ロフトを見れば、アイアンの性格が8割方分かる！｜2021-22モデルアイアン25モデル、7番アイアンのロフトは34度から25.5度
今どきアイアン選びの第一歩は7番アイアンの“ロフト”｜解説編
ドライバーと比較して、アイアンの買い替えサイクルは長い。という事は、そろそろアイアンを買い替えようかと考えている人が多いということになる。でも、いざアイアンを買おうかという時には、出費額も多いし「どれがいいの?」となってしまうものだろう。そんな人のために、アイアンを選ぶポイントと最新&人気アイアンのモデル別の特性をカタログ仕立てで紹介します。
ロフト29度以下
ロフト29度以下はアベレージゴルファー向け。29～28度は“飛び系”、27度以下は“激飛び”と区分けできる。
ロフト30～31度
ロフト30～31度はアベレージゴルファー向けのスタンダードモデルと、アスリート向けの“飛び系”が混在。
ロフト32度
ロフト32度は、操作性や打感重視のアスリートを対象にしながら、すこしだけ飛距離性能をプラスした設計。
ロフト34度
ロフト34度は、飛ばそうという意図が全く入っていないと言ってよい設計。打感や操作性を重視したアスリート向けになる。
激飛びが市民権を獲得したからロフトのラインナップが出揃った
2015年発売の「インプレスRMXUD+2」が起こした激飛びアイアンブームに触発されて、アイアンのストロングロフト化がそれ以降のトレンドでした。しかし、ゴルファーのスキルやヘッドスピードに応じて最適なロフト設計が行われるようになり、最新モデルのロフトは7番で34度から25・5度まで分布しています。
今はメーカーがアイアンを開発する際にターゲットとするゴルファーに合わせてロフトを設定しているので、ロフトを見ればどんなゴルファーに向けたアイアンなのかをうかがい知ることができるということです。
ロフトの次は「ソール幅」「構造」「グース」「フェース形状」を見る！
今どきアイアンは、7番アイアンのロフトからどんなゴルファーに向けて設計されたかが、8割方分かるけれど“自分にピッタリ”のアイアンを見つけるための次のポイントはコレだ。
ソール幅｜ヘッドの抜けが変わるから入射角に合わせる!
アスリート向きモデルはソール幅が狭く、激飛びモデルはソール幅が広いという基本的な傾向はありますが、同じくらいのロフトの中だけで比較しても、ソール幅が広いモデルと狭いモデルが存在します。ソール幅が広いモデルは緩やかな入射角のスイングに合い、狭いものは入射角が急なスイングにマッチします。入射角とソール幅がアンマッチだとヘッドの抜けが悪くなるので自分の入射角に合わせてソール幅を選んでください。
構造｜操作性とスイートエリアの広さが変わる
構造は「マッスルバック」「キャビティ」「ポケットキャビティ」「中空」に分けられます。この違いで重心の高さも変化しますが、もっと大きく変化するのがヘッドの慣性モーメントです。慣性モーメントが大きいほどスイートエリアが広くなって曲がりにくくなる半面、球の上下左右の操作性が損なわれます。中空構造はモデルによって差がありますが、4つの構造を慣性モーメントの小さい順で並べると、マッスルバック→キャビティ→中空→ポケットキャビティとなります。
グース｜アドレスの球の位置や手の位置に合わせるのが基本
グースによって球のつかまりも変化しますが、それ以前に、アドレスの球の位置と手の位置に合わせるべきです。球の位置が右足寄りの人やハンドファースト度合いが多い人はグースも大き目、球の位置が左足寄りの人やハンドアァースト度合いが小さい人はグース小さめが基本ですが、実際に構えた時に“しっくり”来るものを選べばOKです。
フェース形状｜打点と球筋に合わせる
フェース形状のポイントは、トップブレードの傾斜とフェースの長さです。傾斜がきついほど球がつかまりやすく、トゥ側のミスヒットに強くなります。傾斜が緩いものはつかまりが控えめでヒール寄りのミスヒットに強くなります。フェースが長いものはヘッドがターンするスピードがゆっくりとなり、短いものはクイックにターンするので、リストワークが大きい人は短いもの、リストワークが小さい人は長いものがマッチします。
せっかくだから、全然違うものというのはNG
アイアンを買い替える際に、今までが難しいものだったから、思い切りやさしいものとか、年々体力も落ちるだろうから思い切り軽いものというように、極端に変えてしまう人を見かけますが、ほとんどの場合「やっぱり合わない」という結果となります。少なくとも今使っているアイアンに馴染んでいるのですから、形状や、操作性、グース度などが大きく変わってしまうと、違和感が大きくなって上手く当たらなくなってしまいます。
球のつかまりを増したいとか、距離を1番手上げたいとか、ミスヒットに強くしたいとか、アイアンを替えて得たい結果にかかわるところは変えて、その他は今使っているものと似たものを選ぶのが失敗しないアイアンの買い替え方です。
解説 & 試打
高橋良明
（たかはし よしあき）1983年生まれ、38歳、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属、ツアーにチャレンジする傍ら、アマチュアのレッスンも行っている。
取材協力／サザンヤードCC（茨城県）
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