ドライバーの代わりはどっちが正解? ミニドライバーにする? ショートドライバーにする?
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第149回
「ミニドライバーって、要るのかな…」ある日のT島、ふとそんな疑問が頭に浮かんだ。たしかにツアープロはスプーンを多用してて、事足りてるみたい。じゃあ、ミニドライバーは、アマチュアのためのもの? 今回のテーマはミニドライバー。ゴルフライターのT島氏が大蔵ゴルフスタジオの金子フィッターと語り合います。
ミニドライバーは、ヘッドサイズが大きいスプーンに近いクラブ
T島 今回のテーマはミニドライバーです。テーラーメイド、キャロウェイから発売されましたが、大人気で品薄だとか? 限定生産なので、中古でもミニドライバーは割高ですね。
金子 限定生産なので、中古でもミニドライバーは割高みたいですね。最近は数量限定とかやたら増えましたね。
T島 テーラーメイドのミニドライバーはヘッドサイズが304cc、キャロウェイのミニドライバーは340cc。時代的に見れば2000年代前半のサイズ感ですな。
金子 そうですね。テーラーメイド300シリーズとかキャロウェイのERC2とかの頃のサイズですかね。
T島 渋いクラブ出してくるよね。で、テーラーメイドの300ミニなどの重心特性と2000年代初頭のドライバーを比較すると、ミニドライバーはサイズの割に重心距離が短く、重心深度が深い。慣性モーメントは変わりない感じです。
金子 なるほど。クラブ長さはミニドライバーのほうが短いですよね。2000年初頭だとドライバーのクラブ長さは45インチぐらいが多かったような。対して、ミニドライバーは43.5インチ前後。
T島 そうだね。長さが短いと扱いやすいと感じる人が多いでしょう。ちなみにクラブ長さが短いぶん、ヘッドが重くなっています。
金子 長さ、ヘッドの重さ、あと重心特性などを考慮すると。ドライバーというよりも、スプーンに近い印象です。
T島 流石!そう、ティーショットしやすいスプーンって感じですよね。
ミニドライバーは『3Wの進化系』? “ドライバーの代わり”じゃないんじゃない
PGAツアーのトッププレーヤーも実戦で投入することがある、ヘッドが小さくてクラブが短めの“ミニドライバー”。このクラブって...
金子 ちょっと話が変わりますが、フィッティングの際にふと思うことがあるんです。お客様にはフルセット持ってきていただくことが多いのですが、その時に他のクラブに比べて「ドライバーだけ、長くて大きい」なと。
T島 そうですね。もう馴れてしまって、それが当たり前に感じてしまっているけども。
金子 ヘッドサイズ、長さ、重心位置、慣性モーメント……すべての要素がドライバーは突出しています。
T島 つまり1本だけ別物感がある。スプーンを多用する男子ツアーの選手とか、やっぱりクラブのつながりは良いだろうな、なんて推測する。初心者の頃は、パーシモンにスチールシャフトだったから、違和感がなかったけどいつのまにか、別物が1本混ざるようになった。
金子 そうですね。ゴルフを始められたばかりの人は、特に別物感を強く感じるかもしれません。
T島 ドライバーの進化の過程として、ティーアップして打てるという条件下のクラブだからこそ、飛距離アップとミスヒットの強さが追求されていった。結果、他のクラブとの乖離が激しい、特別なクラブになってしまった。
金子 そう考えると、ミニドライバーはドライバーとスプーン、フェアウェイウッドの間を埋めるという意味では有効なのかもしれません。
T島 ミニドライバーの存在意義のひとつは、そこか!
ミニドライバーはどんなゴルファーが、どんな時に使えるのかな?
次のページ