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スイングを良くする先生は、強い優勝者たちだ!!Part2「アマチュアもマネ出来るオリンピックメダリストテクニック」

チャンピオンのスイングは真似どころがいっぱい!

2022/01/17 ゴルフサプリ編集部

2021年の7~8月に霞ヶ関CCで1年遅れで開催の2020東京オリンピック。パート2は猛暑中の熱戦を制してメダルを獲得したプレーヤーたちのスイングを公開。大健闘の稲見萌寧をはじめ、世界レベルのテクニックは学ぶところが多いぞ!

GOLF TODAY本誌 No.595 52〜61ページより

オリンピック男子ゴルフのメダリスト。左から銅のC・T・パン(台湾)、金のザンダー・シャウフェレ、銀のローリー・サバティ−ニ(スロバキア)。
オリンピック女子ゴルフのメダリスト。左から銀の稲見萌寧、金のネリー・コルダ、銅のリディア・コー。

ネリー・コルダの金メダリストテクニック

左手のサムダウンでパワー効率を上げるスイング

カラダのどこにも力みがなく、自然体で立っているアドレス。/ダウンスイングの沈み込みが少なく、スムーズな軸回転を生む。/切り返しでお腹を左に回して、下半身リードの動きを促している。
POINT 左手首を小指側に折り、左の前腕部を外旋しながらボールを打ち抜く/タテ方向のリリースでクラブを一気に加速させて振り抜く。

タテ方向へのリリースでクラブを加速させる

かなり完成されていて、とてもいいスイングだと思います。ダウンスイングを見てもカラダの沈み込みが少なくて、軸回転がスムーズ。ネリー・コルダのスイングの特徴的なところは、インパクト時の左手のサムダウンです。左ヒジから先の左前腕部を外旋(自分から見て左側への回旋)しながら、左手の親指を下に向けるように左手首を折り曲げています。

これはタテ方向へのリリースの役目を果たし、クラブヘッドを加速させる上でも有利ですが、インパクトで上体が起きないようにすることが絶対条件です。

ココがマネどころ!!

前傾姿勢をキープし、左手親指を下に向けるイメージでインパクト。ダウンブローに打ちやすく、ラフからのショットではとくに効果的だ。

稲見萌寧の銀メダリストテクニック

ダウンスイングとフォローのクラブの通り道がつねに一定

クラブをスッと上げていく感じのバックスイング。/軸を真っすぐにキープしたまま、背中が目標を向くまで回転する。/POINT 軸が安定していてダウンスイングの軌道がブレない
右カカトがほとんど浮かず、下半身の動きが静かだからインパクトが正確。/POINT フォロースルーがダウンスイングの軌道と左右対称/クラブをカラダに巻きつけるように腕を大きく振って遠心力を引き出している。

軸がブレないから左右対称形で振れて方向安定性が高い

稲見萌寧選手はドライバーからアイアンまで、クラブをスッと上げて、スッと下ろすという感じのスイングです。タテやヨコへの移動が少なくて、構えた位置のままカラダをクルッと回しています。下半身の動きも小さく、スイング中の骨盤のポジションもほとんど変わらない。飛距離追求より、方向性重視型のスイングといえます。あれだけ曲がらない球が打てるのは、ダウンスイングとフォロースルーの軌道が左右対称形のようにきれいに重なっているから。軸をキープする意識が誰よりも高い証でしょう。

ココがマネどころ!!

ダウンスイングとフォロースルーの軌道が左右対称になればインパクトゾーンが整う。この感じをつかむには連続素振りが効果的。

リディア・コーの銅メダリストテクニック

ダウンスイングでクラブの重さを利用して振り下ろす

アドレスの姿勢からお腹を右に回して、トップへとクラブを導いていく。/POINT 切り返しで脱力し、クラブと右ヒジを真下に落とすイメージ
POINT クラブが理想的な軌道に乗ってオンプレーンに振り下ろせる/オンプレーンだからフォロースルーの軌道も一定する。

切り返しで余分な力を抜いてオンプレーンに振る

リディア・コーはまだ24歳の若さですが、元世界ランク1位の実績豊富なプレーヤーです。スイングの特徴としては、トップからダウンスイングへの切り返しで力が抜けること。クラブの重さを利用して、真下にストンと落としてくる感覚です。

切り返しで余分な力が入りやすいのはプロたちも一緒で、切り返しの際はクラブの重さが感じられるくらいに上体をラクにしてオンプレーンに振り下ろすことを重視します。切り返しで力んで右肩が前に出やすい人は、右ヒジを真下に落とすくらいのイメージで振り下ろしましょう。

ココがマネどころ!!

トップから一瞬脱力させてクラブを真下に落とす。切り返しで力んで右肩が前に突っ込みやすい人は取り入れてみよう。

ザンダー・シャウフェレの金メダリストテクニック

カラダを沈み込ませながら回転するバランス感覚に注目

背中が目標を指すまで上体を大きく回し、飛ばしのパワーを溜めている。/POINT ダウンスイングの始動は「シットダウン」。両ヒザを軽く曲げて腰を落とすような形だ。
POINT 両ヒザを徐々に伸ばし、腰の回転スピードを上げてクラブヘッドを走らせる/ハンマー投げのような大きなフォロースルーでロングショットを放つ。

切り返しではお尻を少し落とすシットダウンが必要

ザンダー・シャウフェレは身長が178センチと小柄とはいえ、ドライバーの飛距離は300ヤード越え。その秘訣はダウンスイングでカラダが沈み込みながら、左へとシャープに回転していることです。タテの動きとヨコの動きのバランスが絶品です。

切り返しで両ヒザを軽く曲げて、ややガニ股の姿勢となり、高いイスに腰掛けるようにお尻を少し落としている点に注目してください。コレを俗に「シットダウン」といいますが、インパクトで両ヒザを伸ばしながら腰を高速回転させるための準備として欠かせない動きなのです。

ココがマネどころ!!

ダウンスイングでお尻を少し落として、ヒザを伸ばしながらカラダを高速回転させるイメージ。ロングヒッターに多く見られる動きだ。

オリンピックメダリスト

ネリー・コルダ
(アメリカ)
1998年7月28日生まれ、米国フロリダ出身。178㎝。2021年の全米女子プロでメジャー初優勝を飾り、初の世界ランキング1位。米ツアー通算6勝。

稲見萌寧
いなみ・もね(都築電気)
1999年7月29日生まれ、東京都出身。166㎝。2021年の日本女子プロ選手権など20~21年統合シーズンで9勝。最後まで賞金女王レースをリードした。

リディア・コー
(ニュージーランド)
1997年4月24日生まれ、ニュージーランド出身。168㎝。2015年のザ・エビアン選手権などメジャー2勝を含む米ツアー通算16勝をあげている。

ザンダー・シャウフェレ
(アメリカ)
1993年10月25日生まれ、米国カリフォルニア州出身。178㎝、75㎏。2020東京オリンピックでは米ツアー通算4勝の実力を発揮し、金メダルを獲得。

スイング解説

大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディもつとめる。21年の宮里藍サントリーレディスオープンで青木の4年振りの優勝に貢献。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、幅広く活躍中。

取材トーナメント/日本女子オープン、ZOZOチャンピオンシップ、2020東京オリンピック

*選手のプロフィール中のデータは11/22現在です。


チャンピオンのスイングは真似どころがいっぱいい!

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