米女子ツアーに、規格外のルーキーが登場!!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.52
米女子ツアーにどえらいルーキーが現れた。フィリピン出身のビアンカ・パグダンガナンだ。規格外の飛距離でツアー記録を14年ぶりに塗り替えることが濃厚なのである。
米女子ツアーに、規格外のルーキーが登場!!
ブライゾン・デシャンボーが米男子ツアーのドライビングディスタンス新記録を樹立したことはこのコラムでお伝えしたが、米女子ツアーでも同じ部門の記録が塗り替えられそうだ。主役はパグダンガナン。23歳のルーキーである。
10月25日が最終日のドライブオン選手権レイノルズレイクオコニー終了時でドライビングディスタンス288.762ヤードを記録し、2位を6ヤード以上引き離してドラコン女王の座へ一直線。しかも、2006年にカリン・ショーディン(スウェーデン)がマークした284.500ヤードのツアー歴代最高記録をも大幅に上回っているのだ。
フィリピン出身のパグダンガナンは高校卒業後にアメリカ留学。ゴンザガ大学を経てアニカ・ソレンスタムらを輩出したアリゾナ大学に転入。2018年には同大学18年ぶりのNCAA制覇に貢献している。
同年のアジア大会では、笹生優花と一緒に母国を初優勝に導いた。ちなみに個人戦では笹生が金メダルを獲得し、パグダンガナンは銅メダル。3位で並んだ古江彩佳をプレーオフで下してつかんだ銅メダルだった。
QT38位で出場の機会をつかんで臨んだ今季、最初は好成績を残せなかったが、10月の全米女子プロで初トップ10となる9位に食い込み、続くドライブオン選手権レイノルズレイクオコニーでは最終日最終組でプレー。初優勝には届かなかったが3位に粘って賞金ランキングを43位にまで上げた。同大会では4日間平均で実に299ヤードをマークしている。
パグダンガナンは身長5フィート4インチというから163cm程度しかない。現在の歴代最高記録保持者であるショーディンや昨年1位のアン・ヴァン・ダムが170cmを優に超える大型選手であることを考えれば、驚くべきことだ。
米女子ツアーは3週間の空きを経て今週のペリカン女子選手権で再開する。残りは4試合。パグダンガナンがどんな記録を残すか、期待したい。
米女子ツアードライビングディスタンストップ3
順位 | 名前 | 飛距離 |
---|---|---|
1位 | ビアンカ・パグダンガナン | 288.762ヤード |
2位 | マリア・ファッシ | 282.171ヤード |
3位 | アン・ヴァン・ダム | 281.849ヤード |
※ドライブオン選手権レイノルズレイクオコニー終了時
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
撮影トーナメント/
2020NEC軽井沢72ゴルフトーナメント
2020ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント
撮影/JGMA