてアイアンのバランスに近づけた方がいいでしょう。
UTにはアイアン型と呼ばれるヘッドが小さなモデルもありますが、これはかなり難しいと言えます。ヘッドが小さいため重心深度が浅い=ヘッドの重心がフェースに近いところにあります。ヘッドの重心が深いほどインパクト時のロフトが大きくなりますから、同じ19度のUTならウッド型の方が球は上がりやすい。ウッド型だと球が上がりすぎる人ならアイアン型も選択肢に入りますが、そうでなければウッド型の方が無難。ヘッドが大きいぶんブレも減るので、オフセンターヒットのミスにも強いでしょう。アイアン型はミスした時に手の中でグリップがズルッと動くことがありますがウッド型は少ない。こだわりがある人以外は使わなくなっているのか、扱いをやめるメーカーもあります。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。







