いつも大盛りを頼む派のゴルファーは減少傾向にある?
秋です。食の秋を楽しむ粋なゴルファーもたくさんいます。スコアにかかわらず、ゴルフコースのランチは全てのゴルファーに平等なのがありがたい、と感謝するのが正解だと遙か昔に教わりました。「新米になりました!」というような張り紙をレストランで見ると、思わずご飯を大盛りにしてしまう人もいます。新米は、お米の国のゴルファーにとって秋の楽しみのひとつです。
昭和の終わりの頃、学校給食のように自分で取りに行くスタイルで、ご飯のお代わり自由というサービスが大流行しました。お代わりに対応するスタッフの負担を減らす効果があるのに、客側のお得感が増すという一石二鳥のWinWinだったので、一気に広まりました。
バブルの波がその直後にきたことで、「大は小を兼ねる理論」の”総大盛り時代”がやってくるきっかけのサービスだったという分析もあります。バブルが弾けて平成の時は流れましたが、多くのゴルフコースで”総大盛り時代”の名残りは健在です。ゴルフコースのランチはボリュームがあることが正義だ、という風潮があります。
通常の状態で大盛りになっていて、大盛りを頼むとメガ盛りというか特盛りになるゴルフコースのレストランは多いのです。大盛り無料ならまだしも、有料の場合にその傾向は強くなるようです。
ゴルフコースのランチは美味しいので大盛りにしたくなると考える男性は多く、全体としてボリュームがあることは正義である、という主張が受け入れられてきたのだと思います。
しかし近年、「ゴルフコースのランチは量が多すぎる」という疑問を持つゴルファーが増えているという話をよく耳にするようになりました。
小ライスやライスなしにしても、安くならないのはどうして?
素敵女子ゴルファーの取材をしていたときに、こんな疑問を聞きました。
「ランチで、小ライスとかライスなしでとかお願いしたときにその分が割引にならないのは、あれ? って思うことがあります。大盛りは200円増し、とかメニューに書いてあるとなおさらおかしいなぁと」
ごもっともです。早速いくつかのゴルフコースに聞いてみました。
<大盛り無料のコースの場合>
ご飯の盛り具合はサービスの一環なので、大盛りも無料、小ライスもライスなしも同じく無料という考え方
<大盛り有料のコースの場合>
今後そういう声が高まれば、レスオプションの料金体系で対応したいと考えているという回答が多いが、現在は料金設定がないから割引対応はできない
ということのようです。
ちょっと面白かったのは、小ライス、またはライスなしという注文の時は割引ができない代わりとして、小さなゼリーをサービスで付けて対応しているレストランです。ランチはセットメニューなのでバラバラに対応するのは正直大変だけれど、そういうお客様が増えてきたので苦肉の策でのサービスなのだそうです。
ゼリーが見合っているか、と考えれば微妙かもしれませんが、心意気としては伝わってほしいものです。
SDGsを持ち出すまでもなく、時代は無駄を許さなくなっている!
令和のゴルフブームの中、連日満員御礼のゴルフコースもあります。そういうコースのレストランは、猫の手も借りたいほど大忙しです。小ライスやライスなし、という依頼があっても対応しきれないケースもあります。
そもそも小ライスやライスなしという依頼をするのは、残すと申し訳ないし、何より無駄になってもったいない、と考えるからです。
まるで流行語のようにSDGsを持ち出す風潮にはちょっと疑問がありますが、それは別として、”食品ロス”を減らすのは、21世紀の人類に課された命題です。ゴルフコースのレストランも例外ではありません。
極端な話ですが、ランチの際、昭和の終わり頃のように自分でご飯の保温ジャーまで行って、セルフサービスでご飯をよそってもいいと僕は考えています。セルフサービスなら、小ライス・ライスなし問題は解決します。レストランのホールスタッフも負担は増えないはずです。
時代は無駄を許さなくなってきています。結果として、ゆとりがなくて勘弁してほしいと思ってしまうこともありますが、概ね理解できることばかりです。
ゴルフはまさに、無駄をなくして最小スコアを競うゲームです。ゴルファーは無駄をなくすことに長けているはずです。ご飯を無駄にしないための多少の面倒なら、余裕で受け入れることが可能です。お米の国のゴルファーだからこそ、みんなで協力し合おうと呼びかけたいと思います。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


