黄金世代のシード入りが“ケタ違い”!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.2
今季の女子ツアーは全スケジュールを終え、賞金シード50人が確定した。うち1998年度生まれの黄金世代が何と11人。これは女子ツアーの歴史の中でも空前の“ケタ違い”の数である。
黄金世代のシード入りが“ケタ違い”!
2019シーズン、大飛躍の渋野日向子
女子ツアーで賞金シードが与えられるのは賞金ランキング上位50人。今年もその50人が決まった。ここでも目を引くのがやはり「黄金世代」の躍進だ。
昨年は実質的にプロ1年目といえる小祝さくら、勝みなみ、新垣比菜、原英莉花、大里桃子の5人だったが、そこに渋野日向子、河本結、高橋彩華、吉本ひかる、淺井咲希が新たに加わった。
さらに、米ツアーを主戦場にしている畑岡奈紗が2年ぶりに賞金ランキング50位以内に入り、総勢11人が賞金シード選手として名を連ねたのである。
3月のアクサレディスで初優勝を飾った河本結
同世代で11人といわれると、誰もが多いのだろうなとは感じると思う。では、どれくらい多いのか。調べてみると、驚くべき数であることが分かった。
これまで、同世代の選手(日本人選手のみ)が最も多く同一年の賞金シードに入ったのは過去4例(2003年の1975年度生まれ、2005年の1976年度生まれ、2012年の1980年度生まれ、2018年の1992年度生まれ)ある6人だった。
今年の黄金世代は従来の最多記録のほぼ2倍にあたる驚異的な人数。文字通り、ケタ違いの大記録なのである。
シードに入れなかった選手も含め、今季、黄金世代が国内で稼いだ賞金額は約8億1558万円。これは女子ツアー総賞金額の20%強にあたるすごい額だ。勝利数は12(渋野4勝、勝、畑岡2勝、河本、小祝、淺井1勝)。全39試合の約30%を黄金世代がモノにしたことになる。
賞金女王こそ先輩の鈴木愛に譲ったが、公式戦はワールドレディスチャンピオンシップを渋野が、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯と日本女子オープンを畑岡が制して4戦3勝。渋野と畑岡の海外での活躍も含め、黄金世代が圧倒的な存在感を示した1年だったことは間違いない。
黄金世代の賞金シード選手
名前 | 賞金額 | 順位 |
---|---|---|
渋野日向子 | 1億5261万4314円 | 2位 |
河本結 | 8802万5906円 | 6位 |
小祝さくら | 8298万2071円 | 8位 |
勝みなみ | 7644万9928円 | 10位 |
原英莉花 | 7076万9927円 | 14位 |
畑岡奈紗 | 6951万1943円 | 15位 |
高橋彩華 | 5528万9178円 | 19位 |
新垣比菜 | 4389万0010円 | 27位 |
吉本ひかる | 4359万0211円 | 28位 |
淺井咲希 | 3704万0309円 | 33位 |
大里桃子 | 3074万4342円 | 38位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。