V、S、C、3つのソールの特徴がくっきり。振り抜き抜群のVソール
メーカーの調査によるとアマチュアが使用するアイアンのヘッド形状はキャビティバックが78%と圧倒的なシェア。なのにウェッジになると、なぜかブレードタイプが席巻してキャビティはわずか4%に止まっているという。アイアンに寛容性を求めてキャビティを使うなら、ウェッジだってキャビティがいいはず、という発想のもとで生まれたのが「CVX 2」だ。
特筆すべきは苦手を克服できるのみならず、さまざまなショットをやさしくするソール形状。いかなるシーンにも対応できるよう、ロフト別にVソール、Sソール、Cソールという3タイプのソール設計を取り入れた。QPさんが試打をしてまず感じたのはその効果だった。
「ウェッジってデザイン的にはほぼ決まってしまっているし、面積的にも大きくないので進化を実感しづらいと言われていますが、それがこんなにもやさしい方向に進化できる余地がまだあったんだな、というのが打ってみた正直な感想。ゴルフクラブの新たな可能性をすごく感じるモデルですね。とりわけいいのは、V、S、Cという3つのソールの特徴がハッキリ分かれていることです」
ということで、さっそく3つのソール形状、それぞれのインプレッションを語ってもらおう。まずはロフト46度から52度まで、2度刻みで4本ラインナップされているVソールから。
「Vソールはヘッドが多少上から入って入射角がキツくなってもダフりません。また、ボールを右に置いてランニングアプローチをする時もすごく使いやすいようにできている。これはリーディングエッジ側の面取りの効果でしょうね。ソールの後ろ側を削ってあるのもいいところです。普通はこの部分のソール幅が広いと、どうしてもフルショットした時の振り抜きが悪くなりがちですが、Vソールは一番当たりやすいソール部分を絶妙にカットしてあるのでフルショットしても気持ち良く振り抜ける。距離を合わせる場合とフルショットの両方に対応できるよう、よく考えられているなぁと思いました」
Vソールの触れ込みは、“ダフリを恐れず気持ちよくフルショット!”。V字形のソールが、フルショットやスクエアフェースのショット時に抜けの良さを演出して、チャックリやダフリを軽減するということだが、まさにその通りの印象だったようだ。
Sソールは開いて使いやすくCソールはオートマチック感とマニュアル感が共存
お次はロフト54、56度の2機種に施されているSソール。バンカーや深いラフなどからフェースを開いて打つシーンでヒール側を削ったワイドソールが活躍。楽々一発で脱出できるというのがアピールポイントだ。
「54、56度のSソールはすごくフェースを開きやすいモデルです。実は今回、僕が一番スゴいと思ったのがこのSソール。なぜかというと、普通はヒールバンスを大きめに設けると、バンカーから出づらい人に特化したようなやさしいだけのウェッジになってしまうんです。もちろんそれはそれでアリなんですけど、このCVX 2 ZIPCOREはベタベタにやさしいビギナー向きとは明らかに一線を画していて、しっかりキャラが出ています。フェースを開いて打っても振り抜きがいいソールになっているところが秀逸。ソール幅が広いから安心感もあります。3つのソールデザインの中では一番画期的だなと感じましたね」
トリはロフト58度に搭載のCソール。ヒールとトゥの両側を削ったことで、あらゆる場面で抜けが良くなり、フワッと上がる球が打ちやすくなったということだが……。
「Cソールはソールの後ろ側がガッツリ落ちていて、これが抜群の振り抜きの良さを生んでいると思います。普通はソールを広くすると、ボールを高く上げる時に、ちょっとのバンスでも結構大きくなってしまうものなんですが、面取りを工夫して、ソールの広さがありながらもバンスが大きくならないように作られているんです。だから、ちょっとアッパーに入れてボールを高く上げる、みたいなことも難なくできちゃう。スピンを入れにいくアプローチも自在に打てます。僕はこのへんのきめ細かさってすごく大事だと思っていて、あると思っていないところにバンスがあると、どうしても突っかかっちゃう。例えば中級者から上級者に行くためのテクニックを出そうとした時に、お助け機能がつきすぎているとテクニカルな部分が邪魔されるんです。その点、このモデルはセーフティさを担保しつつテクニックも使える感じがある。オートマチック感とマニュアル感がいい具合に共存しているんですよ」
キャビティなのに「ソリッド感が残る」良い打感!
