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初めての競技ゴルフ。“パブ選”に挑戦する「金無いのにゴルフやってるオヤジ」

金無いのにゴルフやってるオヤジのはなし 第10話

2022/05/31 ゴルフサプリ編集部 金無いのにゴルフやってるオヤジ

ゴルフ

前回の記事で、25歳でゴルフを始めて、生涯通算11ラウンド目に9本のクラブで、初の100切りを達成した話を書きました。その3ラウンド後に全日本パブリックアマチュアゴルフ選手権(現、全日本アマチュアゴルファーズ選手権)の東日本地区予選に出場します。今回は、その無謀なラウンドを振り返ってみたいと思います。

「金無いのにゴルフやってるオヤジ」とは?

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ゴルフボール

通算11ラウンド目に100切りを達成したころです。年間ラウンド数は少ないものの、どうすればいいスコアを出せるかを考え、練習して、100切りを達成することができました。以前に書いたように、運動音痴かつ非力だったために小学生でスポーツを諦めた私にとって、ゴルフは、これまでの人生で一番真面目に取り組んだスポーツでした。

そして、ここまで頑張ったのだから、一度は、真面目にスポーツとして取り組んでいる人たちの中で戦ってみたいという気持ちが湧いてきました。ゴルフコースの会員権を持っている方なら、月例という競技があります。しかし、このころ、1990年代後半は、まだ、バブルの雰囲気が色濃く残っていて、首都圏の普通のゴルフコースでも会員権は数百万円という時代でしたので、金銭的に少々余裕があった独身時代でも会員権購入は不可能でした。

なにか良い競技はないかと探していると、全日本パブリックアマチュアゴルフ選手権(現、全日本アマチュアゴルファーズ選手権)という大会を見つけました。
通称、パブリック選手権と言っていましたが、パブリックというだけあって、誰でも参加できます。ただし、出場資格に「ハンディキャップは20.0程度までが望ましい」という文言がありました。

出場の申し込みの際、公式のハンディキャップの申告は必須ではありませんが、ハンディキャップ20の実力と言うと、Par72に20打足して、92打で回ってくる実力は付けてきてくださいねということになります。とは言っても、ゴルフのスコアは波があるので、日ごろ92打で回れる実力があっても、調子悪ければ100を超えることは普通にあるでしょう。
よって、私が予選で100を切りさえすれば、「あんた、なんでここにいるの?」と思われることはないだろうと考えました。

予選通過するなどということはとうてい不可能ですが、目標はズバリ、「人並みに戦う、ビリにはならない」というものでした。低いレベルの目標だなと思われるかもしれませんが、第1話で書いたような運動音痴&非力な人間からすれば、ゴルフに真面目に取り組んでいる人たちの中で、人並みに戦うことができれば、それだけでも大きな成果であると考えていました。

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パブリック選手権に向け、クラブを拡充する

ゴルフ

前回書いたように100切りを達成したときのクラブセッティングは、

ウッドは、3W(ヘッドカバーは「1」)
アイアンは、6~9I、PW、AW、SW
あとパター(WOSS)

の9本で、さすがにこのままパブリック選手権に行くのはまずいと、徐々にクラブを増やしていきました。

まず、通算12ラウンド目に、ノンブランドの3Wと同じシリーズの5Wを導入します。この5Wは私との相性が良く、すぐに得意なクラブになり、180ヤードの飛距離を手に入れます。そして、このラウンドでも100切りを達成します。

さらに、通算13ラウンド目に、ついにドライバーを導入しました。PRGRの通称「銀チタン」と言われたType-252というクラブで、ロフト12°、シャフトはM-37という非力な人向けセッティングです。このクラブも比較的、相性が良く、210ヤードの飛距離を手に入れました。そして、このラウンドでも100切りを達成したのです。

こうして、3連続の100切りのラウンドを経て、

ウッドは、1W、3W、5W
アイアンは、3~9I、PW、AW、SW
あとパター(WOSS)

の14本のクラブセッティングが完了しました。3Wと3~5Iはティーショット専用で実質10本ですが、辛うじて、パブリック選手権に出場する格好がつきました。

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いよいよ予選当日

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初の100切りしたラウンドから8ヶ月後、パブリック選手権の予選会場である千葉県のゴルフ場に、スタート2時間前に到着しました。練習ラウンドなどはしていない、まったく初見のコースになります。到着すると、まずは練習場で球を打ち、その後、練習グリーンでパッティングの調整をします。

私の組は、明らかに予選通過狙っている雰囲気の40代と思われるおじさんと、地元の高校のゴルフ部2人でした。挨拶もそこそこにいよいよ緊張の初公式戦がスタートしたのです。スタートホールはダボ。いつもと代り映えしません。2番ホールは池絡みの短いPar3です。

