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若手女子プロの飛ばしのスイングを岡本綾子が分析!【飛距離を出したいゴルファー必見】

2018/11/15 ゴルフトゥデイ 編集部

USLPGAで賞金女王になった、唯一の日本人。“世界のアヤコ”こと岡本綾子が若手女子プロの飛ばしのスイングを分析。岡本流飛ばしのエッセンスが詰まっています。飛距離を出したいアマチュアゴルファーは必見です!

畑岡奈紗の飛ばしスイング

畑岡奈紗(森ビル)
1999年1月13日生まれ。茨城県出身。158㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離252.33ヤード

右手のグリップは完璧!あとはクラブを立てて振り抜くだけ!

POINT 1(1カット目)
右手グリップは、握りも角度も100点。

POINT 2(8カット目)
インパクトからフィニッシュまで軸がブレず、力強さを感じるスイング。

ポイントはまず右手のグリップ。これは100点!親指と人差し指の間が締まっているし手の甲側、手首の角度が直線的であるというのが利点。非常にきれいな弧を描くようなバックスイングができるタイプですね。

クラブが立って上がりやすい。フォローで右手の甲の返しをもう少し遅く、クラブを立てるように振り抜いていければ、もっとボールをコントロールできるようになるでしょう。

畑岡奈紗の使用クラブ

モデル:スリクソンZ765プロトタイプ(住友ゴム工業) ロフト10.5度
シャフト:アッタスG7 硬さ6S

川岸史果の飛ばしスイング

川岸史果(加賀電子)
1994年10月13日生まれ。神奈川県出身。166㎝、75㎏。
ドライビングディスタンス…平均飛距離248.50ヤード

軸足となる右サイドがトップまで同じ角度なのがGOOD。

POINT 1(4カット目)
右サイドの足の角度が、アドレスから変わらず、スイングがブレない、力強いトップになる。

POINT 2(5カット目)
手とクラブヘッドの関係を見ると、インパクトゾーンが長いのがわかる。

POINT 3(7カット目)
父の川岸良兼そっくりのフォロー。ちょっと返しが遅いかな?

右サイド、アドレス時のラインが地面に対してトップまで全部同じ角度になってますが、これがいいですね。体が大きいわりには、非常に柔らかい腰の回転をする選手です。

最近の選手には非常に少ないのですが、インパクト直前のクラブヘッドの位置に注目!この位置、この角度でまだインパクトを迎えていないというのが、飛ばせる要素であり、秘訣です。

川岸史果の使用クラブ

モデル:JPX900(ミズノ) ロフト8.5度
シャフト:グラファイトデザイン クアトロテック55 硬さS

松田鈴英の飛ばしスイング

松田鈴英(ニトリ)
1998年1月24日生まれ。滋賀県出身。167㎝、54㎏。
ドライビングディスタンス…平均飛距離245.00ヤード

フォローでグリップエンドが地面を向くくらい、タテに振り抜くといい。

POINT 1(1カット目)
左手のグリップをもう少しストロングに握ると、ヘッドが走るようになる。

POINT 2(4カット目)
トップで右足、下半身がガマンしているいい形!

フォローが大きいですね。強いて言えば、肩がこの位置(7カット目)に来た時にグリップエンドが地面の方に向いているともっといい。クラブ(シャフト)が立って、ボールをコントロールしやすいでしょう。

もう少し左の親指をストロングに入れたら、もっとヘッドが走るし、シャフトのしなりを感じることができて、ボールの回転、球筋が変わってきます。

松田鈴英の使用クラブ

モデル:ブリヂストンゴルフ J815(ブリヂストンスポーツ) ロフト9.5 度
シャフト:フジクラ スピーダー569エボリューションⅣ 硬さS

岡山絵里の飛ばしスイング

岡山絵里(ニトリ)
1996年6月4日生まれ。大阪府出身。161㎝、64㎏。
ドライビングディスタンス…平均飛距離241.50ヤード

リズム、テンポの良さを感じる下半身主導のスイング。

POINT 1(5カット目)
ダウンからインパクトで、もう少しだけ早く右ヒザが入ってくるとさらにいいスイングになる。

POINT 2(7カット目)
とてもきれいなフォローです。両腕の位置や形がいい。

きれいに下半身を使っていますね。上半身のヒネリをすごく感じられる下半身です。少しリキみを感じる部分があるけど、もう3センチでいいから右ヒザが早く入ってくるといいかな。もっと美しいスイングになるでしょう。

