「残り150ヤード=7番アイアン」が正解じゃない時がある!? プロも大切にする“感覚”の正体とは
今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【34】
ラウンド中、残り距離と自分の番手の飛距離が合っているのに、「あ、なんかこれピン狙っちゃだめだな」と直感的に感じる瞬間はないだろうか? その感覚に従って安全策をとった結果、大怪我をせずに済んだという経験を持つゴルファーもいるはずだ。実はこの「なんとなく嫌な予感」、プロゴルファーも非常に大切にしている感覚だという。今回は、数値化できない「プロの勘所」の正体について、今野一哉プロに掘り下げてもらった。
先日、感覚的に「あ、なんかこれピン狙っちゃだめだな」っていう瞬間があったんです。で、グリーンの真ん中を狙って打って、結果的に外してないから、たまたま真ん中に行っただけかもしれないですけど(笑)。そういう「虫の知らせ」みたいな経験や感覚って、プロでもあるものですか?
ありますよ。その感覚の正体は、自分の中の「理論的なもの」と「経験則」、そして「感覚的なもの」が合致していない時に起こるんです。
合致していない時、ですか。
ええ。例えば、残り150ヤードだと言われた時に、自分の7番アイアンが150ヤード飛ぶとします。数式的には完全に合っていますよね。理論のパズルとしては正解なわけです。
だけど、現場では何かが違う。風なのか、手前のマウンドが気になるのか、グリーン面が見えないからなのか……。例えば「グリーンが奥に下る逆目になっていて、7番じゃ止まらなくて奥のラフまで行っちゃうだろうな」みたいな予測が働くわけです。
なるほど。
単純な数式が当てはまらない、別の要因が重なっていて、「このパズルは綺麗にハマらないぞ」という予感を、過去の経験則が察知して拒絶反応を起こしている状態ですね。「150ヤード=7番」という公式が成立していないんですよ。それは往々にしてあります。
へえ! プロでも計算と感覚がズレることがあるんですね。そういう時、具体的にはどういう風に感じるんですか?
大体そういう時っていうのは、ボールの前に立って素振りをした時に、「球がグリーンに落ちて、転がって、ここにピタッと止まります」というところまでイメージができないんです。
止まる所まで、ですか。
そうです。ボールの最後の収束が読める状態というのは、現実的にそれが可能だということです。だけど、そのイメージが湧かないというのは、自分が生み出す放物線がピンに絡む状況にないということを、何かが察知しているんでしょうね。物理的に多分不可能だ、と。