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コラム
ドライバーのHSが45m/s以上なければ、3Wは打ちこなせないの？

ドライバーのHSが45m/s以上なければ、3Wは打ちこなせないの？

鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話第15回

2024/05/09　ゴルフサプリ編集部

「スプーンは打てない」って分かってはいるけれど「FWを使いたい」という気持ちは捨てられない。そういうアマチュアは、FWをどう考えてどう選べば失敗しないのか――。カリスマフィッターの鹿又さんが“FWへの道筋”をボクらに示してくれた。
写真／ゴルフサプリ編集部

「当たる、上がる」がイメージできる、17度以上のFWがオススメ

一般的なアマチュアにとって、FWが難しい理由が2つあります。
1つ目は、ヘッドスピード（HS）が足りないので、今の3Wは適正弾道になりません。ドライバーのHSが45m/s以上なければ、地べたから3Wを打ったときに“適正弾道”と言われるような打ち出し角と最高到達点に届かないので飛ばないんです。それは「やさしい」と言われるモデルでもそう。物理的にそうならざるを得ません。
ただ「飛ばない」というのはキャリーが出ないので、逆に言えばキャリーが出る条件のときは飛ぶということ。ティアップしたときとか、打ち下ろしとかですね。
物理的にいって、ロフト15度の3Wを（ドライバーの）HSが40m/sの人が、スピンが少なくなった今どきのボールとクラブで、地べたから打球を上げることは無理がある、ということを認識してもらいたいんです。

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その次に、技術的な問題になりますが、43インチくらいの長さのクラブで、地べたにあるボールを正確にインパクトする難しさがあります。これは“練習量”に起因するでしょう。クラブの長さによる難しさもありますが、FWが打てないからといって、ドライバーよりFWばかり練習する人っていますか？　いないと思います。
平らなマットの練習場でも、ミドルアイアンと同じくらいの確率でFWが打てるように練習していればいいでしょう。でも実際には、7Iで30～40球を打っても、3Wで30～40球を練習してる人を見たことがありません。それなのに「FWは苦手なんだよね」と言って、コースで打つと……。
ここまでの2つが、FWが難しく感じる圧倒的な理由なんです。

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やさしいイメージがする顔つきで、ロフトが大きいFWが◎

この2つの要因って、残念ながらクラブでなんとかできることじゃありません。物理的な部分と技術的な部分はどうしようもないことですから。
この問題をできるだけクラブで解決しようとしたら、やれることは2つだけ。1つ目は、物理的に球が上がるロフトのFWにしましょう。ロフトが17度以上のFWにすれば、球がちゃんと上がるので大丈夫です。

2つ目は、構えたときのシルエットや見え方が、自分にとって「球が上がりやすい」「当てやすい」という、2つのイメージが抱けるヘッドを選ぶこと。この「上がりやすい」「当てやすい」というイメージがどこに起因するかというと、まずは「ヘッド全体の大きさ」。それから「フェースの高さ」で、フェースがペタッとしてる（シャロー）と下を潜っちゃいそうとか、厚い（ディープ）と球が上がりづらそうとか、人それぞれに違いがあります。それから「FP」（フェースプログレッション）ですが、これは“好み”です。刃先が前に出ているほうが「上がりやすい」ってイメージする人もいれば「気持ち悪い」って感じる人もいるので。
この3つの要素でイメージができてくるので、それらを気にしてFWを探すといいと思います。

“状況限定”と割り切れば、15度のFWも武器になる

ロフト15度のFWについては「使っちゃダメ」とは言いません。ちょっと不思議に思うかもしれませんが、ウチのお客さんで女性はけっこう入れている人が多いんです。ナゼかというと「上がらなくて転がるクラブ」として入れてもらってます。球が上がらなくてキャリーは出ないけど、ランで稼ぐクラブということ。
コースへ行ったときに「アゲンスト」もあれば「左足上がり」で球が上がりやすくて飛距離を損しやすいシチュエーションがあるじゃないですか。そういうときに“状況限定”で使ってもらってます。あとは「林から出す」ときにも（笑）、球が上がらないので効果的ですね。