飛ぶと話題のドライバーが飛ばない人はロフト(スピン)が足りてないのかも
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第157回
心待ちにしていたというタイトリストのGTシリーズを試打したT島氏。ゴルフライターのT島氏が大蔵ゴルフスタジオの野倉(ダイナマン)フィッターと語り合います。
写真/ゴルフサプリ編集部
飛ぶとうわさのタイトリストGTシリーズは本当に飛ぶよ
T島 唐突ですが、8月23日に発売された話題のドライバーと言えば何でしょう?
野倉 いきなりクイズですか? うーん……タイトリストのGTシリーズ!
T島 正解です!
野倉 むふふ。T島さんは、もう打ったんですよね?
T島 コースでは打っていませんが、インドアでは試打しました。
野倉 飛ぶという噂は本当でしたか?
T島 本当です。「あれ?この計測データ本当?」みたいな初速出ます。有識者の方々、みんなが飛ぶって言っていたけど、本当でした。
野倉 何が変わったのでしょう?
T島 ヘッドがフルチタンから、コンポジットになりました。ですが、素材はカーボンではなくポリマークラウンです。シームレスサーモフォームクラウン!
野倉 ポリマー? カーボンとは違うんですか?
T島 ポリマーは樹脂素材に分類される素材と言ったらわかりやすいですかね。ただ、クラウンの素材がポリマーだから飛ぶというわけではないです。それと、ヘッド形状は複合素材構造とは思えません。しっかりタイトリストらしく、美しいヘッドです。
野倉 いかにも複合素材を使ったヘッドです!と言う感じではないわけですね。
T島 はい。打感も打音もフルチタンじゃないの?と錯覚してしまうほど。まったく違和感がありません。T島的にはうれしいです。
野倉 飛んで構えやすくて打感も良いって、悪いとこないじゃないですか?
T島 だから!困っておいるんじゃないの!
野倉 欲しくなってますね?(笑)
T島 当然です(キリッ)。
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GT2ドライバー
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野倉 GTシリーズにはGT2、GT3、GT4と3モデルがありますが、それぞれの違いは?
T島 どれも飛距離性能が高いので……正直どのモデルも良いのだけど。うーん……みなさんがよく知っているドライバーを比較対象にして、つかまりや飛び方、スピン量なんかの具合は……GT2がQi10MAXとQi10の間、GT3がQi10とQi10LSの間、GT4はQi10LSより気持ち“とがってる”感じ。
野倉 キャロウェイのAiスモークで言うと?
T島 パラダイムAiスモーク MAXとGT2が同じぐらい。トリプルダイヤMAXとGT3が同じぐらい、そしてトリプルダイヤとGT4が同じイメージ。打ったことがある人にしか伝わらなくて申し訳ないですが。
野倉 あくまでT島さんの個人的感想です。
T島 やっぱりタイトリストなのでGTシリーズは、アスリート志向と言う感じがします。でもGT4は以前のTSiやTSRほどのとがり具合じゃなくて、扱いやすさを感じられました。なので、マッチする人は以前より多いでしょう。ダイナマン(野倉くん)はGT4が良さそうかな?
野倉 そうですね。一番低スピンですからね。
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飛ばない人はスピンが少なすぎるのかもしれない
野倉 そういえば最近、お客様から「飛ぶと話題のドライバーを買ったけど飛ばない」という相談をいただきます。
T島 そうだろうと思う。低スピン過ぎるんだよ。ボールが上がりきらずキャリーが出ない。それにスピンが少ないと球筋も安定しないからね。
野倉 逆にバックスピン量が多くなると、スピン軸は傾きにくいですからね。
T島 そうなんだよね。低スピンだからサイドスピンが掛かりにくいと誤解している人が多い。実はサイドスピンって、便宜上作られた言葉だから。
野倉 いかにもサイドスピンというのが存在して、それも低スピンと誤解しているお客様もいらっしゃいます。
T島 そんなにたくさんスピン軸があったら大変です。スピン軸は1本です。スピン=バックスピンで、そのスピン軸の傾きのことをわかりやすくするために、便宜上サイドスピンと呼んでいるのです。
野倉 つまり低スピンというのは曲がりやすいリスクがあります。そして、スピンが少なすぎるとボールがドロップします。
T島 野球のフォークボールとか低スピン過ぎて落ちるわけでしょ?
野倉 そうなんです。「低スピンすぎる=フォークボール」みたいになりますよね。まあ野球みたいにストンっと落ちたりはしないですけどね、飛距離は落ちます。
T島 各社、低スピン、低スピンと打ち出していますけど、かといって低スピンすぎちゃダメなんですよ。
野倉 今どきの大ヒットドライバーで飛ばないと悲しんでおられる方は、スピン量が足らないかもしれませんね。
T島 そうだね。そんな人は、まずはロフト角を可変スリーブで増やしてみることから始めよう。
野倉 飛距離の3要素はボール初速、打ち出し角、スピン量です。スピンが少ないというのは、ロフト角が不足していて打ち出し角とスピン量に影響を及ぼしているのです。
T島 ロフト角を増やすと打ち出し角アップ。スピン量も増えます。
野倉 最近のボールは進化していて、ドライバーでは低スピン。アプローチは激スピンという開発傾向なので、ボールの進化も影響しています。
T島 バックスピンが少ないと自覚している人は、スピン系のボールで、その中でスピンがかかるボールを使って欲しい。
野倉 大蔵ゴルフスタジオのトラックマンでチェックできます。
T島 皆さんロフト角11度とか嫌がるんです。「お爺さんじゃないんだから!」みたいな感じで。
野倉 10.5度より9度のほうがカッコいいと思ってらっしゃる?
T島 可変スリーブが出る前、明らかにそう言う風潮があったね。だから、表示ロフトと実際のロフト角が違うドライバーも多かったのよ。
野倉 盛っていたんですね。9度って書いてあるのに11度とか?ホントですか?
T島 ホントホント。可変スリーブになって、何故か盛り盛りドライバーが減ったのです。
野倉 迷ったらロフト角は大きめにしましょうってことですね。
T島 それから、最近人気のシャフトって、低スピンになるシャフトじゃなくて、少しスピンが入るシャフトのが多くない?
野倉 そうですね。USTマミヤのTHE ATTAS V2とか、タイミングを取りやすく感じる人が多くて、適度にスピンが入るのでお助けシャフトになっていますし。
T島 シャフトである程度補えたりしますからね。
野倉 ロフト角9度を11度にするほどの効果は出ませんか。
T島 やっぱりロフト角が一番効く。それは物理の法則だから仕方ないです。でも、タイトリストGTシリーズのGT2に採用されているトゥルーテンパーの新しいシャフト、DENALI RED なんかはスピンが適度に入ってくれるから良いチョイスかも? GT3やGT4には採用されていないのが、ユーザー想定されていて面白い。
野倉 DENALI も気になるシャフトですね。それにしても、GT3、GT4は低スピンを求めている人のためのヘッドなんですね。
T島 そうなんだけど、意外と打てる人が多いと思うよ。
野倉 ますます気になってきました。
T島 ダイナマンのエースドライバー変更かもよ?
野倉 うーん 早く打ってみたい。
T島 動画撮らないとね!
野倉 はい。ドライバーの低スピンに悩んでいる方!ぜひ大蔵ゴルフスタジオのフィッティングを!
T島 よろしくお願いいたします。
T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
大蔵ゴルフスタジオ
上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。
取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
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