キャディバッグは誰のもの?キャディバッグの重要度がどんどん上がる現代

キャディバッグは20世紀の中頃、ゴルフクラブが量産されるようになって一人が使うクラブの本数が一気に増えたため、キャディがクラブを運びやすいように急激に進化しました。それから約1世紀が過ぎて、この国では改めてキャディバッグが脚光を浴びています。

令和のゴルフブームで若いゴルファーが激増し、コストパフォーマンスがいいコースは彼らで一杯です。新しいゴルファーには新しい価値観や優先順位があります。その特徴のひとつとして面白いのが、キャディバッグへのこだわりです。

1本5万円を越えるドライバーにビックリしているのに、彼らはそのシーズンに着るゴルフウェアに躊躇なく5万円使えます。形から入るというときの分野というか、入り口とかが昔とは違うわけです。最初の用具はとにかく予算内で揃えますが、余裕が出てきたら、早い段階でキャディーバッグを買い替えます。ツアーバッグとか、レプリカモデルみたいな高額なバッグを好む傾向があるのです。

ゴルフウェアの紹介画像などで小道具として大きなキャディバッグが写り込んでいて、それに影響されるという説がありました。しかし若い女性ゴルファーに聞くと、街中でピックアップしてもらう瞬間からゴルフは始まっていて、自分のコーディネートの中にキャディバッグも含まれるから、『映えるバッグ』にしたいという意見だったのです。

モテるキャディバッグ、上手く見えるキャディバッグ…都市伝説を追求する!

若者ゴルファーのキャディバッグなんてどうでもいい、という声も聞こえてきますが、ゴルフ業界はすでに対応しています。ゴルフメーカーのキャディバッグのラインアップを確認すれば、一目瞭然です。

ツアーバッグタイプや、レプリカモデルのキャディバッグが激増しています。5年前と比較すれば、各メーカーのラインアップが2倍どころか3倍、4倍になっているのです。他人事ではなく、市場が反応していることは単なる噂ではなく、現実だという証拠です。

若者ゴルファーのキャディバッグの好みが昔と変わった理由は、他にもあります。令和になる直前から、中古市場でもキャディバッグが扱われるようになったからです。

安価なキャディバッグは、表面の素材が加水分解などによって数年で劣化し始めてボロボロになります。しかしツアーバックやレプリカモデルは、劣化しづらい素材を使っているので、数年程度では新品同様だったりするのです。中古として流通したそれらのバッグを、若者ゴルファーが買うのです。

仲間内で最もゴルフ歴の長い、リーダー的な人が持っているキャディバッグも注目されます。この流れは古今東西、不変でしょう。

白いキャディバッグはモテる!?

昭和が染み込んでいるオールドゴルファーの間でも、トレンドに敏感な人たちの間では「白いキャディバッグは、モテるアイテムである!」という都市伝説が広がりつつあります。

これはキャディたちの、「白ベースのバッグのお客様はゴルフをよく知っていて、やさしいゴルファーが多い」「担当するバッグを積み込む際、白ベースのバッグが多ければラッキー!モチベーションが上がる」という複数の証言が元ネタです。

約10年前から僕も取材をして、あちこちに書いています。書くたびに、周囲の中高年ゴルファーのキャディバッグが白っぽくなっていくのです。キャディやスタッフに好かれたいという気持ちは、バカにできない大切なモノなのです。

ワンランク上のゴルファーになる神話は、ゴルファーを試す伝説になる!

キャディバッグで最も古い都市伝説というか神話は、ベテランゴルファーや上級者はキャディバッグのフードを使わない、というものです。僕の周囲でも確実にその傾向があったので、約40年前からフードは背袋にしまってゴルフをしてきました。

そもそもキャディバッグにはフードはありませんでした。雨除けとして誕生して、近年になってから配送する際の蓋としてフードは進化したというのが歴史なのです。配送するとき以外は意味がないので、取り外しができるようになっているわけです。

周囲を見渡してみればわかるでしょうが、上級者と認められているゴルファーに、フードをしている人はほとんどいないはずです。しかし、その理由を説明できる人はほぼゼロです。昔からの慣習という、まさにゴルフ神話だったのです。

神話の理由が明らかに…!

最近になってその理由がわかりました。フードを取り外すのは簡単な作業に見えますが、日の出ゴルフで自らキャディバッグを積み込みむ際、悪戦苦闘している人がたくさんいるのを目撃したからです。フードは、邪魔なのです。

コースのスタッフもバッグをカートに積み込むとき、フードを外したり一部残して折ったり、とにかくフードを処理する時間を取られています。挙げ句には、留め具が壊れたとかフードが傷付いたとか、クレームを入れる人もいます。踏んだり蹴ったりです。

フードレスのキャディバッグのゴルファーは、それだけで十分にいいお客様なのです。”ゴルフを知っている”と思われますし、悪い印象を持たれるわけはありません。キャディバッグのフードを外すことのメリットは、連鎖して強力になります。

今すぐにでも実行できます。フードを外して、背袋にしまって、コースに行きましょう

ついでに、キャディバッグのカラーやタイプなどを見直すのもオススメです。モテるゴルファーになろうとする努力は、多くの場合で予想以上に効果があるので、やめられません。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

第65回(前回)へ 第67回(次回)へ

シリーズ一覧