ということでソール形状による特性はメーカーの狙い通りくっきりと出ている模様。では、見た目や打感はどうなのか。特にキャビティとなると打感が気になるが。
「見た目はちょっと大きめですがきになるほどじゃなく、むしろ安心感がありますよ。打感も良くて、打っているとキャビティだってことをすっかり忘れてました。キャビティだとどうしても打点部分の肉厚が薄くなってバイブレーションが大きくなるんですが、それが消されていて手の中にソリッド感が残ります。フルショットしても頼りなさやインパクトがボヤける感じは全くないです。トゥ、ヒールみたいになると鈍感なものになりがちなんですが、打感でも折り合いがついている。あらためてキャビティだって思うとちょっと不思議な感覚です。ボールもつかまってスピンが入る手応えもありました」
キャビティらしからぬ打感は「GEL BACK」の賜物。衝撃を抑えて心地よいフィーリングを実現しているという。一方、高いスピン性能はロフト別に異なるフェースブラストとレーザーミーリングを施した「HydraZip」と、最大19本の深くて狭い高精度設計グルーブ(溝)を刻んだ「ULTIZIP」の合わせ技で、RTX6のDNAを受け継いでいる。
「これからもっと上手くなりたい」という人には絶対オススメ!
「正直、Vソール的な手法はよくあると思うんです。でも、SソールとCソールの作り方は憎いくらいにうまいですね。単純にやさしくないところがいい。打ち方としては、フェースターンを使っても使わなくてもどちらでもイケますが、基本的にはそんなに使う感じではなく、ある程度クラブに任せちゃった方がいいと思います。何せ“ウェッジのクリーブランド”ですから。カーボンシャフトもあって、それも試してみましたが、さすがウエッジ専用に開発されただけあって頼りなさは一切ありません。ウェッジではタッチしたあとに一押しして欲しいんですが、カーボンにもそれがしっかりあって、当たり負ける感じはありません」
では、最後に適正について聞いてみよう。
「まず、打ちやすさや扱いやすさ、そしてスピンのかかりやすさから、アベレージゴルファーにオススメです。ですが……あえて私はアスリートゴルファーにもオススメしたいですね。その中でもアプローチに弱点を抱えていたり、これからもっと上手くなっていきたい人、かつクリーブランドやスリクソンブランドに憧れがある人ならバッチリ。“プロってこういう感覚で打っているんだ”、というのを体感できるウェッジだと思います。中・上級者なら誰でも使えるでしょう。Sソールなどは、アプローチがちょっとヤバくなりつつあるツアープロにノーメッキで持っていったら喜んで使いそうです。僕も個人的にはミックスさせて使いたいと思いました。54度は上から突っかかってもいいようにCVX 2 ZIPCORE、58度はRTX6から選んでもいいかなと。転がす、上げるをハッキリ分けて使えそうです。顔がちょっと違うけど、同じメーカーですからテイストは一緒なので問題ないと思います。ボールの相性も加えておくと、当然ながらスリクソンのボールはどれでもいいですが、まずはZ-STARからかなと思います。基本、ツアーボールでいいけれど、あまり特化されているものよりはスタンダードなボールが合うと思うので、ますはそこから入るのがオススメです」
ちなみに、ネック部に軽比重のセラミックピンをインサートした「ZIPCORE」とキャビティ構造による効果で、慣性モーメントは左右方向に7%、上下方向に6%増大(56度の従来モデル比)。キャビティ部の拡大により創出した余剰重量45グラム(従来モデル比+6グラム)を適正配分している。さらに重心位置を従来比で3ミリ(56度) トゥ側にシフトした。これは多くのアベレージゴルファーの打点位置に寄せたもので、オフセンターショットでも安定したパフォーマンスを約束してくれるということだ。
さて、関雅史によるCVX 2 ZIPCORE ウェッジの試打レポートはいかがだっただろうか。もっと詳しく知りたい!という方は、動画バージョンもあるのでぜひ視聴してみてほしい。







