生溝と軟鉄鍛造の融合だけでもすごいのに、他にもプラスがある『JAWS FORGED ウェッジ』

キャロウェイは2023年3月24日に『JAWS FORGED ウェッジ』を発売した。コピーは“生溝と軟鉄鍛造の融合が、極上の打感とパフォーマンスをもたらす”である。「生溝」は『JAWS RAW ウェッジ』シリーズで採用されたノーメッキフェースのことだ。それを採用して、軟鉄鍛造の心地良さを味わえる融合が特徴なのである。

『JAWS FORGED ウェッジ』は2020年に初代が発表されて、本格的なツアーウェッジとして高評価だった。今回は二代目になる。

新しい『JAWS FORGED ウェッジ』で、個人的に最も注目した点は、ウェッジの形状だ。リーディングエッジが丸くなって(54〜60度)、ヒールサイドも懐に余裕が出て、全体的な曲線も美しくなった。

キャロウェイの説明によると、2007年の『X FORGED ウェッジ』を彷彿させるということだが、個人的には和顔というか、日本のオールドゴルファー向けのノスタルジーを感じるのだ。ひと言、大好き!なのである。

そしてもう一つ。軽さだ。ヘッド重量が軽く、クラブのバランスも軽くなっている。これによって操作性が良くなった。現在の市場には、特注で作り込む以外にはそういうウェッジがない。ヘッドシェイプと軽さの融合だけで、このウェッジの購入を決めるゴルファーがいることが想像できる。

さて、ではいよいよコースで打ってみよう

『JAWS FORGED ウェッジ』は、さらにテクノロジーが満載だ。「タングステン・テクノロジー」は、ロフト54度〜60度で採用されていて、バックフェースの4つの穴(ウェイトポート)のトゥ側1つ目にタングステンが入っているのは、54度、56度。トゥ側2つに入っているのが、58度、60度となっている。これによって、フェースを開いて使うときに、イメージ通りのロブショットがしやすくなっている。

最後に、「マイクロフィーチャー」だ。これは溝と溝の間に小さな凸部を構成しているものだ。もちろん、スピン性能を向上させる役割を担っている。

ようやく機会を得たので、今回は『JAWS FORGED ウェッジ』の50度と56度を試打することに。シャフトはDynamic Goldバーガンディ(S200)。コースは気温12℃〜19℃、曇り、強風。使い慣れていて、クラブの影響だけに集中できるということで『TOUR B X』を使用した。

ツアーウェッジとしての総合力に注目しながら、『JAWS FORGED ウェッジ』をコースに持ち込んだ。

操作性アップで自由自在にも、オートマチックにも使える不思議な『JAWS FORGED ウェッジ』!

『JAWS FORGED ウェッジ』を試打してみて、わかったポイントをまとめる。

● 打音:音量、やや控えめ。音質は硬質と鞭感がミックスで気持ち良し。柔らかめの打ち応え。手応えは敏感。
● 弾道:高弾道。高低の打ち分けは自由自在。
● スピン:ツアーウェッジらしく、その場で止まろうとする。
● 飛距離:ロフト通り。飛ばさないテクニックには反応してくれる。

アドレスビュー、持った重量感が良い。ただ、フェースのノーメッキはサビなどが模様のようになって気になる。フェースを触ると、独特のザラつき感があり鮫肌を感じさせる。

いろいろな球種も打てるが、オートマチックに同じ球を打つのも得意。テクニカルに打ちたいゴルファーにも、自信がないゴルファーにもオススメである。ツアーウェッジでありながら、誰でも打てるやさしさもあるのだ。昔のコマーシャルじゃないが、上手い人はより上手く、そうでない人はそれなりに打ててしまうのだ。

個人的感想

『JAWS FORGED ウェッジ』は、本格的なツアーウェッジとしてのプライドを感じさせる。これがホンモノです、と言っているように感じたことが試打ラウンド中に何度もあった。

個人的には、ヘッドがあと少し小さかったら最高だったのに、と思った。『JAWS FORGED ウェッジ』のやさしさの根源はフェースの微妙な大きさにあるので、マイナスどころかプラスなのだが、あくまでも個人的感想だ。

操作性に関しても、リストを多めのに使った打ち方などで異次元の使いやすさを発揮した。シャフトは3種類から選べるので、操作性を求めるなら軽いものをチョイスするのもアリである。逆に、同じボールを打ち続けるオートマチックさを優先するなら、やや重めのシャフトを選んで、余計な動きをしないようにすることもできる。そんなところも面白いと感じた。

試打して、使い手によってその性能や特徴を変化させることができる”器の大きさ”を感じた。不安があるシーンでは簡単な使い方でとりあえず乗せたり、自信があるシーンでは球種を絞ってピンを狙って打ったり、スイッチを入れるようにして使うことができた。

もちろん、本筋はテクニカルに使い熟すことが『JAWS FORGED ウェッジ』の願いだということも感じた。これだけのウェッジが、比較的手頃な値段で購入できるのだ。2023年にゴルフをしていたことに感謝しかない。

『JAWS FORGED ウェッジ』は、多くのゴルファーをその気にさせるウェッジとして、かなり高レベルなのである。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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