カーボンとスチール、どっちが良い? アイアンシャフトの選び方の基本と目安を解説

吉本巧のゴルフギア教室 第83回

2025/09/06 ゴルフサプリ編集部



ツアープロ、特に女子プロの現場ではアイアンシャフトにカーボンを挿れる選手が増えている。今回は、アイアンシャフトのカーボンとスチールの違いを、プロコーチ・吉本巧がわかりやすく解説する。

ご存知の通り、アイアンシャフトの素材はスチールとカーボン、もしくは両者を複合した素材がありますが、複合素材は少数派なので、ここではスチールとカーボンの2種類について説明します。

ドライバーはもちろん、フェアウェイウッド、ユーティリティともにスチールシャフトとのコンビネーションが珍しくなった昨今ですが、アイアンだけはスチールが根強く残っています。見た目の特徴は節のようなステップのついたものが多く、ザ・金属という感じのスチールに対し、カーボンにはさまざまな色やデザインを施したものがあります。

見た目の違い同様、性能面の特徴も全く違います。簡単に言えばスチールは重量があってしなりとねじれが少なく、カーボンはしなり、ねじれとも多くなります。しなりとはダウンスイングでしなったシャフトがインパクトでしなり返る動き。ねじれ(=トルク)は、ねじれたシャフトがねじれ返るタイミングでインパクトを迎えることでヘッドがターンする動きに代表されます。これらは両者の共通項ですが、程度が大きいカーボンシャフトの方が飛距離が出ますから、アイアンでも飛ばしたい人にはカーボンが適しています。

しなり、ねじれとも少ないスチールですが、そのぶんクラブの無駄な動きが抑えられますから打球のブレが少なくなります。この場合のブレとは、タテ距離のブレと左右の曲がりの両方を指しますが、スチールはともにブレが少ないので、ヘッドの軌道がカーボンよりも安定します。飛距離もほしいけれど、ショットの安定性を重視したいならスチールがいいでしょう。男子プロや男性アマチュアなどヘッドスピードのある人はスチール、シニアやレディスなどヘッドスピードが少なめの人はカーボンという傾向にはその特性が反映されています。