ミズノ「ミズノプロ モデルE/モデルS」ドライバーを試打レビュー!
2月22日に発売となった「ミズノプロ」のドライバー。フェースに禁断の素材を使い、日本のゴルファーが使いやすいような重量配分で作られているという。やさしく、強く、遠くへ飛ばせるというミズノプロの最新ドライバーをゴルフバカイラストレーターの野村タケオとプラスハンデのトップアマが打ってみました。はたしてその性能は?
撮影/野村タケオ
ミズノプロ ドライバーを試打したのはこの二人
左:野村タケオ(ヘッドスピード42くらいで、捕まえるのがあまり上手くないフェードヒッター。スピン量が多め。ドライバー飛距離240ヤードくらい)
右:佐藤順(ハンデ+1のトップアマ。ヘッドスピード47。ほぼストレートで軽く右に曲がるフェードヒッター。ドライバー飛距離は270ヤード前後)
「ミズノプロ」ドライバーってどんなクラブ?
最近のドライバーといえば、460ccのヘッドで投影面積が大きく重心距離が長いものが主流となっています。
これは構えた時の安心感やミスヒットへの寛容性などの利点はあるものの、ヘッドターンが難しくなり、右プッシュやスライスの原因になりがちです。ミズノプロは投影面積は大きいままで重心距離を短く設定し、安心感はそのままでスムーズなヘッドターンが出来るように設定されています。これによりスクエアインパクトになりやすく安定した方向性を実現しました。
もう一つの特徴はフェース素材。βチタンというフェースの反発規制のルールが出来る前に使わていた素材をあえて今回使用してきました。このβチタンという素材は一般的にフェースに使用されるチタンよりも強度が高く、たわみやすいために高い反発性能を発揮します。
そしてウェーブテクノロジーソールと呼ばれる波型のソールデザインは従来品よりもさらにくぼみを2mm深くし、フェースのたわみが5%向上されたことによりボール初速がアップし、飛距離も伸びました。
このように今回の「ミズノプロ」ドライバーは打感や形状にこだわるミズノらしさを残しながらも、ゴルファーが最大飛距離を出せるクラブとなっているわけです。
「ミズノプロ」ドライバーの2種類のヘッドタイプ『モデルE/モデルS』
今回のミズノプロには2種類のヘッドが用意されています。ひとつは450ccで投影面積が大きくシャローバックな『モデルE』。構えた時の安心感はあるものの、重心距離がかなり短く設定されておりヘッドがターンさせやすくなっています。
そして435ccでハイバック、少し小ぶりな『モデルS』。こちらはヘッド体積も小さめで少しディープフェースなために構えてみても小ぶりに見えて、いかにも操作性が高そうに見えます。
まずは「ミズノプロ モデルE」を試打してみた。
野村「順ちゃん、いい球打ってたね~。このモデルEはどういう印象?」
佐藤「打感がとても柔らかくて気持ちいいですね。ボールも楽に上がるし飛距離もかなり出ているように感じます。」
野村「だよね、このβチタンのフェースは本当に柔らかいというか、とてもたわむ感じがするよね。グーッとフェースがたわんでからボールが弾かれるというか。そして確かに球も上がりやすくて楽に打てる」
佐藤「大きいヘッドの割にはやはりヘッドの操作はやりやすくて、捕まりも良い。そして曲がりにくいクラブですよね」
野村「僕はね、このクラブにかなり期待してたのよ。ほら僕ってトップでフェースがドン開きになっちゃうタイプなので、あまり大きくて重心距離の長いドライバーって苦手なのよ。フェースがスクエアに返ってこなくて、スライスになっちゃう。その点このドライバーはフェースがターンしやすいって言うから、まさに僕みたいなゴルファー向きかなと」
佐藤「なるほど、そういう面では野村さんにかなり向いているクラブかもしれませんね。自然にフェースがターンしてくれる感じがありますからね」
野村「そうそう。でもね、操作性が良すぎてフェースをターンさせようと思うと引っかかっちゃうんじゃないかってことが少し心配だったんだよね。でも打ってみたらそれは無かった。適度にフェースターンしてくれるんだけど、引っかかるような動きはしないんだよね。そしてスピンもあ少なめで、打ち出しの高いロースピンのボールが打てる感じ。ソールの波型のスリットが影響してるのかな?」
佐藤「確かに打ち出しは高いし、スピンも少なそうですね。風にも強そうな強い球が打てます。ミズノのドライバーってあまり打ったことが無かったのですが、こんなに優しく打てるとは思わなかったですね」
野村「これならアベレージヒッターでもシャフトとロフトさえ選んでやれば十分使えるね。なによりこの打感が最高に気持ちいいし、黒いヘッドにソールのスリット部分のブルーが効いててカッコ良い!個人的には原英莉花プロが使ってるのもポイント高いな~」
そして「ミズノプロ モデルS」を打ってみた。
野村「順ちゃん、これまたいい球打ってるけど、見てるとこっちのほうが球が強い感じがするね」
佐藤「そうですね、このモデルSのほうが少し弾道が低くなって直進性が高いような気がします。打感は相変わらず柔らかくて良いのですが、初速も速いし強弾道ですね」
野村「構えたときは少し小さめに感じるから難しいのかなと思ったけど、僕でもかなり楽に打てました。ボールもモデルEほどではないにしろ上がりやすいし、捕まりも良い。こっちのほうが確かに少し弾道は低くなるけどその分ランが増えそうな感じはするし」
佐藤「形状はいかにもミズノのプロモデルといった感じですが、見た目よりも本当に楽に打てます。操作性はこちらのほうが更に高いし、球筋の打ち分けをしたい上級者には扱いやすいでしょうね。アゲンストでも風の下をもぐってくれるような球で飛んでいきます。でも本当にけっして難しいクラブという印象はないですね」
野村「本当に上級者好みの形状なのに優しいって感じだよね。ミスヒットに強いのはモデルEだと思うけど、個人的にはこっちのほうが僕は好きかな~。でも原英莉花プロはモデルEだしな~」
佐藤「そこですか(笑)。一般アマチュアにはおそらくモデルEのほうが良いと思いますけど、昔からのミズノファンとか、弾道を少し抑えたい人とか、操作性を求める人はこのモデルSでも良いかもしれませんね。優しいプロモデルといったクラブだと思います」
野村「なるほど。ちょっと仲間に見栄を張るのにも良いかもしれないね(笑)」
今回の「ミズノプロ」ドライバー、禁断の素材と呼ばれるβチタンを使っているだけあって飛距離性能は申し分なし。打感や音もさすがにミズノのクラブだけあって中上級者を満足させるだけのこだわりを感じます。
それでいてボールの上がりやすさやミスヒットへの強さなどの優しさも兼ね備えている。いままでのミズノプロ=上級者向きクラブというイメージを覆すクラブに仕上がっていると思います。
ミズノ契約プロもその飛びには驚き、試合でさっそく使っているそうです。プロと同じモデルを使えるってのもアマチュアにとっては嬉しいこと。カスタムシャフトもいろいろと用意されているので、一度試打してみるといいかもしれませんよ。
(取材・文)ゴルフバカイラストレーター野村タケオ
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