ポケットキャビティのアイアンは、アマチュアにとって最強のツール
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第9回
マッスル、キャビティ、ポケットキャビティ、中空――。今どきのアイアンは多種多様で、どのタイプが合うかわからないという人が少なくない。でも、ヘッドの構造によって特徴が分かれているとはカリスマフィッターの鹿又さん。それぞれの強みを解説してもらった。
操作性に長けたブレード、やさしさを味付けしたキャビティ
PGAツアーのプレーヤーたちが使っている「ブレード」(マッスルバック)のアイアンは、見た目がシャープでカッコいいと感じる人も多いでしょう。重心が高めで操作性に長けたヘッドになりやすいので、入射角やHS、スイング軌道に対して、結果が著しく変化するため「球を曲げやすい」とか「タテ距離や球の高さを打ち分けやすい」という長所があります。
一方で、ヘッドをコントロールできない人にとっては、それが「難しい」と感じて短所になるでしょう。
そして、普通の「キャビティ」は「ブレード」よりも、ミスの寛容性が若干高くなるだけ。基本は「ブレード」です。「ブレード」に対してやさしい、というのが「キャビティ」のアイアンになります。
「残り150ヤード=7番アイアン」はNG!番手ごとの平均キャリー&トータル飛距離を知ることがスコアを変える
クラブの各番手の飛距離を把握していないと、ラウンド中に適切なクラブ選択ができません。まずは、各番手の平均キャリーと平...
ミスに寛容なポケキャビ、ボール初速が上がる中空
「ポケットキャビティ」のヘッドは後方にポケットがついていて、後ろ側にウェイトがくるしソール幅が広くなるので、基本構造としては重心が低くて深くなりやすいです。ということは、フェース下部の左右の打点ズレに対して強くなるもの。ボクの中で「ポケットキャビティ」のアイアンは、アマチュアにとって“最強のツール”だと思っています。ちなみに、自分が使っているアイアンも「ポケットキャビティ」なんですよ。
その次に「中空」については、種類がたくさんあります。ソール幅をどのくらい広く作るかとか、異素材を入れて重心をコントロールしたりしているので「中空」の中でもいろんなタイプがあるということ。軟鉄で作っているモノもあればステンレスのモノもあるし、フェースだけ軟鉄のモノもあるし、振動吸収材が入ってるモノもあります。その「中空」の一番のメリットは、フェースの肉厚を薄くして反発力が高くなること。“やさしい”のではなくて“初速が出しやすい”のが「中空」の強みです。
その「中空」は構造上、重心が高くなりやすいところを、異素材を用いて重心をコントロールしたりして使いやすくしています。一般的に、アマチュアは「中空」より「ポケットキャビティ」の方がやさしく感じる人が多いでしょう。
どんな球を打ちたいか?でアイアンは決まる
次のページ