1. TOP メニュー
  2. ゴルフギアにお悩み
  3. クラブ選び
  4. サンドウェッジ、選び方の正解は?【ロフト?形状?バウンス?】

サンドウェッジ、選び方の正解は?【ロフト?形状?バウンス?】

ゴルフそもそも調査部 vol.2【今回の調査テーマ|サンドウェッジはどこで選ぶ?】

2022/07/09 ゴルフサプリ編集部

サンドウェッジ,選び方

現代のゴルフギアは、先人の創意工夫が積み重ねられてきたもの。時に感じる疑問や「なぜ」「どうして」を、それらを形作ったきっかけやエピソードで振り返ってみよう。今回の調査テーマは「サンドウェッジ」だ。

GOLF TODAY本誌 No.601/140〜141ページより
イラスト/庄司 猛

砂から抜けるソールを持つクラブの誕生

今では、バンカー、アプローチ用のクラブとして欠かせないサンドウェッジ。だが、形状が多様化し、選び方がわかりにくくなっている感もある。

サンドウェッジは1930年代、グランドスラマーのジーン・サラゼンが生みの親、というのが定説だが、バンカー対策用クラブはそれ以前から存在していた。

バンカー脱出には大きなロフト角が必要。1920年代には最もフェースが寝ているクラブを「ニブリック」と呼んで多用していたが、現代のウェッジと大きく異なるのは、ソール幅がほとんどなかったことだ。
ペラッペラの板のようなヘッドは、少しでも砂に深く入るとミスに。当時は砂を薄く削ぎ取るカット打ちの技術が要求され、プロでも至難の業だったという。

ゴルフクラブのロフト角とは|飛距離や高さとの関係【初心者向け】

ゴルフクラブのロフト角とは、クラブフェースの傾きを示す数値のこと。ボールの飛距離や高さを決定する重要な要素です。クラ...

あわせて読みたい

バンカーからボールをかき出すには、砂を逃がすような穴や溝がフェースに空いていればいい、という発想もあったが、1908年に初めて作られた用具規則で使用禁止となった。
1929年、アメリカ・テキサス州のエドウィン・カー・マクレーンが大きな「フランジ(ソール部)」を設けた、フェースが凹面の『ショベル』を発売。フェースの板面と別に設けられた「フランジ」が、トゥ側から見ると「くさび」のように見えたことから「ウェッジ(くさび)」という呼称が始まったという。

1930年の全英オープンで、バンカーを苦手としていたボビー・ジョーンズが『ショベル』を使用して優勝したところ、その翌年に凹面フェースはルール規制で使用不可となった。

1930年には、「フランジ」ではなくヘッド背面に卵型の丸みをつけたオーバルバックの木製サンドウェッジも登場していたが、これも凹面フェースだったので使用禁止に。
だが、名手ウォルター・へーゲンが即座に平らなフェースで、アルミ製ヘッドで復活させた。それが『サンディ・アンディ』で、これこそ現代サンドウェッジの元祖と呼ぶ有識者もいる。

とはいえ、『ショベル』も『サンディ・アンディ』も、広い接地面(ソール幅)が、砂に刺さりすぎるのを防ぐ工夫となっているわけだが、「バウル幅)が、砂に刺さりすぎるのを防ぐ工夫となっているわけだが、「バウンス」の発想はなく〝抜ける操作性の良さ〟には至っていない。

ブリヂストン,J's

1990年代に国内で一世を風靡したブリヂストン『j's』。ジャンボこと尾崎将司監修の、グースネックが特徴的なモデルだった。バウンス角は少なめで、ヘッド形状は丸型。

ピン,アイ2

開いて構えやすいティアドロップ型の元祖、1980年代にヒットしたピン『アイ2』。実質的なソールの設置面が狭く、操作性が高い。名器リンクス『マスターモデル』にも影響大。

コンケーブルソール

幅広ソールでも跳ねずに抜けやすい「コンケーブルソール」。1970年代にコンソールが発売してヒットしたが、その後もモデルを変えて復活を繰り返す根強い人気にある形状だ。

求められるのは、打ち方に合ったソール形状

タイトリスト,ボーケイシリーズ
現在、最もプロに信頼されているタイトリストの『ボーケイ』シリーズ。構えたときの見た目は万人向きで、ソール形状のバリエーションも豊富。フェースを開いて扱いやすい。

現代のサンドウェッジで最も重要なのは、抜けの良さを演出する「バウンス」の存在だろう。
その点では『ショベル』を基に、意図的に「バウンス」を溶接したサラゼンのサンドウェッジこそ本当の「元祖」と呼ぶにふさわしいと思う。
ソール面ができたことがアイアン(ニブリック)とウェッジの違いであり、サラゼンが飛行機の翼から「バウンス」を発想したことで、サンドウェッジの進化が始まったと言える。

今でこそ「バウンスソール」や、逆の「スクープソール」という呼称が定着しているが、これもサラゼンが考案したもの。それぞれ『サンドアイアン』『ピッチングアイアン』というネーミングで、1934年にウイルソンから発売された。
以来、ソールの接地面を幅や角度で考えるようになり、いかにボールの下まで潜らせつつ、スムーズに抜けるようにするかの工夫は、様々な形となって登場した。
最近ではフェース全面にグルーブ(溝)を刻んだものや、インナーコアを複合したものなどが開発されているが、プレーヤーに合う機能はソール形状がすべて、という本質は変わらないはず。

寄せワンを成功に導くのはスイングとウェッジのいい関係

昔のウェッジはPW、AW(PS)、SWくらいしか選択の余地がなかった。だが、今どきのウェッジはロフト角やバウンス角のバリエー...

あわせて読みたい

自分のスイングに合ったソールの接地点に影響するのはオフセットの度合いと、フェースの開き具合で決まる。

ヘッド重心位置ももちろん大切だが、市販モデルで極端にズレているものはない。
構えやすい見た目も大事だが、最近のモデルはストレートネック、ほぼティアドロップ形状でまとまっているので、迷いようもないだろう。

肝心のソール形状はバリエーションが豊富になっているが、実は極端な幅広ソール以外はプロの意見を採用しているので、それほど使い勝手に大差はない。打ち方次第で馴染めるはずだ。

日本では、砂が硬めのバンカーが多くなっていることを考えると、やさしいと言われる幅広ソールは弾かれやすく、逆にミスが増えやすいので要注意。ソール幅は狭めでバウンス角がやや大きめのもののほうが相性はいい。

サンドウェッジの成り立ちからも、選ぶ時に見るべきはソールということになる。他の要素は二次的に捉えていいだろう。

自分に合ったウェッジの選び方|スピンがかかる!寄る!ミスが減る!

シングルプレーヤーを除けば、アマチュアゴルファーのパーオン率は30%台かそれ以下だろう。ならば、どれだけ“寄せワン”を拾え...

あわせて読みたい

2024年最新ウェッジおすすめ人気ランキング20選|選び方のポイントも解説!

2024年最新のウェッジおすすめ人気ランキングを発表!ゴルフ初心者・中級者はもちろん、上級者からも人気のウェッジ全20クラ...

あわせて読みたい