目標にアドレスできていない？ 体の向きがわからなくなったら「ヒジのライン」を見て！
ゴルフコーチ・吉本舞が即解決！ 『初級ゴルファーからの相談が多いゴルフの悩み』 Case:05
練習場ではマットの向きに合わせて構えられるが、コースでは方向を示すものが何もない。ターゲットに対して正しく立ちたくても自分のカラダの向きがわからず、アドレスでモジモジしてばかり。「遠くの目標ばかり見ていると方向感覚がマヒしやすいんです」と吉本舞コーチ。どうやって構えたらいいかを教えてもらおう。
構成／三代 崇 写真／相田克己 協力／東京ゴルフスタジオ
カラダの向きが分からなくなったらアドレスの「ヒジのライン」に注目！
ボールの近くに目印を見つけておけば目標に対してスクエアに構えやすい
構えているうちに自分がどこを向いているかわからなくなった。モジモジしているうちに間違った方向を向いてしまい、結果はミスショット。初級ゴルファーに限らず、経験豊富なゴルファーにもそんなことがよくあります。
練習場ならマットの向きと平行に構えればナイスショットが打てます。でもコースではマットが無いので自分で方向感覚をしっかり持たないといけません。
ドライバーのように飛距離が出るクラブで打つときは、ターゲットを200ヤードくらい先のフェアウェイに設定しますよね。ところが遠くしか見ないと方向感覚がマヒして、自分のカラダの向きの判断が難しくなるのです。
そこでアマチュアの方々にはボールとターゲットを結ぶ飛球線をイメージし、ボールの30～50センチくらい先の飛球線上に何か目印を見つけておくことをオススメしています。
目印はディボット跡や芝の切れ端など何でも構いません。アドレスを作るときはフェース面を目印に真っすぐ向けて、肩や腰、スタンスなどカラダの全体を飛球線に対して平行にセットすればOKです。
ボールの近くにも目標を置くことでスクエアに構えやすいわけですから、これで大丈夫と自分を信じて打てばいいのですが、不安をかかえていてはカラダの向きにズレが生じやすくなります。
目標に対して真っすぐ構えていても左肩越しに遠くばかりを見ていると、目の錯覚によって肩が左を向いているように感じやすい。カラダが開いているなと思うと、どんどん右を向いてしまいます。
それもケースバイケースで右サイドがOBの場合などは右を避けようとしてカラダを本能的に左に向けてしまうことも多々あります。
クラブを立てた姿勢から真っすぐ下ろし、最後に右ヒジを右ワキ腹に近づける
ボールの近くに仮の目標を設定し、飛球線に対して平行に立つのがスクエアなアドレスを作る基本です。
それでも肩やスタンスの向きが揃わず、チグハグなアドレスになりやすいようでしたら両ヒジのラインに着目してみてください。
カラダの向きの優先順位としては1が肩、2が腰、3はスタンスです。スイングの軌道を決定づけるのは肩の向きですから、ナイスショットを打つには肩をスクエアにセットすることが第一条件で、そのためにはヒジのラインがカギとなるのです。
両ヒジの上にクラブを乗せるとしたら、そのクラブが飛球線と平行となるくらいに両ヒジのラインもスクエアにセットすることが大事なポイントです。
正しいアドレスを作ることは案外難しくて、自分の気づかないうちに両ヒジのラインがズレて肩の向きを狂わせてしまいやすいもの。
アドレスの姿勢を厳密にいえば右手が左手よりもカラダから遠い位置にあります。そのため右ヒジが伸びて右肩が前に出やすいのです。逆に右ヒジを絞って右ワキ腹にしっかりも密着させると右肩よりも左肩が前に出てしまいます。
こうした体勢で遠くの目標を見ると方向感覚が余計にマヒして、どこを向いているかがわからなくなるのです。
ドライバーはとくに両ヒジのラインにズレが生じやすいので、次のような手順でアドレスを作るのがいいでしょう。
1．飛球線と平行に立ち、上体を起こした姿勢でクラブを胸の前に真っすぐ立てる
2．上体を前傾させてクラブを地面まで真っすぐ下ろす。この時点では右ヒジと右肩が少し前に出ている
3．右ヒジを軽く手前に引いて右ワキ腹に近づけて右肩を少し下げる
アドレスが完成したら、遠くを見るときも右ヒジや右肩が前に出ないように注意しましょう。遠くを見るのは1～2回だけにして、アドレスの前傾姿勢のまま首だけを左に動かすようにしましょう。
吉本 舞
よしもと・まい
佐賀県出身。USLPGA Teaching＆club Professionalの資格を取得。ゴルフの楽しさを多くの人に伝えたく、敏腕コーチの森守洋に師事。現在は東京ゴルフスタジオ（東京都三鷹市）でアマチュアをレッスン。一人一人の悩みに寄り添い、丁寧でわかりやすい指導が好評。
Instagramにてゴルフレッスンやゴルフウェアコーディネートなど更新中。
＠maiyoshimoto_
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