ヘッドスピード別・9番アイアンの適正ロフト角と飛距離を知ろう!
吉本巧のゴルフギア教室 第45回

ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説するこの企画。今回のテーマは9番アイアンの飛距離。ロフト角とヘッドスピードから適正な飛距離を割り出します。
私は常日頃から、9番アイアン(以下9I)はめっちゃいい番手だと思っています。何がいいかというと自信がつきます。練習では7番アイアンを使う人が多いですが、7番だと「当てなきゃ」とか「球を上げなきゃ」とかいう思いが邪魔をして、意外とうまく打てません。その点、9Iは長さが短くて球もつかまりやすい。何より飛ばそうとしないので自然体で打てます。プレーヤーを気持ちよくしてくれる良き理解者としてスイング作りに最適な友なのです。
ちなみに[9I の飛距離X2]がドライバーの飛距離と言われますが、これは間違い。理論上[ヘッドスピードX5.5=ドライバーの飛距離]の説が有力なようですが、そうなっていない人が圧倒的に多いです。それに今はアイアンのストロングロフト問題もありますから[PW の飛距離X2]の方が近いかもしれません。
さて、前置きはこれくらいにして本題に入りましょう。ドライバーのヘッドスピードが40m/s前後の平均的なアマチュアゴルファーは9Iでどれくらい飛んだらちゃんと打てているといえるか? 結論から言いますと、使っている9Iのロフト角によって妥当な飛距離の目安は違います。まずは自身のドライバーのヘッドスピードと9Iのロフト角を確認してください。
確認したら下の(表1)を見てください。横の欄の最上段はヘッドスピード、縦の左端の欄はロフト角を示しています。ヘッドスピードは38m/sは遅め、40~42m/sは平均的、44~46m/sは平均より上で48m/sになるとプロレベルです。
ロフトは37度以下ならストロングロフトで、飛び系と言われるアイアン、37~39度はややストロングロフト、39~41度が標準的なロフト角で、41~43度は寝ています。
ロフト角とアイアンのタイプには関連性があります。すなわち、ロフトの少ない方から「デカヘッド→ポケットキャビティ→キャビティバック→マッスルバック」といった感じのデザイン展開になっています。また、ロフトが立ったモデルほどヘッドサイズは大きくなる傾向があります。