スイングを良くする先生は、強い優勝者たちだ!!Part2「アマチュアもマネ出来るオリンピックメダリストテクニック」
チャンピオンのスイングは真似どころがいっぱい!
2021年の7~8月に霞ヶ関CCで1年遅れで開催の2020東京オリンピック。パート2は猛暑中の熱戦を制してメダルを獲得したプレーヤーたちのスイングを公開。大健闘の稲見萌寧をはじめ、世界レベルのテクニックは学ぶところが多いぞ!
GOLF TODAY本誌 No.595 52〜61ページより
ネリー・コルダの金メダリストテクニック
左手のサムダウンでパワー効率を上げるスイング
タテ方向へのリリースでクラブを加速させる
かなり完成されていて、とてもいいスイングだと思います。ダウンスイングを見てもカラダの沈み込みが少なくて、軸回転がスムーズ。ネリー・コルダのスイングの特徴的なところは、インパクト時の左手のサムダウンです。左ヒジから先の左前腕部を外旋(自分から見て左側への回旋)しながら、左手の親指を下に向けるように左手首を折り曲げています。
これはタテ方向へのリリースの役目を果たし、クラブヘッドを加速させる上でも有利ですが、インパクトで上体が起きないようにすることが絶対条件です。
ココがマネどころ!!
稲見萌寧の銀メダリストテクニック
ダウンスイングとフォローのクラブの通り道がつねに一定
軸がブレないから左右対称形で振れて方向安定性が高い
稲見萌寧選手はドライバーからアイアンまで、クラブをスッと上げて、スッと下ろすという感じのスイングです。タテやヨコへの移動が少なくて、構えた位置のままカラダをクルッと回しています。下半身の動きも小さく、スイング中の骨盤のポジションもほとんど変わらない。飛距離追求より、方向性重視型のスイングといえます。あれだけ曲がらない球が打てるのは、ダウンスイングとフォロースルーの軌道が左右対称形のようにきれいに重なっているから。軸をキープする意識が誰よりも高い証でしょう。
ココがマネどころ!!
リディア・コーの銅メダリストテクニック
ダウンスイングでクラブの重さを利用して振り下ろす
切り返しで余分な力を抜いてオンプレーンに振る
リディア・コーはまだ24歳の若さですが、元世界ランク1位の実績豊富なプレーヤーです。スイングの特徴としては、トップからダウンスイングへの切り返しで力が抜けること。クラブの重さを利用して、真下にストンと落としてくる感覚です。
切り返しで余分な力が入りやすいのはプロたちも一緒で、切り返しの際はクラブの重さが感じられるくらいに上体をラクにしてオンプレーンに振り下ろすことを重視します。切り返しで力んで右肩が前に出やすい人は、右ヒジを真下に落とすくらいのイメージで振り下ろしましょう。
ココがマネどころ!!
ザンダー・シャウフェレの金メダリストテクニック
カラダを沈み込ませながら回転するバランス感覚に注目
切り返しではお尻を少し落とすシットダウンが必要
ザンダー・シャウフェレは身長が178センチと小柄とはいえ、ドライバーの飛距離は300ヤード越え。その秘訣はダウンスイングでカラダが沈み込みながら、左へとシャープに回転していることです。タテの動きとヨコの動きのバランスが絶品です。
切り返しで両ヒザを軽く曲げて、ややガニ股の姿勢となり、高いイスに腰掛けるようにお尻を少し落としている点に注目してください。コレを俗に「シットダウン」といいますが、インパクトで両ヒザを伸ばしながら腰を高速回転させるための準備として欠かせない動きなのです。
ココがマネどころ!!
オリンピックメダリスト
ネリー・コルダ
(アメリカ)
1998年7月28日生まれ、米国フロリダ出身。178㎝。2021年の全米女子プロでメジャー初優勝を飾り、初の世界ランキング1位。米ツアー通算6勝。
稲見萌寧
いなみ・もね(都築電気)
1999年7月29日生まれ、東京都出身。166㎝。2021年の日本女子プロ選手権など20~21年統合シーズンで9勝。最後まで賞金女王レースをリードした。
リディア・コー
(ニュージーランド)
1997年4月24日生まれ、ニュージーランド出身。168㎝。2015年のザ・エビアン選手権などメジャー2勝を含む米ツアー通算16勝をあげている。
ザンダー・シャウフェレ
(アメリカ)
1993年10月25日生まれ、米国カリフォルニア州出身。178㎝、75㎏。2020東京オリンピックでは米ツアー通算4勝の実力を発揮し、金メダルを獲得。
スイング解説
大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチ兼キャディもつとめる。21年の宮里藍サントリーレディスオープンで青木の4年振りの優勝に貢献。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、幅広く活躍中。
取材トーナメント/日本女子オープン、ZOZOチャンピオンシップ、2020東京オリンピック
*選手のプロフィール中のデータは11/22現在です。
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