『ジェネム WG GTX ボア』は、近未来から送り込まれた秘密のスパイクレスシューズ?

ミズノは、『ジェネム WG GTX ボア』を2023年4月14日に発売した。『ジェネム』シリーズの中でも、3年振りのスパイクレスタイプだ。コピーは、“よし『GENEM』履こう。”と、“進化したGENEMのスパイクレスシューズ。GENEMを愛する全ての人へ”である。

今回のシューズはフラッグシップモデルであるが、注意してほしい点がある。ワイズが4Eのみなのだ。3Eの人が確認しないで購入することのないように注意してほしい。

『ジェネム WG GTX ボア』は、ミズノのテクノロジーを詰め込んだシューズである。一昨年まで競技別にシューズ開発していた体制を見直し、他の競技で培ったテクノロジーを貪欲に相互利用していく体制になった影響が思いっ切り前面に出たゴルフシューズだ。

まず第一に、全く新しいソールになった。素材と構造を変えて4パーツになっていて、中央前部を樹脂系の素材で作り、つま先、後方の内側、後方の外側はゴム素材だ。スイング時の体重移動を分析し、グリップ力をより向上させた。アウトソール部分には「Wgrip」という新ラバー素材を採用し、濡れた状態でのグリップ力を約33%アップさせている。

ミッドソールとインソールに、ミズノ史上最高のシューズ用高反発素材である「MIZUNO ENERZY」を搭載。このテクノロジーは、他の種目のシューズでも大評判になっているので期待が高まる。

ソールの形状をフレア構造にして、下側が広がった形になった。これはほんの少しの差でも実感できる部分なので、楽しみである。

『ジェネム WG GTX ボア』のアッパーには「GORE-TEX」を採用しており、かつ、サスティナブルな素材も採用したという。その雰囲気を出すためにも、アースカラーなのだと推測できる。結果として、ミズノのゴルフシューズっぽさが一新されたようで興味深い。

さて、ではいよいよコースで履いてみよう

歴代の『ジェネム』のほとんどを履いてきたので、誰よりも『ジェネム』を知っていて、愛してきたという自覚もある。『ジェネム WG GTX ボア』で、新しいジェネムの歴史が始まりそうだとワクワクしながらのテストラウンドがスタートした。

高機能すぎて未体験な感覚の『ジェネム WG GTX ボア』はスコアアップのために履け!

『ジェネム WG GTX ボア』はまず、質感が面白い。グレー×ネイビーを選択したので、余計に近未来感を感じさせる。アースカラーという表現は古いかもしれないが、まさにそんな感じなのだ。履く、脱ぐ、というときに開口部はしっかりと開き、脱着にストレスがない。

足を入れてBOAを締めると、驚くことがある。インソールまで含めて、360度全方向から締め付けを感じるのだ。足の裏はシューズと一体になった感じで、全く動かない。これはゴルフシュースの機能として飛距離にも方向性にも影響するので、大きなプラスである。

締め付けはあるが、ミズノのシューズとしてはかなりやわらかい履き心地である。これは、アッパーのメッシュっぽい表面加工がストレッチしているからだと感じた。

歩いてみて、再び驚く。凄い反発性能で、フワフワする感触は未経験だった。強いて強く踏み込んだり段差から降りたりしたが、衝撃吸収能力も異常と感じるほどだ。

それでいて、足を前に前に進ませようとする機能も働く。数歩歩いただけで、歩行性能は完璧だと思った。ちなみに、ラウンドの足の疲れも信じられないほど楽だった。

ラウンド中の使用感は?

ラウンドがスタートしスイングしてみたが、これが大変だった。ソールの反発性能と吸収性能でフワフワしているので、本能的に強く踏み込めずに2ホールは苦労した。

しかし、アドレスから遠慮なしに地面を掴んでいるイメージで構えられることがわかれば、自然とアジャストしていく。結果としてスパイクのグリップ力と、中で足が動かないことが合わさって、しっかりと飛ばすことができるシューズとして確認できた

さらに、朝露で濡れながらスタートしたのだが、ミズノのゴルフジュースの防水性能はピカイチだということを『ジェネム WG GTX ボア』は、改めて証明してくれた。

ひと口に防水といってもいろいろな基準があるため、縫い目から滲むように水が入っててきて、脱いだときに部分的に濡れている箇所があるものだと諦めているゴルファーもいる。しかし、『ジェネム WG GTX ボア』は、シューズの中に滲む水すらなかった

見た目はやわらかい雰囲気のシューズだが、実際はスコアアップさせるための機能に溢れた本格派に仕上がっている。そして、その高い性能にうれしい違和感すら感じさせる、近未来ゴルフシューズだ。

4Eでかつ、高機能のシューズがほしいゴルファーに『ジェネム WG GTX ボア』はオススメである。個人的な話だが数ホールプレーしただけで、エースシューズに決定したことも書いておこう。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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