インパクトも非常にきれい。写真より会場で実際に見たほうが、さらにリズム、テンポの良さを感じられると思いますね。

岡山絵里の使用クラブ

モデル:ロッディオ タイプM(スポーツライフプラネッツ)
シャフト:フジクラスピーダー661 エボリューションⅡ 硬さS

勝みなみの飛ばしスイング

勝みなみ(明治安田生命)
1998年7月1日生まれ。鹿児島県出身。157㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離244.93ヤード

力みのないアドレスで、体全体の回転で打っていますね。

POINT 1(5カット目)
5カット目の段階で、左肩が6カット目の位置になっていたらもっといい。

POINT 2(6カット目)
インパクトでの逆くの字の手首の形はグッド。

POINT 3(7カット目)
手首のローリングが強いのは、右手が強いんじゃない?

印象的なのは、いい意味でアドレスにリキ感がないということ。さあ、スタート!っていうと力が全身にグッと入るタイプですね。全体の回転で打っています。トップの位置までバランスのいい流れをしています。インパクト時の右手首の形、逆くの字 は○。いろんな意味でボールコントロールができる右手首だと言えます。

勝みなみの使用クラブ

モデル:スリクソンZ765(住友ゴム工業) ロフト10.5度
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD IZ5 硬さS

新垣比菜の飛ばしスイング

新垣比菜(ダイキン工業)
1998年12月20日生まれ。沖縄県出身。165㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離243.42ヤード

テークバックでの肩の水平回転がスムーズでいい。

POINT 1(2カット目)
アドレスからテークバックで左肩が少し下がっている。水平に回転しているのがいい。

POINT 2(5カット目)
ダウンスイングでの、腕とクラブの位置バランスはとてもいい。

持ち球はフックかな。5カット目のこの位置でこのバランスは非常に○。下半身が固そうな印象を受けますから、肩回りとか、腕の力をもう少しつけたほうがいいかもしれないですね。

特長のハイフィニッシュはいいですね。まだ20歳前後のスイングではありますが、右肩を最後に、ここまで行かせないほうが安定すると思います。

新垣比菜の使用クラブ

モデル:ゼクシオ テン(住友ゴム工業) ロフト8.5度
シャフト:三菱ケミカル ディアマナX'17 50 硬さS

小祝さくらの飛ばしスイング

小祝さくら(ニトリ)
1998年4月15日生まれ。北海道出身。158㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離230.42ヤード

全体のバランスがいいアイアン系のスイング。

POINT 1(4カット目)
もう少しカカトの動きを抑えるとショットが安定する。

POINT 2(5カット目)
右足カカトの上がりが早すぎる。もう少し粘ったほうがいい。

ウッド系よりもアイアン系のクラブに向きそうなスイングですね。非力に見えるけれど、全体のバランスはいい。トップの位置の体のユルみを見てると、アイアン系のほうが正確性があるんじゃないかと感じます。いわゆるベタ足打法ですが、もう少しカカトが回転するのを抑えて、力を溜めるスイングにしたら、とてもよくなるんじゃないかと思いますね。

小祝さくらの使用クラブ

モデル:スリクソンZ765(住友ゴム工業) ロフト9.5度
シャフト:三菱ケミカル ディアマナB50 硬さS

大出瑞月の飛ばしスイング

大出瑞月(フリー)
1997年11月21日生まれ。群馬県出身。151㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離230.75ヤード

上半身の動きがよくボールヒットの能力は高い。

POINT 1(5カット目)
トップからダウンにかけて、頭の位置がアドレス時に戻ってきている。

POINT 2(6カット目)
インパクトで左腰が引けて、右足に体重が残っている。右足重心にして飛ばそうとしているのかな?

トップからダウンスイングにかけて、いったん動いた頭の位置がアドレス時の位置に戻っていて、ちゃんとボールをヒットする能力の高さを感じます。インパクトが合わせやすいスイングですね。

左腰が引けて右足に体重が残ってるように見えるのは、右足重心にして飛ばそうとしているから上半身の動きは非常にいいので、球数をこなしてきている証拠だと感じます。

大出瑞月の使用クラブ

モデル:G400MAX(ピン) ロフト10.5度
シャフト:フジクラ スピーダー569エボリューションⅣ 硬さR

金澤志奈の飛ばしスイング

金澤志奈(レイクウッドコーポレーション)
1995年7月29日生まれ。茨城県出身。164㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離230.43ヤード

バランスのいいアドレス、腰の回転をもっと鋭く!

