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パッティングで最も大切なのは“どう振るか”ではなく“どう打ち出すか”|ゴルフ再構築レッスンVol.7

脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」

2021/02/23 ゴルフサプリ編集部

前回の“自分のストロークタイプを知る”に続くパッティングレッスンの第二弾は“ボールの転がり方”に着目。基本のイメージと、意識するべきポイントを教わった。

フェースの向きを意識すれば自然とパターは真っすぐ動く

目澤 坪井さんは、パッティングするとき何を意識しますか?

坪井 ボールに書いてあるラインを、打ちたい方向にセットして打つ……という感じです。

目澤 なるほど。目標に対して真っすぐ立つことを意識しているのですね。ですが、それでは真っすぐ振る意識が強くなって腕が伸びたり、ヘッドを追いかけてしまうなどして、肝心なフェースの向きが狂いがちです。パッティングで最も大切なのは、インパクト時のフェースの向きと打点位置なので、そのことを強く意識してください。

坪井 打点位置とは、芯に当てることですか?

目澤 例えば、トゥ側だと右に、ヒール側だと左に打ち出されやすくなります。ストロークの軌道で真っすぐ打とうとするのではなく、フェースのどこに当たると球はどう出るか、を知ることも大切なのです。

坪井 つまり、軌道ではなく、フェースの向きと打点位置を意識するということ?

目澤 はい。フェースをコントロールできるようになると、ボールは自然と真っすぐ転がります。

自然に振るとどう転がるかをセルフチェック!

(その1)ドローかフェードか? ボールの回転をチェック

まずは、スマホなどのスローモードで動画を撮り、自分の打つ球がどう転がっているかをチェックしましょう。

ボールにラインを引き、目標方向に向けてアドレスし、いつも通りにストローク。ラインが左を向いている人はフック回転。インサイドアウトでフェースはクローズ気味のつかまる動きです。

右を向く人はその逆のスライス回転ということになります。「正回転するのが正しいのでは?」と、思うかもしれませんが、自分のクセを知ることが大切なので、正回転をマスターする必要はありません。

実はプロでも正回転している人は少ないのです。たとえばタイガーは、引っかけと思うくらいめちゃめちゃドローに打っています。それは、クセというより、意図的にやっていること。プロの多くはあえて正回転させずに打点を変えるなどして打ち分けています。

アマチュアには高度かもしれませんが、自分の傾向を頭に入れておけば、タッチやラインに大きく参考になるでしょう。

タイガー・ウッズは、芝に負けない強い球になるよう、インサイドアウト軌道でドローに打っている。
  • ラインが右を向いている人は、アウトサイドイン軌道でスライス回転になっている。

  • ラインが左を向く人は、インサイドアウト軌道のフック回転になっている。

(その2)右に出るか左に出るか?転がる傾向をチェック

次に、自分の打球が右、左、あるいは真っすぐなど、どちらの方向に転がりやすいかをチェックします。

プロもよくやっている練習法ですが、ボールやコインなどで、パターヘッド1個分くらいの間隔を開けたゲートを作り、その間を通すつもりでパッティングします。

5球くらい連続で打つと、自分の出球の方向とクセを知ることができます。たとえば右に外れる人はインサイドアウトになっているのでプッシュしがち。左に行く人は、アウトサイドインになっているので、引っかけやすいなど、ミスの傾向とも合致するでしょう。

これを知ることで、たとえばインサイドアウトにヘッドを出すクセのある人はアドレスで少しヒール側に合わせれば出球がスクエアに出るようになるなど、自分に合うフェースの合わせ方ができるようになります。

また、スタート前にチェックすることで、その日のパッティングを修正することもできるでしょう。

オープン気味にしてヒール側で当てれば真っすぐ出る。アウトサイドインでトゥに当たれば右に出るなど、打点を変えると球はどう出るのか、いろいろ試してみよう。

軌道ではなくフェースの向きを意識すると真っすぐ転がる。

パッティングというと「真っすぐ振る」と、意識する方は多いですが、そもそもの目的はボールが意図したとおりに真っすぐ転がることで、ストロークそのものではありません。

もちろん、目標に対して垂直に真っすぐ振ることも間違いではないですが、ヒジが上がってワキも開くので、振り子運動にならず、ストローク中にライ角がズレてしまいます。このストロークで思い通りに転がすのはプロでも難しい。

実はパッティングで気にするべきは、軌道よりもフェースの向き。出球の93%は、インパクト時のフェースの向きで決まるというデータもあります。

ボールに描いたアライメントラインを目標に合わせ、そこにフェースを合わせる人も少なくないですが、そうすると、インパクトでフェースよりもボールを見てしまいがち。意識すべきはフェースの向きなので、ボールのアライメントラインはない方がいいと、私は思っています。

真っすぐ振ろうとすると、ワキが開いて軌道が不安定に。インパクトでのフェースの向きもズレがち。
真っすぐ振ろうとすると、ワキが開いて軌道が不安定に。インパクトでのフェースの向きもズレがち。

セットアップは自由だ!

真っすぐ振るより真っすぐ出る方が大事。真っすぐ出るなら、オープンだろうがクローズだろうが、セットアップはどんなスタイルでもOK。

真っすぐ打ち出せるフェースの向きを見つけよう

目標にボールを当てる練習を繰り返すことで、自分が真っすぐ打ち出せるフェースの向きが分かってきます。このとき、ボールが止まるまでしっかり見届けましょう。

ヘッドの動きよりも、目標にフォーカスできるので、タッチもよくなってきます。

続けるうちに、自分とパターとの一体感が生まれてくるでしょう。右手なのか左手なのか両手なのか。あるいはカラダ全体で感じているかは人それぞれですが、一体感を体得できればパッティングは格段にうまくなるでしょう。

また、パターマットだけではなく、フローリングや絨毯など床を変えて打つこともオススメ。普段から様々なライを経験していると、距離感やスピード感の認識が鍛えられるので、対応力がアップします。傾斜や芝の状況など、ライン読みの技術も上がりますよ。

ボールより、フェースの向きを意識。ターゲットがあると、ヘッドの動きよりも結果にフォーカスできるので、ムダな動きや意識が削がれてストロークもよくなる。

坪井ミサトのゴルフ成長日記⑦

フェース向きと打点位置を意識するようになったらベストスコア更新できました!

先日、ゴルフトゥデイ編集部の皆さんとセゴビア・ゴルフクラブ・イン・チヨダというゴルフ場でプレーしてきました。コースレイアウトが独特で、すごく頭を使いました(汗)。でも、これまで学んできた成果が出てくれたのでしょう!スコアは117!!ベストスコアを更新できました。反省点も多かったですが、まずまずの結果に満足です。とりあえず次は、100切り目指して頑張ります!

目澤秀憲
めざわ・ひでのり。1991年2月17日生まれ。東京都出身。大学卒業後渡米し、日本に数名しかいない、アメリカのレッスンプロの資格TPI(TitlistPerformanceInstitute)レベル3を取得。河本結のコーチを務める傍ら、アマチュアにもレッスンをしている。日本大学卒業。

ナビゲーター
坪井ミサト
つぼい・みさと。1996年10月30日生まれ。奈良県出身。小学生から野球を始める。球速最高107キロ(ミズノ『MAQ』測定)。フィットネスインストラクターの資格を取得。フルマラソン4時間09分の記録ももつアスリート女子。ゴルフは2020年春から始めたばかり。

協力/ドゥワンゴルフアカデミー


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