若手ゴルファーを応援するミニツアー「サステナブルゴルフツアー」

若手ゴルファーが切磋琢磨できる環境が少ない

Instagramのフォロワーは4.6万人の加藤陽(みなみ)氏。ゴルフタレントとしてイベントの司会業やコンペ運営などマルチに活動中。

「サステナブルゴルフツアー」を発足し、2023年12月にそのお披露目コンペを開催した加藤氏は、子供の頃から競技ゴルフに挑戦し、大学では日大ゴルフ部に所属していた。

大学卒業後はゴルフ関連の仕事に就いたが、「卒業した日大の仲間たちが頑張っているにもかかわらず、ミニツアー市場で企業がスポンサードする試合が少ないと感じた」と語る。

選手としてよりもゴルフのインフルエンサーとして活躍している加藤氏は、経営者や企業幹部との交流も多く、企業と協力してミニツアーを盛り上げたいという意欲を持つようになった。

20代インフルエンサーが挑むゴルフトーナメントの持続可能性への挑戦

8割以上を占めるミニツアー市場を応援することが持続可能性への鍵

サステナブルには様々な意味があるが、加藤氏は「下位の選手たちを支援するスポーツ振興がサステナブルである」と話す。レギュラーツアーや下位ツアーに出場できないプレーヤーは8割以上にのぼる。「これらの若手ゴルファーに競技経験を積む機会を提供することは、次世代のプロたちに大きな可能性とチャンスをもたらすだけでなく、新時代のツアーの理想形だ」と考えている。

また、最小限のコストで最大限の感動を生み出す持続可能な試合を運営し、ミニツアー市場を知らない企業にも参入を促進。予算や運営面でも持続可能な仕組みを構築することを目指す。

スポンサーとなる企業のメリットも斬新だ。自らもInstagramで4.6万人のフォロワーを持つインフルエンサーであるが、多数のインフルエンサーを起用し、スポンサー企業の知名度向上に寄与するプランを作成する予定だ。インフルエンサーを活用したマーケティングは一般的になっているが、ゴルフトーナメントでの成功事例はまだなく、今後の時代の盛り上げ施策として注目されそうだ。

さらに、将来の活躍が期待される若手選手とのプロアマも実施。夢に向かってひたむきに頑張る選手との交流を通じて、スポンサーやファンの“推し活“の熱量や価値向上を狙う。

今年はレギュラーツアーの空洞化を恐れる意見もあるが…

男子ツアーでは2023年の賞金ランキングトップ3人が海外ツアーへの参戦を表明しており、女子ツアーでも2024年は西郷真央、吉田優利が米ツアーに参戦する。日本人選手の海外での活躍を期待する一方で、国内の人気選手が相次いで海外進出することによる国内ツアーの空洞化を懸念する声もある。

一つの解決策としては、2024年も新たなスターが誕生することだ。そのためには、将来のスター予備軍が切磋琢磨できる「サステナブルゴルフツアー」のような仕組みが必要不可欠である。「(今までにない)別の視点からゴルフ界を盛り上げていきたい」という加藤氏。ゴルフトーナメントを盛り上げていこうとする若い力と斬新な発想に注目だ。


北村 収
1968年東京都生まれ。ゴルフ雑誌(ALBA)編集部、ゴルフダイジェスト・オンライン メディア部門に所属後、2011年に株式会社ナインバリューズを設立。ゴルフ分野を中心に、取材・執筆・編集からソーシャルメディア、web、Eコマースの企画運営まで総合プロデュースを手掛ける。