プロ22年目の佐藤靖子が念願の優勝! 初Vまでの最長記録を大幅更新!!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.73
国内女子ステップ・アップ・ツアーの2021年初戦、ラシンク・ニンジニア/RKBレディースを制したのはベテランの佐藤靖子だった。42歳にしてレギュラーツアーを含めて初優勝。長かった道のりが新たな記録となった。
プロ22年目の佐藤靖子が念願の優勝! 初Vまでの最長記録を大幅更新!!
今年、全国で最も早く桜の満開が発表されたのは福岡市(福岡管区気象台)だった。3月22日午前中のことである。満開発表から2日後の3月24日、その福岡市にある福岡カンツリー倶楽部和白コースで行われたラシンク・ニンジニア/RKBレディースで長い雌伏の時を経て満開の花を咲かせたのが佐藤だ。
佐藤のプロテスト合格は1999年8月6日。そこから実に21年と230日かかってつかんだ初優勝である。
これまで、プロテスト合格からレギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアーいずれかで初優勝を飾るまで、最も時間がかかったのは1993年にステップ・アップ・ツアーのコカ・コーラカップに勝った木村成子の16年18日だった。佐藤はこの記録を大幅に塗り替えたわけだ。
22年近い月日の中で、優勝に手が届きそうになったことは何度かあった。2003年の日本女子プロコニカミノルタ杯では初体験の最終日最終組にもかかわらず堂々と終盤まで優勝争いに加わった。16、17番の連続ボギーで万事休したが4位に食いこんで初シードを確実なものにしている。
出産後の2015年、アース・モンダミンカップで初めて首位(5人の首位タイ)で最終日という大きなチャンスを得た。だが、ここでは79と崩れて48位という悔しい結果に終わっている。
ステップ・アップ・ツアーでは2018年のルートインカップ上田丸子グランヴィリオレディースが惜しかった。最終日終盤までトーナメントを引っ張ったが15、16番で痛恨のボギー。プレーオフにわずか1打及ばなかった。
そして今回は最終ホールのバーディーで首位の森岡紋加を捕えてプレーオフを制した。レギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアー合わせて431試合目での勝利の美酒だった。
国内女子レギュラーツアー、ステップ・アップ・ツアー通じての初優勝までにプロテスト合格から要した日数
順位 | 選手名 | 日数 | 初優勝大会 |
---|---|---|---|
1位 | 佐藤靖子 | 21年230日 | 2021年ラシンク・ニンジニア/RKBレディース(S) |
2位 | 木村成子 | 16年18日 | 1993年コカ・コーラカップ(S) |
3位 | 横山美智子 | 15年124日 | 1984年キヤノンクイーンズ(R) |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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