「マネジメントはこれが正解!」みたいな話はマユツバ
ゴルファーには70台で回る人もいれば100を切ることが目標の人もいます。スポーツとしてやっている人もレジャーでやっている人もいます。それなのにマネジメントと言うと「パーをとるための…」みたいなことになりがち。そうじゃなくて百人百様。マネジメントはプレースタイルやレベルに応じて変わります。
それを前提として全てのゴルファーに共通するのはトータル的な戦略を練ること、そして場面々々で戦略を念頭に置いた対策をとることです。
そこで、まず必要になるのは目標です。
100を切って99で回りたいとしたら、18ホールでボギーとダブルボギーが9個ずつで27オーバー(99)となり目標を達成できますが、そのためには直面した状況で何を考え、何をするか。
さらにはそのために必要なスキルを身につけることが求められるわけで、それがマネジメントの本質になります。正解はゴルファーによって違いますから「マネジメントはこれが正解!」みたいな話は多くの人にとってマユツバもの。「その通りにできたら苦労しないよ」って話です。
「林からは打ちやすいところに出す」だけが正解じゃない
例えば林の中から打つ場合でもセーフティにいくのか、攻めの姿勢で臨むのかでマネジメントは180度変わります。一般的には「次打が打ちやすところに出す」と言われますが、僕の場合、けっこうグリーンを狙ってもらうことが多いです。
理由は単純「グリーンが見えてるんだから狙え!」ってこと。いいスコアで回るならチョコンと出すよりグリーンに近づけた方がいいに決まっているからです。
でも、いつも狙えるとは限らない。そんな時にどんな安全策をとるのかを考え、そのために必要なことを練習するのがマネジメント。また、チャレンジする場合と安全策をとる場合とでは、気持ちのマネジメントも必要で、これはいわばセルフマネジメント。本来はそうやって身につけていくもので、“出すのが正解”という安直な話ではないのです。
野球では序盤でゲームを壊したくない場合に、失点覚悟でアウトを取りにいくことがあります。逆に1点も取られたくない時には極端な前進守備をとったりします。ゴルフも同じで局面によって戦術が変わる。テクニックに関して言えば、練習場で学べるのは基本的な打ち方だけ。コースに出たら全てのストロークが応用編なんです。
マネジメントのポイントは起こることをどこまで予見できるか
もちろんパットでもマネジメントが必要です。特に20mを超えるようなロングパットではマネジメント力が結果を左右します。
これはロングパットに限ったことではありませんが、ポイントはこれから起こることをどこまで予見できるか。
カップを狙うとして、強く打ったらグリーンを出る可能性があるのか? 逆に大ショートする可能性があるのか? また、ショートはいいがオーバーはしたくないのか、オーバーした方が打ちやすいのか、などレベルに応じてひとつひとつ判断できる力をつけなければいけません。
テクニック的なことを付け加えるなら、20m以上のパットはアプローチと思った方がいいでしょう。SWで乗せて2パットでも3打、3パットしても3打。ツアープロだって3パットするんですから、3打で収まれば上々です。
トーナメント中継を観ていると、プロがアプローチでピンを大きくオーバーする場面がありますが、そうなる理由が必ずある。例えばボールがすごい逆目のラフやヘビーラフにあり、コントロールしようとすると出せずに乗らないかもしれない。こんな状況ではピンを越す覚悟で打たないとダボやトリになるリスクがあるため、ボギーはやむなしの作戦をとったりするわけです。学ぶべきはプロがなぜそう判断したのかを知ることで、それがマネジメント力のアップにつながります。
石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。




