3Wはドライバーのヘッドスピードが43~44m/sないと打てない

今回は読者の方からいただいた質問に答えます。内容はタイトルの通りで。では、さっそくはじめましょう。

FWを2本入れるとしても3Wはいりません。ドライバーの飛距離が220ヤードならキャリーは200ヤードほど。低い球で転がす前提なら3Wでもいいですが、普通にいい球を打つイメージがあるなら3Wではロフトが足りません。クラブスピードに対してロフトが不足しているので打球が浮ききらないのです。それなら5Wの方が打球の高さが出やすいですし、そのぶんキャリーも望めます。

あるゴルファーがトラックマンで3Wを計測したところ、5Wとキャリーが一緒でした。おそらく170~180ヤードくらいだったと思います。3Wはそこから転がってトータル距離が出るということになっていますが、地面の影響を受けますから結局どれだけ飛ぶのか予測が立ちません。それなら5W1本でいいんじゃないかという結論になり3Wを抜いたケースがあります。

ついでに言うと、その人は4Wに相当するキャロウェイの3HL(ロフト16.5度)を入れました。さらに3HLと5Wだとロフト間が詰まったので3HLと7Wとの2本体制にしました。20年前のアニカ・ソレンスタムみたいに4Wプラスと7Wみたいな感じです。

今の3Wは初速が出て飛びますが、前に行く力が強すぎて浮力が足りない傾向にあります。最低でもドライバーでキャリー220~230、ヘッドスピードにして43~44m/sないと打つのは難しいと思います。もちろんメーカーによってはボールが浮きやすいモデルもあります。例えばピンの『G430MAX』は浮きやすい。でもキャロウェイの『パラダイムAi SMOKE』の3Wだと初速が速くて前にバーンと行く。初速とスピン量が両方とも高いのはないので浮かせきれないのです。それがわかっているからキャロウェイには3HLがあるんでしょうね。

3Wよりは5Wの方がはるかにやさしいですしコースで気分よく打てる確率も上がります。3Wはちょっとでもライが悪いと使えませんが、5Wは多少ボールが沈んでいても打てるので汎用性もあまりす。5Wと4Wを比べた場合、3Wの長さでロフトがあるのが4W。3Wで足りないのはロフトで、長さがあればクラブスピードは作れます。ですから、5Wより飛ばしたければ3HLや4Wのチョイスがいいと思います。

4W相当のロフトか5W +7WがおすすめのFW2本体制

最近はドライバーが高ロフト化しています。これまで8、9度を使っていたプロが10.5度を使っているくらいですから、その下のFWのロフトが16度以上になっても、それは全体的に増えているだけですからおかしな話ではありません。番手ではなくロフトで考えればいいということです。キャロウェイさんにしても、4Wだと売れないから3HLにしたのかもしれませんしね(笑)。ということで、2本のうちの1本は5Wか4W相当のロフトのFWがいいでしょう。

もう1本は7Wでしょうね。僕も3Wはほぼ使わないので、3HLと5Wもしくは7W。だた、僕の場合は7WだとUTとかぶってきます。もし僕と同じように距離的にかぶりそうなら、打球の高さが欲しいのか、ライナー系のボールが欲しいのかで選ぶといいでしょう。

5WとUTなら5Wの方が球は上がります。でもUTの方が長さは短いので使い勝手はいい。例えば体力がなければ、長さがあるFWを使った方がいいかもしれません。ちなみに僕は『APEX』のUWを使っています。これはウッド寄りのUTという位置付けのクラブ。こういう隙間を埋めるクラブも今後出てくると思います。

かつては1、3、5Wに3番アイアンからだったセッティングが、1、3HL、7Wの下にUTを1~2本入れて、アイアンは5、6番からというふうになっていく感じでしょうか。体力に自信のない方の場合、アイアンは8、9番からもザラなのが昨今の傾向です。そうなるとウッドは2~3本、UTは3~4本になる。もしかしたらこれが最先端のセッティングなのかもしれません。2013年に井戸木鴻樹さんが全米プロシニアで勝った時に、“六本木の男”なんて言われましたが、今やそれが普通になってきたわけです。

繰り返しますが、アマチュアの方はどうしてもFWでボールが浮きません。ボールも低スピン、高初速化していますからなおさら。男子プロでさえ3Wを抜いているのがその流れを示しています。視点を変えれば5Wが飛ぶので、それでグリーンをキャッチすればいいということ。昔は3Wでグリーンを狙いましたが、それだと止まらないことが多いので、だったら狙わない方がいいと考える人もいるということだと思います。アマチュアの方もこれを見習い、とにかく浮かせやすいクラブでセットアアップした方がいいと思いますね。

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。


石井良介のゴルフ・すべらない話

第25回(前回)を読む

シリーズ一覧へ