他の3人の後に、私が8番アイアンでディーショットしました。ピンはグリーンセンターから少し左の位置。安全にグリーンのセンターを狙ったショットは、狙いよりは右に出て、ピン右8メートルにオン。バーディーパットは明らかなフックラインで、とりあえずカップに寄せようと1.5メートルくらい右を狙って打ち出しました。

打つと同時に、マークすべく歩きだしましたが、ボールは大きく左に切れながらカップに近づき、最後のひと転がりで、コロンとカップに入ってしまったのです。「ナイスバーディー!」と他の3人から声を掛けて貰いました。まさか入るとは思わなかったよと動揺しつつ、下手なのがバレないように、「どもっ!」と平静を装い、答えました。

続くロングホールはオナーとなり、ティーショットをフェアウェイ右に飛ばします。そこから5Wでセカンドショットを打ちました。このセカンドも少々右に出ました。目の前が土手のように盛り上がっていて、ボールの落ち際までは見えませんでしたが、右の林よりは明らかに内側に飛んで行ったので、問題は無いだろうと前に進みました。

他の3人は左のフェアウェイ、または、ラフからサードショットを打っています。しかし、右側にあるはずの私のボールが無いのです。他の3人がグリーンに向かって歩き出したので、必死に、「すみません!私のボールがまだ見つかっていないんです!」と叫ぶと、おじさんが、「あれじゃないの?」と指をさします。

その方向を見ると、ピンまで40ヤードくらいのフェアウェイに、ボールが一つあります。駆け寄って見てみると、はたして私が付けた印があるボールでした。ドライバーと5W合わせて390ヤードしか飛ばないのに、バックティーからのロングホールで、第2打がここまで来るのは超常現象としか思えませんでしたが、確かに私のボールです。

とにかくそれをAWで打つと、ピン手前50センチにナイスオン。WOSSで慎重に沈めて、連続バーディーとし、イーブンパーに戻したのです。その後、残りの6ホールも5オーバーでまとめ、前半を41という信じられないようなベストハーフで回って来たのです。

勝負の後半とさらなる挑戦

ゴルフ

午後のスタートを待っているときです。明らかに予選通過を狙っているおじさんが、「いつもどれくらいで回るの?」と聞いてきました。さすがに3ラウンド前に初めて100切りましたとは言えず、「今日は調子がいいくらいです。」と答えました。すると、「後半、40切れば通るよ。」と、頑張れば東日本地区の決勝に進めるというのです。

しかし、後半はスタートでトリプルボギーを叩いて夢も希望も無くなり、その後もダボペースと、本来の馬脚を露わしてしまいました。終わってみれば後半54で、結果、41・54の95でした。同じ組の高校生の1人が96だったので、「人並みに戦う、ビリにはならない」という当初の目標は達成することはできました。

しかし、前半、神がかっていたとはいえ、あれだけいいスコアが出たのだから、せめて90切りはしたかったなと思いました。そんな忸怩たる思いで、もたもたとロッカーで帰りの支度をしていると、96のスコアだった高校生が帰りがけに私に駆け寄り、「おつかれさまです。次は一つ上で戦いましょう!」と声を掛けてきたのでした。スポーツマンらしいさわやかな対応に感動しつつ、「そうですね。お互い頑張りましょう」と言って、お別れしたのです。

翌年のパブリック選手権は、過去にラウンドしたことがある静岡県のコースを選択して、予選に参戦しました。このときは、まったく神がかり的ではなく、いつも通りのラウンドで、途中左足下がりで、15センチくらい手前をダフり、空振りするという失態もします(マーカーの方は素振りと思ったそうですが、自己申告してスコアにカウントしました)。

結果、トータル94で、前年よりスコアを一つ縮めましたが、予選通過にははるかに及びませんでした。あの高校生は予選を通過したのだろうかと思いつつ、その後、以前に書きましたように結婚して金が無くなり、ゴルフをやめることになりました。

復帰後、いまだに公式戦には参戦していませんが、70台でラウンドできる上級者になったら、再び、同じ場所で戦ってみたいと思っています。




金無いのにゴルフやってるオヤジ

金無いのにゴルフやってるオヤジ(ペンネーム)
東京都在住の50代のおっさんです。25歳からゴルフを始め、現在はスコア100前後のアベレージゴルファーです。金は無いですが、70台でラウンドできる上級者になるべく、ゴルフを頑張っています。「金無いのにゴルフやってるオヤジの日記」というブログもやっています。こちらもご興味があれば覗いてみてください。


【金無いのにゴルフやってるオヤジのはなし】

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