中は見えないがクリーブランド『RTX 6』は「ZIPCORE」を強力に進化させたウェッジだ!

ダンロップスポーツマーケティングは、2023年3月18日に『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』を発売した。コピーは、“タフなほど、攻めたくなる。”だ。

『クリーブランド RTX ウェッジ』といえば、松山英樹も使用しているウェッジとして日本市場では常に注目をされている。新しい『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』も同様だ。ツアーウェッジとして完成されている印象があって特別に新しいものがないと考えている人もいるが、「ZIPCORE」を始めとして、新しいテクノロジーに挑戦をし続けているウェッジなのである。

テクノロジーで注目すべき点はまず、ロフト別に異なるフェースブラストとレーザーミーリングを搭載した「HydraZip フェース」だ。また、高スピンを生む最大19本の深く狭い溝「ULTIZIP」と相まって、ウェット時のスピン量が43%向上したという。

そして、ヘッドの主にネックサイドの内側に軽いセラミックのピンを入れて、重心位置を適切な位置にする「ZIPCORE」も新しくなった。ロフト別に、セラミックピンを約50〜95%も大型化して、生まれた16〜21グラムの余剰重量をトゥ側に配分したそうだ。

結果として、上下の慣性モーメントが最大で20%向上する。これはちょっと期待できそうな予感がする。

さて、ではいよいよコースで打ってみよう

発売して時間が経っているので、使用者の口コミが耳に入る。モデルチェンジするたびに、進化を続けていると証明するような仕上がりだと絶賛するものもあった。

内側の変化は打ってみなければわからない。特にウェッジは、マットの上ではわからないことがたくさんあるのだ。『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』はどんな進化をしたのか?注意深く試打をした。

コースは気温18℃〜26℃、晴れ、微風。使い慣れていて、クラブの影響だけに集中できるということで『TOUR B X』を使用した。試打した『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』のシャフトは、ダイナミックゴールド。ロフトとグラインドは、50度 MID、56度 MID。

自分に合うロフトを発見すれば寄りまくるかも?『RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』は使いやすいぞ!

試打してみて、わかったポイントをまとめる。

● 打音:音量は、やや控え目。音質は濡れた鞭系で残響を抑えた音。柔らかめで乗り感が強い。手応えは辛うじて敏感。
● 弾道:中弾道。高低の打ち分けは自由自在。
● スピン:ツアーウェッジらしくその場で止まろうとする。50度は明らかにスピン量が増した。
● 飛距離:ロフト通り。飛ばさないテクニックに反応良し。

『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』の56度は、シェイプが丸くなってアドレスビューが良くなった。50度はリーディングエッジが直線的。対照的でわかりやすい。

ソール幅がしっかりとあるが、打ってみるとあまり気にならず、跳ねるよりも抜けがいいほうの印象が強い。この時点でわかったのは、やさしくなったように見えるが、実際にはいろいろな球種が打てて、反応も敏感。コントロールできなければ、意図しないボールが出てしまうクラブになるので注意が必要だ。

スピンに関しては、前モデル、前々モデルのほうが安定したスピン量にこだわっている感じがしたが、『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』は基本、ツアーウェッジの”その場で止まる感じ”なのだ。しかし、いくつかの条件をクリアすれば、バックスピンが強くかかるショットも打てるようになった。

こんなゴルファーにオススメ!

理由はわからないけれど「ZIPCORE」は違和感があって自分には合わなそう、と敬遠していたゴルファーに『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』をオススメする。今までとは大きく変わり、扱いやすくなったことは間違いないからだ。

個人的に最も良かったのは、50度のウェッジの出来の良さだ。今まではフルショットオンリーな感じだったが、それだけではなく、アプローチシーンでも格段に使いやすくなった。

アプローチが苦手だというゴルファーの何割かは、ロフトが多すぎるウェッジが合わないケースがある。いい感じで打つとショートばかりで、飛ばそうとしてトップで大オーバーしてしまうのが代表例だ。そういう場合は、ロフトが立ったウェッジを使うことで、一気に解決することがある。

アプローチにも使いやすい50度前後のウェッジが欲しいゴルファーに、オススメする。

『クリーブランド RTX 6 ZIPCORE ウェッジ』はさり気なく、気持ち良くテクニックを発揮させてくれそうなウェッジに仕上がっていて、ツアーウェッジとしての完成度をグッと引き上げた。感性を活かして、テクノロジーを享受できるウェッジになっている。

丸めのウェッジが好きなゴルファーは、チェックしておくべき1本だと断言できる。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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