ピン「i530」 アイアンは見た目がツアーアイアンなのにやさしく飛ばせて、狙えちゃう！
ピン『i530アイアン』をヘッドスピード40m/sのロマン派ゴルフ作家が検証する！
『i530アイアン』は見た目はカッコいいツアーアイアン！しかし、その実態は……ロマン派ゴルフ作家が実際にラウンドして試打検証した。
『i530アイアン』は姿の良さだけでも勝負できるのに、中身も凄いぞ！
ピンゴルフは、『i530アイアン』を2024年4月4日に発売。
『i530アイアン』のコピーは、“飛び系ツアーアイアンi530、誕生。”だ。ツアーアイアン＝飛ばない、という常識をぶち壊すコピーで、スッキリしている。前モデルの『i525 IRON』は、“ちょいブレード”で、ツアーアイアンに寄せているイメージで、大ヒットしたアイアンになった。『i530アイアン』は、ツアーアイアンに寄せたのではなく、ツアーアイアンだと言い切っているところが面白い。
『i530アイアン』で注目したテクノロジーは、単なる中空構造だけではなく、「低重心設計」と「複合素材ヘッド」と「高比重トゥウェイト」という三つだ。7番アイアンのロフトが27.5度であることと、新しいフェースの素材と構造で、間違いなく飛距離は出る前提だが、より高弾道にして止まりを助けて、ミスヒットにも強いやさしさでもゴルファーを助けるのが『i530アイアン』なのだ。
そして、何よりも、シャープでコンパクトな見た目で、ツアーアイアンとして文句なく仕上げているところに拍手を贈りたい。バッグに入っているのを見て、難しいツアー用のアイアンだと思う人はいても、やさしく飛ばすアイアンだと感じる人はいないと思われる。これが『i530アイアン』の本領発揮なのである。姿が良いアイアンは、試打しなくとも購入意欲を刺激する。『i530アイアン』はそういうアイアンとして、120点の合格である。
試打した『i530アイアン』は、4番〜9番、PW、UW。シャフトはN.S.PRO 750GH neo のSフレックス。
ボールは、使い慣れていて、クラブだけに集中できる『TOUR B X』を使用した。
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やさしく飛ばせる夢を現実にしてくれて、意地と見栄も張れるのが『i530アイアン』
『i530アイアン』を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。
打音打感 音量はやや大きめ、ピン独特の高音の鞭系、残響がある音。
打感は軽め、弾き感あり、手応えは敏感。
弾道球筋 高弾道。左に行きにくく、安心感もあるので思い切って打てる。
スピンは平均点、高さで止めるアイアン。
飛距離 クラシックなロフトのアイアンと比較するとほぼ2番手飛ぶ。
『i530アイアン』は、一見するとマッスルバックのアイアンだ。バッグに入っていると、ソールがやや厚みがあるのが特徴だと感じても、中空アイアンとしてはヘッドの大きさが小さすぎることから、マッスルバックのアイアンだと信じてしまうゴルファーは多いだろうと思う。表面の仕上げの手触りが絶妙で、金属的な冷たさが軽減されているところが、高級感に繋がって、それもプラスポイントだと感じた。
打ってみると、第一印象は、前モデルよりもさらにやさしくなっている、だった。
『i530アイアン』から4番アイアンがラインアップに加わったが、これがやさしさを体感する上で、最もわかりやすく打てる1本になっている。多少のミスショットは、全てクラブが吸収して、ナイスショットになってしまうのだ。
ボールの飛び方や、スピンのかかり具合などは、中空構造のアイアンの特徴が見えるけれど、それらを大きなマイナスには感じさせない。飛距離が出ることをアイアンショットでも楽しみたいエンジョイゴルファーを満足させるだけではなく、シビアにスコアに挑戦するゴルファーにとっても、転がりまで上手く利用して攻めていくイメージが出来れば十分に戦える武器として機能するのだ。
やさしく、かつ、飛距離が出るアイアンが欲しいけれど、やさしさが見た目でもわかるようなアイアンは嫌だというゴルファーに、『i530アイアン』をオススメする。
やさしいツアーアイアンという新しいカテゴリーを作ったとしても、やはり『i530アイアン』はオススメできる。
個人的な妄想であるが、酸いも甘いも噛み分けた通な大人ゴルファーが、「最後の意地を張らせてよ」と照れ臭そうにバッグに入れているのが『i530アイアン』だ。しかし、プレーをしてみると、遠慮なく飛ばして、スコアもしっかりと出すという大人げないゴルフをする矛盾に、嬉しさを隠せずに恐縮するのが『i530アイアン』なのである。
『i530アイアン』は、そのやさしさが老若男女を選ばずにゴルフをエンジョイさせるだろう。2024年にゴルフをしていてラッキーだと、心底思わせるのが『i530アイアン』なのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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