逆転Vで通算20勝到達!! 石川遼のトータルバランスに優れた“お手本にしたい”ドライバースイング解説
劇的な逆転で「三井住友VISA太平洋マスターズ」に勝利し、今季2勝目、ツアー通算20勝目を挙げた石川遼のドライバースイングを解説。
先週末に行われた国内男子ツアー『三井住友VISA太平洋マスターズ』は、1打差の2位から出た石川遼選手が67でまわり逆転で優勝。今シーズン2勝目を挙げました。また石川選手はこの大会4度目の優勝を飾りました。
連続写真からも伝わってきますが、石川選手のスイングは非常にバランスがとれていて、すべてがオールスクエアといえるものです。アドレスは頭や背骨を中心としたスイング軸がビシッと整っているのが見て取れます。また、ターゲットに対してまさにスクエアに構えているのを如実に感じ取れます。打ち出し角度を得たいなど、意図があって、敢えて右肩を下げてアドレスするといったこともありますが、そうでないなら、石川選手のようにどこからみても真っすぐ、どこから見てもスクエアなアドレスがやはり理想でしょう。このアドレスを見ると、思わず「この構えからボールが曲がる訳がない…」と口にしてしまいます。
ご存知のように多くのツアープロは「ナイスショットの要諦はアドレス」といいます。にもかかわらずたいていのアベレージゴルファーはアドレスにとても無頓着。アドレスを含め、セットアップがまちまちだと、仮にスイングがよくても、ナイスショットはのぞめません。少しでもショットを安定させたいなら、石川選手のアドレスをお手本に、どこからもても安定していて、美しく見える構え方を身につけましょう。
写真2枚目のテークバックの開始から写真6枚目のフォロースルーに至るまで、グリップがカラダの正面から外れない点も、さすが超一流選手です。カラダが回転する動作と腕を振る動作が見事にシンクロしているからこそ、グリップはカラダの正面に位置し続けるのです。多くのアベレージゴルファーはボールを強く叩くことに執心するあまり腕の動きが大きくなり過ぎて、カラダの回転とのバランスが崩れています。もしくは、カラダの回転ばかりが大きくなり、腕の動きとまったく同調しない人も多々います。どちらの場合も石川選手とは正反対で、まったくバランスが取れていないわけです。これではスイング軌道もフェース向きも不安定となり、良い悪いの差が大きくなるばかりです。
いまよりもっと飛ばしたい。ドローボールが打てるようになりたい。ダフりやトップをなくしたいetc…。こういった悩みを解決しようとすると、どうしても対処療法的な試みをしてしまうもの。一時はそれでよくても、根本的なスイングのスキルはあがりません。ショットクオリティをアップさせたいなら、石川選手のように上半身、下半身、腕、クラブといったすべての動きのバランスを高める練習をしましょう。ある部位だけを取り出して真似たところで、たかが知れています。