ティアップをするドライバーと地面から打つFWの違い

ドライバーとFWのシャフト重量差は、+10グラムがいいのか、+20グラムがいいのか――、どうでもいいです(笑)。

「どうでもいいです」は大袈裟ですが、ドライバーよりFWのシャフト重量が軽くなっていなければ、ギリギリOK。中にはFWのほうがドライバーより軽いのに、上手に使ってる人もいます。

ドライバーは基本的にティアップして打つクラブなので、ある程度オーバースペックでも打ててしまうもの。そしてFWから下のアイアンまでは、地面から打つときもあればティアップして打つときもあります。ドライバーは重くて硬いシャフトが使いやすくて、FWから下は軽めのシャフトにして上手に使う人がいても全くおかしくありません。

その上で、ドライバーが飛んで曲がりません、FWも上手く打ててます、という人が「それはおかしいよ」なんて言われて、わざわざ替える必要はありません。「ドライバーが上手く打てるんだから、FWをもっと重くしよう」となったら、FWを地べたから打つときにダフり始めて上手く打てなくなっちゃうでしょう。“結果”が出ることが全てなんです。

その人が打ちやすい“重量フロー”がある

“数字”がみんな好きなので(笑)、その点からも解き明かしましょう。

例えば、ドライバーのシャフトが60グラム台だと、総重量がだいたい310~320グラムの間なんです、長さが45.5インチくらいとして。それで、アイアンでは120グラム前後、もっというと、市場に出ている一番重いシャフトが入った7番アイアンの総重量は430グラムくらいに。そのドライバーと7番アイアンの間で、右上がりのライン(重量フロー)ができるんです。

続いては、ドライバーに40グラム台のシャフトが入ると(総重量が)280~290グラムくらいになるでしょう。そして、50~60グラムのシャフトが入る7番アイアンだと、370~380グラムくらいに。そういう重量の中でフローができてきます。

結果として、重いシャフトが入ると急な高い右上がりのラインになるし、>シャフトが軽いほうがなだらかな右上がりのライン

ドライバーとアイアンの重量差はどうなっている?

男子プロは急激な右上がりに近いです。ドライバーのシャフトは60㌘台が中心で、アイアンには重たいDGを入れたりするので。60㌘(ドライバー)と130㌘(アイアン)でいうと、70㌘くらい差がある中で使っているでしょう。
一方で、今の女子プロのセッティングを見ると、メインで使っているアイアンのスチールシャフトは、一番多いのが80㌘台。ドライバーのシャフトは50㌘台。ドライバーとアイアンの間で、30㌘くらいしか差がない状態で使っています。ということは、その間に入るFWのシャフト重量を10㌘も20㌘も増やしていったら、アイアンとの差が少なくなってしまうじゃないですか。
今回の質問をくれた人が、FWにも5・Sのシャフトを挿していて、その結果が良かったとします。でも「5・Sじゃダメじゃん、あなたのスペックは6・Sだよ」と言われて、その6・Sを挿して10㍎飛ばなくなったら使いませんよね。それでも「長い目で見たらその方がいいんだ」とか理由をつけられたって「いやいや、いま結果が出てるんだから、これでいいじゃん」っていう話(笑)。つまるところ「自分はどういう重さが振りやすいのか?」というだけのことです。

次回の“こぼれ話”も、このテーマについて深く掘り下げていきましょう。




鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。





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