メーカーさんからもらっているものはなく、ほとんどは自分で購入

今回は僕が2018年からやっているYouTubeチャンネルで、現在12万5千人の方に登録をいただいている『試打ラボしだるTV』についてお話しします。といっても宣伝ではなく、試打インプレッションでもありません。いわば『試打ラボしだるTV』の内情とでも言いましょうか(まあ、それほど大袈裟なことではないですが)、どんな感じでクラブを選び、手に入れ、何を考えて試打しているのか、といった有象無象をお伝えしたいと思います。

まずは試打クラブについてですが、メーカーさんからもらっているものはなく、そのほとんどは自分で購入しています。ありがたいことに、今は提供を申し出ていただけるメーカーさんもありますが、それはすべてお断わりしています。理由は言うまでもなく公正を期すため。なんて言うとカッコいいですが、要は言いたいことを言いたいから。ギア好きとしては、いいものはいいと言いたいし、悪い、というか自分に合わないものは、その理由も含めて合わないとハッキリ言いたい。ただそれだけです。まあ、悪いクラブをわざわざあげつらうのも大人気ないし、何より時間の無駄なので、いいものを紹介する機会が圧倒的に多くなりますが、それでも人気のクラブが思ったほど良くない、なんてことはよくあります。

もちろん購入したクラブを全て使っているわけではなく、買って使わないクラブも出てきます。そういうクラブは基本、売ります。僕の生徒さんに譲ることもあれば、みなさんと同じようにゴルフパートナーさんのようなショップに売りに行ったりもしています。メルカリみたいなサイトに出品することもありますね。幸いにも最近は「欲しい」と言ってくれる方が多いので助かっています。そうかといえば、誰かに貸しているうちに行方不明になってしまうクラブも結構多いです。

購入しなくても格安で新品クラブを試打できる方法がある

購入するクラブが多いですから、結構お金もかかります。年間の予算はどれくらいでしょうか……。例えば2023年に買ったドライバーだと、ステルス2プラス、パラダイムトリプルダイヤモンド、オノフクロ、リミックスVD/R、エアロジェットを2本、あともう1~2本買っていると思います。覚えているだけで6本。1本8万円として48万円です。まあ、ショップさんから割引していただいたりすることもありますが。その前年はドライバーだけで10本以上は買っています。ローグのトリプルダイヤモンドは6本買いました。18ダイヤモンドですね。うちの生徒さんには、僕よりもクラブを多く買っている人がいるので、僕もちょっと感覚が麻痺しているかもしれません。

アイアンセットはコブラのキングツアー、プロトコンセプトC03-TC、タイトリストT200、プロギア02。昨年は4セットです。アイアンについては全て購入するとなると、お金もかかるし保管も大変なので、試打クラブをメーカーさんからお借りすることもあります。その中から試打をして結果が良かったもの、コースで打ってみたいと思ったもの、自分用にシャフトを替えたらどうだろう? などと興味が湧いたものについてはあらためて購入します。アイアンはそんなに買い替えるものではないので、ドライバーより購入量は少ないです。パターは昨年はAiミルド、Aiワン、リッキー・ファウラーの限定モデルの中尺、スパイダーくらいでしょうか。すぐに返しましたが、ベティナルディも買いました。

「ほとんどは購入する」と書いたように、買わないクラブもあります。例えばGDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)さんのTRY SHOTを使う。これは打ちたいクラブをレンタルできるサービスで、最新モデルでも1ヵ月数千円で試すことができ、気に入ったものはそのまま購入もできます。試打にはうってつけですし、僕自身購入したクラブもあります。中古クラブ屋さんの中にも、当日戻しなら、かなりのパーセンテージで買い戻してくれるサービスがあって、たまには使っています。

このようなシステムは、お互いにウィン・ウィンだと思います。例えば、クラブを借りた(あるいは買った)日にラウンドで試し、良ければそのまま持っていればいいし、ダメなら返したり売ったりすればいいわけで、こちらも評価ができますし、ショップ側としてもクラブが稼いでくれるので実質的に損はないはずです。多くの方が購入を前提に考えているかもしれませんが、今時の高価なクラブをコロコロ買い換えるなんて、相当なお金持ちじゃないとできません。それにゴルフパートナーさんに行けば新品クラブも売っています。使ってダメなら売ればいい。考えようによっては最小限の出費で新製品を打つこともできるのです。

クラブやボールが変わってゴルフが変わったらもっと楽しくなる

どんなクラブにもそれぞれに思い入れがありますが、使わないけれど手元に置いておきたいのはパターかもしれません。アイアンはあまりなくて消耗品感覚。実際、溝もなくなりますからね。ドライバーについては、気に入ったものは使わなくても手元に残しています。子どもの頃からドライバーが苦手でコンプレックスがあったので、上手く打てたドライバーはとっておきたい。売ったりあげたりしたくないんです。それに、とっておくと自分の傾向や。その時代のクラブの傾向がわかります。メタルヘッドが出て以降、ドライバーの進化には目を見張るものがあるので特に興味深いですね。翻って、それが果たして進化だったのか流行だったのかという目からもクラブを見られます。

次から次へと新しいクラブを打っている僕ですが、正直「道具を替えてもそこまで変わらない」と思っている部分はどこかにあります。でも、もともと新しいものが好きですし、ゴルフの道具が好きですから、メーカーさんが新しいテクノロジーを投入したと聞いたり、それが良かったと耳にすれば欲しくなる。そういうモノに率先して手を出すと人柱みたいな感じになりますが、そんな僕を実験台として見て、面白がっていただければいいと思っています。そもそもゴルフショップさんとお仕事をさせていただいた時に、新製品の試打クラブを何本か借り、コースでラウンドするお客さんにも打ってもらう、みたいなこともやっていましたから、本質的に僕がやっていることは昔も今も大して変わりません。変わったのは、昔に比べて今の方が選べる幅が随分と増えたことくらいです。

僕としては、ゴルフ場でゴルフというゲームをするのが楽しくてしょうがない。ましてクラブやボールといった道具が変わることで結果が変わったらもっと楽しくなる。いろいろなゴルフ場に行くことはゴルフの大きな楽しみの一つですが、それと同じで道具を替えるのも一つの楽しみ方。多かれ少なかれ、道具で違いが出ることは事実ですし、自分が好きなゲームを自分が使いたい道具で遊ぶなんて最高だと思うんです。




石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。





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