TOP メニュー
コラム
女子ツアーでは増えていて、男子ツアーでは減ってるクラブってナニ？

女子ツアーでは増えていて、男子ツアーでは減ってるクラブってナニ？

鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話第10回

2024/04/04　ゴルフサプリ編集部

日本の男女ツアーを比べると、あるクラブが女子プロには厚く支持されていて、男子プロの間では勢いが収まっているという。そのクラブはUT。カリスマフィッターの鹿又さんはその理由を解き明かしながら、クラブ選びの肝をレクチャーする。
写真／ゴルフサプリ編集部

ショートウッドが消えつつあり、UTが増える女子ツアー

写真は鈴木愛のクラブセッティング（2024年のダイキンオーキッドレディスにて撮影）

昨シーズン、女子ツアーへ取材に行っていて一番驚いたことが、ロフトが立ったユーティリティの使用率が圧倒的に高くなっていて、7Wや9Wなどのショートウッドを入れる選手が1割くらいしかいないことでした。女子プロのセッティングを見ると、1W→3W→5Wの次にUTの21度を入れるプレーヤーが目立ち、7Wを入れる選手ってホントに少なかったんです。

それはナゼか？　ということで、メーカーやプロキャディや選手などに聞いていって出た答えが「パー3ホールで使いやすいから」でした。女子プロのUT21度というと、170～180ヤードくらいでしょう。そういうヤーデージのパー3でティアップして打つときに、FWよりも圧倒的にUTのほうがラインを出しやすいし、コントロールしやすい。だからUTを使う選手が増えた、という一つの結論に至りました。ちなみに、そのことはボク自身がゴルフをするときも、同じように感じています。

もう一つは、今のプロたちはジュニアのころからゴルフをやっていて、そのころにはUTがたくさんあったので使い慣れている。そういう背景もあって、UTが増えてショートウッドが消滅していってるのではないでしょうか。今のトレンドとして。

ドライバーとFWのシャフト重量差は+10グラムが正解？それとも同じ重さでいい？

「ドライバーもFWも5・Sのシャフトを使っていい感じでしたが、クラブに詳しい人から『FWのシャフトはドライバーより重くしな...

あわせて読みたい

ヘッドスピードが速い男子プロは、ウッド型UTよりアイアン型UTが好き

UTについては逆転現象のようなものが起こっていて、女子ツアーでは増えていますが、男子ツアーでは減ってるんです。ナゼかというと、男子プロにとってUTは、球が上がり過ぎたりスピンが入り過ぎちゃうことで、イメージした距離が飛ばなかったり・飛んだりするため。逆に、アイアン型UTのように、普通のヘッドスピードだと球が上がりにくいクラブのほうが、男子プロにとっては結果が良くなったりします。

このことからも分かるように、あくまでも「狙った弾道&距離が打てるクラブはどれか？」という探し方が、スコアにつながるということ。自分が「どう使って、何ヤードを打ちたいのか？」をしっかりとイメージしてもらいたいです。

ヘッドスピードが速い人たちにとってみれば、ロフトが立ったやさしいアイアンの5Iとかのほうが、球が上がり過ぎずに飛んだりするもの。狙った弾道と距離が打ちやすいクラブを選んでもらいたい、とはそういうことです。とりわけFWとUTに関しては、そこが欠かせません。

「6・S」から「5・S」にクラブをスペックダウンしたら”楽”なゴルフを貫け!?

もっと“楽”にゴルフをしたいから、思い切ってドライバーのヘッドを替えたし、シャフトのスペックを「6・S」から「5・S」に落...

あわせて読みたい

クラブの“長所”を利用してコースを攻略する

アイアン型ユーティリティというクラブは、基本的にはヘッドスピードが速い人がアイアンより少しやさしく打てる、という特徴があります。それから“アイアン型”だけに、ウッド型のUTよりもシャープで構えやすいでしょう。風がビュービュー吹くときでも、ラインが出しやすくて球の高さが抑えられる。それを長所にできる人にとっては、強力な武器になるのです。

ゴルファーの悩みどころと言える21～24度というロフト帯でかぶってくるクラブは、ショートウッド、ウッド型UT、アイアン型UT、やさしいアイアンも入ってきます。そして、おのおののクラブで長所が異なります。「自分はどの長所が欲しいのか、使いたいのか」という視点でクラブを探すほうが、コースで結果につながるでしょう。