1. TOP メニュー
  2. HOTニュース
  3. マスターズ優勝。松山英樹がピンチに耐えて歴史的快挙!! 15番の池ポチャ直後も、冷静に“乗せない”アプローチ

マスターズ優勝。松山英樹がピンチに耐えて歴史的快挙!! 15番の池ポチャ直後も、冷静に“乗せない”アプローチ

一流キャディから人気レポーターへ! 世界の杉ちゃんが診る今月の一打

2021/05/18 ゴルフサプリ編集部

プロキャディー・ゴルフ解説者の“世界の杉ちゃん”こと、杉澤伸章氏が日本のゴルフ界にとっても、過去にマスターズに挑んだ日本人選手にとっても悲願でもある「マスターズ」優勝を果たした松山英樹について解説します。 

GOLF TODAY本誌 No.588/71ページより

偉大な快挙。マスターズ優勝を成し遂げた勝因は冷静な判断力

松山英樹選手のマスターズ優勝は日本のゴルフ界にとっても、過去にマスターズに挑んだ日本人選手にとっても悲願でした。だから、解説の中嶋常幸さんや宮里優作さんが涙を流したと思います。私もテレビを見ながら泣きましたね。

振り返ると、今回の松山選手はアプローチが抜群に冴えていましたし、その上で冷静な判断ができていたことが勝因だと思います。

象徴的だったのは最終日で最大のピンチだった15番ホールの池ポチャです。このミスで12番から4ホール連続バーディを奪ったシャウフェレ選手との差が2打差になりました。

平均パット数12位、3パット数も激減
21年シーズンのPGAツアーで松山英樹の平均パット貢献数は160位前後だが、マスターズでは平均パット数12位。3パットも4日間で4回と例年に比べて激減していた。

「波風を立てない」プレーを意識
優勝後に松山は「ミスをしてもイライラせずに、波風を立てないようにプレーしていた」と語っていた。それがピンチでの冷静なアプローチショットにつながった。

しかし、この大ピンチでみせたアプローチが1打差を守っての優勝につながったと思います。池ポチャの後、グリーン奥からのアプローチで松山選手はグリーンまで届かせないショットを選択しました。もちろん、グリーン奥が下り傾斜なので強くは打てませんが、「4打目のアプローチ」をグリーンに乗せないという判断はインサイドロープにいる選手にはすごく難しい。私も丸山茂樹選手のキャディとして4度マスターズに出ましたが、チャンスがあるならパーセーブしたい。しかも、松山選手のアプローチは絶好調でしたから、ピンを攻めてもパーをとれる可能性はありました。それをボギー覚悟でグリーン手前につけたのは素晴らしい判断だったと思います。同じように最終日は12番のバンカーショットもピンを攻めずに手前に打ってボギーになりましたが、その場面でも冷静でした。

マスターズの最終日は、グレッグ・ノーマンからジョーダン・スピースまで様々な悲劇がありましたが、松山選手はピンチでも冷静な判断ができたことが、優勝につながったと思います。

素朴な性格や人柄は米国で好印象
あまり記者会見やインタビューが得意ではない松山だが、米国では少ない言葉でも真摯に話をする姿勢や、素朴な人柄が好意的に受け取られている。

初日が大荒れ! DJ、マキロイ予選落ち
今年のマスターズは初日の平均スコアが74.523と大荒れの展開。優勝候補の筆頭だったダスティン・ジョンソンやローリー・マキロイが予選落ちに終わった。

62度のウェッジを使っていた松山英樹は、グリーン周辺でもロブショット系の高い球でピンチをしのいでいた。

杉澤伸章(すぎさわ・のぶあき)
1975年7月5日生まれ。02年から丸山茂樹の専属キャディとして米国ツアーを転戦。13年には宮里優作のキャディを務め、「日本シリーズ」での初優勝にも貢献。現在はゴルフ中継番組のレポーターとしても活躍。


世界の杉ちゃんが診る 今月の一打

前回の記事を読む 次回の記事を読む

シリーズ一覧