ラウンド中の電話は大迷惑?スマホをコースに持ち込むのはマナー違反?電話とゴルフの新常識に向き合う
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第67回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
スマホをコースに携帯することを奨励しているコースもあり、時代は変わりつつある!
「スマートフォンをコース内に持ち込むことを禁止します」という張り紙を見ることがあります。マナー違反の例として、ゴルフ中に通話している人のイラストに大きな「×」がついている張り紙などを見たゴルファーも多いと思います。
しかし、逆に「コース内にスマホを携帯することを奨励しています!」というゴルフコースが増えているのです。この流れは年々大きくなっていて、2023年時点では持ち込みOKのコースのほうが過半数になった、と僕は肌感覚で感じています。
スマホをコースに持ち込むメリットは、緊急連絡ができることです。事故が起きたときやカートが故障したとき、忘れ物をしてしまったとき、前後の組でトラブルがあったとき、コースに異常な状態が発生したときなどにスマホでコースに連絡ができます。
持ち込みOKとなった背景
かつては、カートに緊急連絡用の無線が搭載されていた時代がありました。すでに携帯電話は普及していましたが、ゴルフコースの多くは電波が届かない圏外だったからです。通話可能のエリアが広がっていく中で、無線を維持するのが大きな負担になっていたコースが、個別の携帯電話で連絡してもらえればいいのでは?と考え始めたのです。
僕は年に数回、コース内から電話連絡をすることがあります。「今6番ホールなんですけど、旗竿の旗を止めるネジが外れていて、旗が抜けちゃうから止めたほうがいいですよ」というような連絡のときもありますし、「前の組の赤いシャツのオジさん、シューズが新しいみたいで彼の動線上の芝生に擦り傷が続いているので、注意したほうがいいと思います」というようなときもありました。
連絡手段がない場合、トラブルに遭ったら応援を呼びに行ったりしなけれななりません。自分たちも大変ですが、後続の全ての組に迷惑がかかります。でも、スマホがあれば連絡はすぐにできます。時代は変わってきているのです。
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