POINT 1(1カット目)
右手の親指と人差し指は、もっと詰めて握ったほうがいい。

POINT 2(4カット目)
トップで肩が回りすぎて、上半身を伸ばしてしまうとパワーロスになる。

POINT 3(5カット目)
ダウンスイングでは腰の回転をもっと早くしたほうがいい。

全体的にきれいな、バランスのいいアドレス。右グリップをもうちょっと親指と人差し指の間をつめるように握るのが理想的。バックスイングで左肩を入れすぎている感があり、やや体幹の弱さを感じます。せっかくヒネった腰をトップで伸ばしてしまっているので、力が逃げて飛距離も損しているのでは?ダウンスイングに入っての腰の回転がちょっと遅いかな!?

金澤志奈の使用クラブ

モデル:ツアーB XD-3(ブリヂストンゴルフ) ロフト10.5度
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD TP-5 硬さS

田村亜矢の飛ばしスイング

田村亜矢(大東建託)
1997年4月15日生まれ。北海道出身。163㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離232.58ヤード

体の柔軟性を生かしたきれいなトップ。

POINT 1(6カット目)
インパクトで左肩が上がり過ぎている。ダウンでの位置をキープしたい。

POINT 2(7カット目)
フォローのこの位置ではクラブは立っていたほうがボールコントロールしやすい。これではボールが上がらない。

きれいなトップですね。非常に理想的。体が柔らかそうなので、そのぶん左肩がたくさん入りますが、ダウンスイングに入ってあんまり左肩の高さは移動しないほうがいいですね。

ガマンして、トップの肩の高さ(4カット目)を保ってダウンスイングしてインパクトを迎えられると、もっとヘッドが走るんじゃないかしら。手先(クラブ使い)が器用そうに見えますね。

田村亜矢の使用クラブ

モデル:ゼクシオ テン(住友ゴム工業) ロフト10.5度
シャフト:フジクラ スピーダー569エボリューションⅣ 硬さS

永井花奈の飛ばしスイング

永井花奈(デンソー)
1997年6月16日生まれ。東京都出身。155㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離227.06ヤード

軸はブレていないが、上半身に力が入り気味。もっとリラックスして!

POINT 1(3カット目)
バックスイングでの腕の筋肉の使い方がいい。

POINT 2(5カット目)
左肩の高さはこの時点で6カット目の高さに来るのが理想的。上半身に力が入り過ぎ!?

全体のスイングバランスは非常にいいんじゃないでしょうか。写真ではわかりづらいけれど、実際は軸のブレをあまり感じさせないスイングです。腰から腰までのハーフスイングでスイングを作ってきたと聞いたけど、だからこのきれいなインパクトができるんだろうなと。筋肉の動き方、入り方がとてもきれいですね。見える腕の筋肉の使い方、正しい筋肉の向き方をしていると思います。

永井花奈の使用クラブ

モデル:TW737 455(本間ゴルフ) ロフト9.5度
シャフト:本間ゴルフ ウィザードEX-C55 硬さR

沖せいらの飛ばしスイング

沖せいら(福岡センチュリーGC)
1992年9月25日生まれ。山口県出身。161㎝。
ドライビングディスタンス…平均飛距離226.8ヤード

インパクトはアドレスの再現、という見本のようなスイング。

POINT 1(1カット目)
きれいで、リキ感のないアドレス。

POINT 2(5カット目)
ダウンスイングでクラブを上から下ろしてきているのがいい。

トップはノーコックできれい。コックをしないけれど、クラブを上からおろしてきている、という感じ。遠回りしてないのがいいと思います。あまり飛距離が出ない理由は、体の回転が少ないから。でもその代わりに、タテ振りだから左右のブレは少ない。方向性のいいスイングと言えます。

また手の位置とか右のグリップの向きが、昔から言われる「インパクトはアドレスの再現」の見本ですね。

沖せいらの使用クラブ

モデル:GBBエピック サブゼロ(キャロウェイゴルフ) ロフト9度
シャフト:フジクラ スピーダー569エボリューションⅣ 硬さS

※各選手の使用クラブは掲載当時のものになります。
GOLF TODAY本誌 No.551 38〜47ページより

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