スマホをコースに携帯することを奨励しているコースもあり、時代は変わりつつある!

「スマートフォンをコース内に持ち込むことを禁止します」という張り紙を見ることがあります。マナー違反の例として、ゴルフ中に通話している人のイラストに大きな「×」がついている張り紙などを見たゴルファーも多いと思います。

しかし、逆に「コース内にスマホを携帯することを奨励しています!」というゴルフコースが増えているのです。この流れは年々大きくなっていて、2023年時点では持ち込みOKのコースのほうが過半数になった、と僕は肌感覚で感じています。

スマホをコースに持ち込むメリットは、緊急連絡ができることです。事故が起きたときやカートが故障したとき、忘れ物をしてしまったとき、前後の組でトラブルがあったとき、コースに異常な状態が発生したときなどにスマホでコースに連絡ができます。

持ち込みOKとなった背景

かつては、カートに緊急連絡用の無線が搭載されていた時代がありました。すでに携帯電話は普及していましたが、ゴルフコースの多くは電波が届かない圏外だったからです。通話可能のエリアが広がっていく中で、無線を維持するのが大きな負担になっていたコースが、個別の携帯電話で連絡してもらえればいいのでは?と考え始めたのです。

僕は年に数回、コース内から電話連絡をすることがあります。「今6番ホールなんですけど、旗竿の旗を止めるネジが外れていて、旗が抜けちゃうから止めたほうがいいですよ」というような連絡のときもありますし、「前の組の赤いシャツのオジさん、シューズが新しいみたいで彼の動線上の芝生に擦り傷が続いているので、注意したほうがいいと思います」というようなときもありました。

連絡手段がない場合、トラブルに遭ったら応援を呼びに行ったりしなけれななりません。自分たちも大変ですが、後続の全ての組に迷惑がかかります。でも、スマホがあれば連絡はすぐにできます。時代は変わってきているのです。

どうしてゴルフと電話の相性が悪かったのか?知らないと失敗の原因に!

「便利だからこそ、自己中心的な立ち振る舞いがあると困るのです」
スマホはロッカーか貴重品ボックスに置いて、コースには持ち込まないという決まりのコースのスタッフは、そんなふうに言います。

新常識には大前提があります。

新常識の大前提

  • コース内においてスマホは緊急連絡用。基本的には機内モードなどにして、着信しないようにする
  • 着信しても電話に出ないことを徹底する

頑なに携帯電話をコース内から排除するようになったのは、電話の着信音が鳴り響いて他のプレーヤーの邪魔になったり、電話に出て会話している声が邪魔になったり、その人の通話が終わるまでは打てないので、みんなが待たされてスロープレーになったりと、とにかく大迷惑になるからなのです。

自分はサッと通話できるからスロープレーになっていないと思っている人は、100%勘違いです。時計を見ながらやってみればわかりますが、相手の話を聞いている時間だけでもあっという間に1分を越えます。自分の話すターンの時間は、もっと長くなるものです。2分以上あなたの通話が終わるのをただ待つのは、本当に無駄な時間です。

仕事だから、と平気で通話をする人がいますが、言語道断です。どんなに立派な仕事でも、無関係の他者に我慢を強いることを正当化する理由にはなりません。理由にかかわらず、マナー違反は絶対にしないのが、ゴルフにおける最低限の正義だということを忘れないでください

スマホは昔の携帯電話とは違って、通話以外の機能がメインのアイテムです。その内のいくつかは、ゴルフをより楽しむために不可欠だったりします。プレー中に通話はしない、ということを徹底できなければ、せっかくの楽しみも禁止されてしまいます。

スマホをフル活用してゴルフを楽しむのが、令和のゴルフの醍醐味!

スコア管理、GPSを使用したホールパス(ホールのどこにボールが行ったか)の記録、スイング動画撮影、仲間とのラウンドシーンの撮影、ライブ配信など、スロープレーにならないように注意しつつ、通話以外でスマホを使ってゴルフをより楽しみ、向上させるハウツーは増える一方だといわれています。

こういう楽しみ方が慣習になれば、スマホを持ち込めないゴルフコースでのプレーは面白みに欠けます。

スマホの持ち込みを奨励するか容認するか、という方向にこの国のゴルフコースは流れていくようですが、100%になる日はまだまだ先です。スマホが持ち込めないことがストレスになってしまうのであれば、禁止しているコースには行かないことです。コースを選ぶことができるのも、ゴルフの魅力の一つです。

スマホを使ってゴルフを楽しむ時代は始まっています。それをゴルフにおいて当たり前にできるかどうかは今、ゴルフをしている僕らに託されています

ゴルフをしながらスマホを操作することで他者を待たせるスロープレーは、絶対にしないこと。それがスマホとゴルフの明るい未来に繋がっていくのです。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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