尖りまくった飛距離性能はそのままに、間違いなくやさしくなった!「ステルス2 プラス」ドライバー
クラブフィッターでクラフトマン・小倉勇人の試打レポートVol.8
ラブフィッターでクラフトマンのゴルフライターの小倉勇人(通称:おぐさん)が、巷で話題の最新モデルや人気クラブを試打レポートします。今回レポートするのは、飛距離性能はそのままにミスに強くなって帰ってきた「ステルス2 プラス」ドライバー!
写真/ゴルフサプリ編集部
プロのために作られたカーボンフェースドライバー!
テーラーメイドは、ワールドワイドに展開するブランドには3つのモデルを用意し、それぞれアベレージゴルファー、中上級者、ツアープロというように、主となるターゲットに向けた専用設計をしています。
「ステルス」シリーズでは、従来とは異なったカーボンフェースを採用したということもあり、最大の宣伝材料であるツアープロに使ってもらえなくなるリスクを考えたのか、シリーズ全体がかなりアスリートやプロを意識した設計になっていました。
そんなシリーズの中で主なターゲットがツアープロである「ステルス プラス」ドライバーは、世界のトップランカーがフルスイングしても過度なスピンが入らないハードな仕様でした。
高い打ち出し角を確保できれば驚異的な飛距離性能を発揮する反面、つかまりがかなり抑えられており、手練れでなければ性能を発揮するのが難しいモデルでした。特につかまり性能は抑えられており、左のミスを軽減したいゴルファーでさえ、気を抜くと右に滑ってしまうこともあるすごく尖ったモデルだったのです。
そんな評価を受けてモデルチェンジをした「ステルス2 プラス」ドライバーは、さらに進化したカーボンフェースを採用し、その驚異的な飛距離性能はそのままに、ある程度のゴルファーでも使えるようなミスへの強さを手に入れてかえってきました。
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打点のミスに強くなり、各段に扱いやすくなった
「ステルス2 プラス」ドライバーは、前作にも搭載されていた重心距離を変えることでつかまり性能を調整できる可変ウェイトを引き続き搭載しており、ある程度はユーザーがつかまりを調整できるようになっています。
それでも初代ステルスは、つかまり調整幅をつかまる方向に最大に振っても“やや逃げ”くらいで、無理してつかまえに行くと最初から左へ飛び出すようなピーキーさがありました。
しかし、2代目はライ角を54度と前作より2度フラットにし、さらにつかまる性能を抑えたような変更がありながら、ピーキーさがかなり軽減され、安定したヘッド挙動になりました。
さらに、テーラーメイドが「ホットゾーン」と呼ぶ、ミスに強いエリアがかなり広くなり、初代ではペラペラのスライス球になりそうなショットも、距離の出るフェードくらいに収まります。
正直これなら使えるかも!?と、ちょっと思いました。それくらいミスに強く、扱いやすく進化しています。
それでもやっぱりプラス!一発の飛びを狙うならもちろんあり!
ミスに強くなり、安定して飛ばせる要素が格段に高まった「ステルス2 プラス」ドライバー。
それでもやっぱりターゲットはアスリートであり、安定して性能を出すにはそれなりのヘッドスピードと、ボールをつかまえる技術が必要です。
日本のツアープロでは、男子プロより女子プロの中に使用している選手が目立ちます。これは、かなりのアッパー軌道で打ち、自身のスイングで高さを確保することで効率よく飛距離を出せるからです。
しかし、それには芝から打つクラブとかなり異なったスイングをする必要があり、それなりの練習量が必要になります。男子プロがそれをしないのは、もともと自身で飛ばせるパワーを持っているので、そこまでリスクを背負う必要がないからでしょう。
もともと絶対的飛距離が小さく、多少曲がってもリスクが小さい女子プロならではの選択なのです。
かなりやさしくなったとはいえ、われわれアマチュアが使うにはそれなりに覚悟がいるモデル。ですが、今までにない飛距離を手にすることができるかもしれない、夢とロマンが詰まっているのが「ステルス2 プラス」ドライバーです。
■オグさん(小倉勇人・おぐら はやと)
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。
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