6Sはクラブの重さを感じたい人向き、5Xはシャープに振りたい人向き

最近は軽量モデルも多くなってきたドライバーのシャフトですが、アマチュアの方の多くは60~50グラム台のシャフトを使っていると思います。60グラム台は長い間ずっと定番だった重量帯、一方50グラム台は近年人気になっている重量帯で、リシャフトする人が増えています。

どちらがいいとか悪いとかいう話ではありませんが、細かく見るとそれぞれにメリットもあれば、デメリットもあります。とりわけ60グラム台のS(以下6S)と50グラム台のX(以下5X)はトータル的に見るとほぼ同じイメージのシャフトと言えるので、どちらかをチョイスするのが難しいと思います。

シャフトを選ぶ際の目安となるのはヘッドスピードです。ヘッドスピードが速いほどハード、遅ければソフトなスペックが合います。選び方としては[シャフト重量X硬さ]。[重いX硬い]ならとてもハード、[軽いX軟らかい]ならとてもソフトで、さらに両者の間を埋める役割を担う[重いX軟らかい]、[軽いX硬い]というパターンがあります。重さと硬さの程度がわずかに違うだけでも性格の異なったシャフトになるので、細かい挙動まで注視すると数えきれないほどの種類になります。

シンプルに[シャフト重量X硬さ]の観点で同一ブランドの6Sと5Xを比べてみると、まず重量は数字表記の通りで6Sの方が重い。スイングタイプで言うとゆっくり振る、あるいはクラブの重さを感じながらスイングしたい人に向きます。これに対して5Xは軽いですから、素早くシャープに振りたい人、クラブの重さを感じたくない人に向きます。好き嫌いは別として、打ち急ぎやすい人は6S、少数派ですが、ゆっくり振りすぎる人は5Xがいいでしょう。また、重量は疲れやすさにも影響します。ラウンドが進行するにつれて疲れを感じている人なら5Xがいいと思います。

硬さ(フレックス)に目を向けると当然ながらSよりもXの方が硬くなります。これはシャフトのしなりとねじれに影響します。すなわち、6Sはしなりやすく、5Xはしなりにくい。使い手の感じ方もこれに準じます。シャフトのしなりやねじれによってヘッドの挙動も変わりますから、6Sは動きが大きく5Xは小さくなります。クラブのしなりや動きを感じたい人は6S、感じたくなければ5Xということになります。

SとXの違いは打点の安定性にも反映されます。わかりやすく言うと、芯に当たりやすいのはどちらか、ということになりますが、これはクラブの動きが小さくなる5Xに分があります。しなりや動きが小さいということは操作性が高いということ。重量が軽いところもプラスの要素に働きます。換言すれば、スイング中にヘッドがある場所を把握しやすいのが5X、対する6Sは動きすぎてわかりづらいかもしれませんが、逆に大きく動く方がわかりやすいと感じる人もいるかもしれません。

シャフトが動きやすいと芯を外した時のヘッドの挙動も大きくなります。トゥ側でヒットすればフェースは開きやすく、ヒール側なら閉じやすくなるわけですが、こちらも6Sは大きく5Xは小さい。オフセンターヒットは打球に左右のブレももたらしますから、方向性についても5Xの方がいいと言えるでしょう。

最後に弾道の高さですが、6Sはボールが上がりやすく、5Xは上がりづらい。前者は軟らかいぶんインパクトロフトがつきやすく、それに伴ってスピン量も多くなるからです。これに比べると5Xは高さを出す性能面がやや劣ります。人によっては飛ばしに必要な打ち出し角を十分に得られないので、その場合はヘッドのロフトを増やすなど工夫が必要になるでしょう。逆に6Sでフケ気味の球が出るなら5Xで緩和できる可能性もあります。

いかがでしたか。いずれにしても微妙な違いですから、スイングを通じてどこまで感じ取れるかはユーザー次第。ただ、データをとると明らかな違いが出てくると思うので、試打をする機会があれば両方とも打ってみることをおすすめします。ただし、必ず同シリーズのシャフトで比べること。ある程度ブランドを絞ってから打つのがベストです。何なら6Sと5Xの両方を持っておき、自分の調子や季節、あるいはコースによって起用するシャフトを替えるといった使い方をするのも面白いと思います。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。