【石井良介のゴルフ・すべらない話】コースマネジメントに絶対的な正解はない。目標やプレースタイルによって百人百様でいい
石井良介のゴルフ・すべらない話:第2回
“試打る人”・石井良介。最新クラブを試打し、コメントするカリスマ・試打職人として知られる。だが、石井良介は試打職人である前に、ティーチングプロであり、ゴルフが大好きな一人の人間である。石井良介は、普段どんなことを考えているのか、あんなことやこんなことに対してどう思っているのか。試打記事では見えてこない、石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話」をどうぞ。第2回のネタはマネジメントです。
写真/ゴルフサプリ編集部
「マネジメントはこれが正解!」みたいな話はマユツバ
ゴルファーには70台で回る人もいれば100を切ることが目標の人もいます。スポーツとしてやっている人もレジャーでやっている人もいます。それなのにマネジメントと言うと「パーをとるための…」みたいなことになりがち。そうじゃなくて百人百様。マネジメントはプレースタイルやレベルに応じて変わります。
それを前提として全てのゴルファーに共通するのはトータル的な戦略を練ること、そして場面々々で戦略を念頭に置いた対策をとることです。
そこで、まず必要になるのは目標です。
100を切って99で回りたいとしたら、18ホールでボギーとダブルボギーが9個ずつで27オーバー(99)となり目標を達成できますが、そのためには直面した状況で何を考え、何をするか。
さらにはそのために必要なスキルを身につけることが求められるわけで、それがマネジメントの本質になります。正解はゴルファーによって違いますから「マネジメントはこれが正解!」みたいな話は多くの人にとってマユツバもの。「その通りにできたら苦労しないよ」って話です。
「林からは打ちやすいところに出す」だけが正解じゃない
例えば林の中から打つ場合でもセーフティにいくのか、攻めの姿勢で臨むのかでマネジメントは180度変わります。一般的には「次打が打ちやすところに出す」と言われますが、僕の場合、けっこうグリーンを狙ってもらうことが多いです。
理由は単純「グリーンが見えてるんだから狙え!」ってこと。いいスコアで回るならチョコンと出すよりグリーンに近づけた方がいいに決まっているからです。
でも、いつも狙えるとは限らない。そんな時にどんな安全策をとるのかを考え、そのために必要なことを練習するのがマネジメント。また、チャレンジする場合と安全策をとる場合とでは、気持ちのマネジメントも必要で、これはいわばセルフマネジメント。本来はそうやって身につけていくもので、“出すのが正解”という安直な話ではないのです。
野球では序盤でゲームを壊したくない場合に、失点覚悟でアウトを取りにいくことがあります。逆に1点も取られたくない時には極端な前進守備をとったりします。ゴルフも同じで局面によって戦術が変わる。テクニックに関して言えば、練習場で学べるのは基本的な打ち方だけ。コースに出たら全てのストロークが応用編なんです。
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