本当にほしいものが手に入るのはゴルフショップ(リアル店舗)だけ

昨今はゴルフ用品をネットで購入する人が大半だと思います。でも、僕はショップ派(リアル店舗)。ネットでしか手に入らないものはやむなくネットで買いますが、基本は量販店にしろメーカー直営にしろショップ買いです。

一番の理由は(大きな声では言えませんが)、どうしても個体差があるから。特にクラブは十中八九そう。といっても製品に問題があるわけじゃなく、人間が持った瞬間にわずかな違いを感じるから。製品は同じでも、現物を手にするとそれぞれ微妙に違うんです。

その点、ショップなら現物をいくつか見て、持って、最終的に“コレ!”と感じたものを選べます。そもそも自分が使いたい道具を探しているわけですから、買う前に現物を見て触れなきゃはじまらない。試打するのは言わずもがなです。

ショップで試打してネットで買う人も多いですが、残念ながら同じものは届きません。仕事柄、試打することが多い僕は、試打したクラブそのものを欲しくなることがよくあります。
「同じ商品の新品を送ります」とメーカーさんは言ってくれますが、僕からすると「同じならこれでいいですから」と、ちょっとした押し問答になったりします(笑)。ちなみに「試打クラブの方が性能がいい」なんて論争もありましたが、試打用のクラブは無作為にあてがわれているのでそれはありません。

ということで、唯一無二とは言わないまでも、納得の1本はショップじゃなきゃ見つからないんです。

苦労して買えたゴルフクラブのほうが愛着が湧く

“ストーリー”も大事です
欲しいものを手に入れるために動き回ること自体がストーリーだし、その前に調べたり、人に意見を聞くのもストーリー。苦労して出会えれば愛着もひとしお。いつか手放すことになっても忘れないし、経験値にもなります。合理的ではないかもしれないけれど、僕は道具とのファーストコンタクトや一つひとつのものに対するストーリーはあったほうがいいと思います。

「だってネットの方が安いんだもん」という意見もありますよね。わかります。
でも「ホントにそう?」という面もあるんですよ。

例えばショップに自分のことをわかってくれる店員さんができると「これ買いたいんだけど」となった時に「合わないからやめた方がいい」と止めてくれたりする。また、試打した時に自分が忘れていたことを指摘してくれる店員さんもいて、自分が良いと思っていた以上のクラブが見つかることもあります。さすがにガチで買いに行く時は1本に絞りますが、基本的にはモデルを絞らずに行く。まだ知らないクラブもたくさんあって、可能性が広がる気がするからです。

また、試し打ちができず、情報だけで選ぶしかないボールなどは、自分を知ってくれている人の知見がすごく役に立ちます。

ゴルフウェアのコーディネートも店員さんにお願いすると意外な発見があるかも

僕がよくやってもらうのはウェアのコーディネート。自分で選ぶとどうしても偏るので選んでもらうんですが、そうすると自分では絶対に選ばないものが意外とイケるとわかる。女性店員さんのアドバイスもとても参考になるので、似合いそうなゴルフウェアを見立ててもらったこともあります。

信頼できる店員さんがいれば、必ず良いことがあります。これも人付き合いですが、値切ってばかりだと相手もそれなりの対応になってしまう。自分が得したいと思ったら相手にも得をさせないといけませんよね。そういう付き合いになると、何も言わなくても値引きしてくれたり、限定品を取り寄せてくれたり、最終的に良い関係になれます。ショップによっては売りたいものがあって、それを強く勧めるところもあるようですが、仲良くなればそれもなくなります。

総じて今の店員さんは知識が豊富で、一生懸命に接客してくれるゴルフ好きが多い。僕にも頼りにしている方が何人かいます。
ショップというより人寄りになってしまうし、自分が付き合いやすいことが前提にはなりますが、ゴルフの場合、そんな人とコミュニケーションをとった方が絶対にお得で、お金に代えられない価値がある。
昨今は人間関係が希薄になっていることもあって、なおさらそう思う次第です。




石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。


石井良介のゴルフ・すべらない話

第2回(次回)を読む


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