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ザンダー・シャウフェレもやっているシャフトの先端をカットする効果とは!?

ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第10回

2021/08/13 ゴルフサプリ編集部

ザンダー・シャウフェレ

今回は少しマニアックなネタです。東京五輪・男子ゴルフ、金メダリストのザンダー・シャウフェレもやっているというシャフトの先端をカットする効果について、ゴルフライターT島氏が切り込みます。

写真提供/大蔵ゴルフスタジオ

先端をカットするとシャフトは硬くなる

市川
大蔵ゴルフスタジオ(東京都世田谷区)の代表でフィッターの市川氏

東京オリンピック皆さんご覧になりました? T島も仕事しながら、様々な競技をネット配信でチェックしていました。大蔵ゴルフスタジオの皆さんは、予約がいっぱいらしくあんまりチェックできなかったようです。

今回は、ちょっと趣向を変えて、ツアープロのシャフトをフィッターとチェックしてみたいと思います。そのツアープロとは、東京五輪・男子ゴルフで金メダルをとったザンダー・シャウフェレです。

ドライバー:グラファイトデザイン ツアーAD BB7 X (先端1インチカット)
3W:グラファイトデザイン ツアーAD DI7 TX (先端1.5インチカット)
7W:グラファイトデザイン ツアーAD DI9 X (先端2インチカット)

アイアン4番~PW 52、56、60度:True Temper Dynamic Gold Tour Issue X100

こんな感じですね。どうですか市川フィッター。

「シャウフェレ選手は、手元のしなり感が欲しい選手みたいですね。ウッド系のシャフトはすべて手元調子です。アイアンも手元調子のダイナミックゴールドですから。アイアンのシャフトはチップカット(シャフトの先端をカットして装着すること)していないんですか?」。

資料には記入がないのでわからないです。ドライバーもカットしていますね。先端をカットすると、シャフトの先の一番柔らかい部分が短くなるから硬くなるのですよね?

「そうですね。カット量にもよりますが、シャフトの硬さが1フレックス変わっちゃうぐらい変わるわけではありませんが、硬くなります。ツアープロらしい微細な調整ですね。我々アマチュアだと、ドライバーに装着する場合先端をカットすることはあまりありません。通常はワンフレックス硬いものを装着します」。

グラファイトデザイン ツアーAD BB7
グラファイトデザイン ツアーAD BB7

フェアウェイウッドやユーティリティでは先端のカット量はとても重要

フェアウェイウッド,ユーティリティ
番手別のシャフトではないフェアウェイウッドやユーティリティは、シャフトの先端を切って調整する。

フェアウェイウッドやユーティリティは番手によって先端をカットしますよね。

「ゴルフクラブはクラブの長さが短くなるにつれて、ヘッド重量が重くなります。フェアウェイウッドやユーティリティには、番手別のシャフトがないので、シャフトの先端を切って調整するんです。ヘッドが重くなると先端をカットする量が増えます。こうやって振り心地を調整します。アイアンの場合、番手別に長さをカットしてあるモデルと「1本取り」と言って、同じ長さのシャフトの先端を切ることで、番手ごとに合わせるという両方があります」

シャウフェレ選手の場合、3Wは70グラムのTX(ツアーX、Xより硬い)で、7Wが90グラムのXと変えていますね。この辺はどうですか?

「多分重さだと思います。シャフトは重量が重くなると、必然的に硬くなります。というのも比重の軽いカーボンを何層にも巻いて作っているからです。比重の軽いのに重くすると、巻く回数を増やすか、重い素材を使うしかありません。そうなると重くなります」

つまり90グラムのTXにしちゃうと硬すぎるからということでしょうか?

「この90グラムのシャフトはプロだけに支給されているもので、市販されていないので、実際見たこと無いし、測ったこと無いのでわかりませんが多分そうなんじゃないかと・・カット量も7Wにしてはそんなに大胆にカットしていないし……」

フェアウェイウッドやユーティリティのシャフト、先端のカット量ってめっちゃ大事ですよね?

「そうですね、我々フィッターの腕の見せ所でもあります。番手ごとに0.5インチカット量を増やして欲しいというのがメーカーさんの指定で一般的なのですが、番手ごとにずらしたりして、味付けを変えます」。

3Wなら先端0.5インチが通常だけど、1インチにしたり、ノーカットにしたり。って感じですかね? そしてその流れで5Wのカット量も変わってくるみたいな・・

「そうですね。クラブ全体の長さ、ヘッドの重さ、そしてシャフトを差し込むホーゼルと異部分の長さにも影響します。シャフトの差し込み長というのですが、シャフトをどれぐらいヘッドに入れるか?というのも非常に考慮します」。

オリンピックの話から、なんだかマニアックな話になりましたね。先週のシャフトの再利用の話にも通じるんですけど、中古シャフトってもしかして、先端カットしてあたりなんてリスクもあるわけです。

クラブを組み立てる際に、ただヘッドとシャフトを接着しているだけじゃなくて、結構いろいろ考えて作っているということを覚えておいて下さい。

「T島さん、“結構”じゃなくてしっかりとフィッティングして、意図通りのものを作るための絶対必要なこだわりと言って下さい」。

なるほど……ということでまた来週。

T島

▼T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。

上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。

取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/


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